Color=RoyalPurple
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ホットチョコレートと紅茶と洋菓子を洒落たカートに乗せ運んで来た飼育係はそれを6人用の透かし彫りダイニングテーブルにセッティングした。
濃厚ショコラをショコラポットからジービーヲはカップに注ぎ、いつもの背筋を伸ばす黒紫ビロードのローブドレスの大きく広がる裾を抑えた。他は今ある薫り高いジャスミンティーだった。
ケーキはなんだかべらぼうにうまい何かのパイっぽかった。ダイランは肉派だから肉を出せ!と言ったが、動物用しか無かった。チャだけ飲んだ。
「もしかして、地主は何か茶会に入っているのか?そこから振舞いで専門家が来てここで茶会をしたりするのか?」
「そうだな。なんだか金持ち連中ばかりで、ヨーロッパの人間が多いけど」
「へえ……」
ダイランの顔を見て、フィスターは上目になった。ジービーヲが言った。
「あたしも入ってる。この前も出たわ」
いつものおどろおどろしい落ち着き払った低い声で膝に両手を組み置き言った。
「マジかよ!」
彼女はその時の様子を話し始めた。
それは深い宵暮れだったらしく、夜鳥が美しく鳴き群青の羽根を艶めかせる。長い尾を引き飛んで行った。
闇と、光と、灯された銀の光の豪華なスタンドシャンデリア、天井から各所空間に青銅チェーンでランダムに下ろされ浮く丸透かし彫りの大きなキャンドルの灯火に、テーブルセッティング上のキャンドルの黄金の灯火、
「ぶあっくちょん!!!」
「煩い悪魔」
「なにをう。俺は天」
ドガッ
ダイモンは聖なるジービーヲに退治されてしまった。
更に美しく華美であり、会場はセッティングされ黄金の光が闇と琥珀とセピアの中煌いていた。クリスタルガラスの八方の12角錐円柱ドームを青銅の枠で描く壁窓には、それらの光りと空間、植物、鋭角の頂点から吊るされる荘厳な青銅シャンデリアの光が鮮明に映し出され、優雅に事は運ばれる。茶会を映写しロイヤルタイムを幽玄にしている。
青銅レースで動物の形の目元を隠す仮面を着けている。会場には様々な動物も放たれていて、ゆったり歩いている。
闇は霧の様に香りを含んで移動しては目に見える様に消え、主催者が希少価値の高い幻の銘茶葉の説明をする。それにはレアポルイードで摘まれた紫の花弁が広がり、心地良い2重の香りを堪能できる。
ゴンドラや小舟には妖艶な小悪魔の様な女達が乗り緩くてを振っている。
「主催者は」
「顔は分からない」
「男か」
「分からない」
「身長は」
「高いわね」
「髪色は」
「皆ローブをまとっているからすっぽりと」
「……。怪しい!!」
グランドピアノやハープなどの妖しい幻想曲をゆったり流していて、旋律が静寂をバロック的に縫っている。葉の香りを余す事無く聴き工程を踏み、レアポルイードの湧き水で淹れ立ち込める薫りに耳を傾けるかの様にそっと愉しみじっくり味わって……
「犯罪の香りは」
「ノン」
「茶器の骨董品オークションは」
「高貴な一品物ばかりが」
「お前は購入したか?」
「お部屋」
「幾らで」
「パパのカードで」
「現金じゃなくていいのかよ」
「MMバンクのキャッシュカードだもの」
「……」
ダイランはジービーヲの肩をぐらんぐらん揺らしてスレンダーなブラックパープルのビロードドレスで滑った。
「主催者はMMじゃねえか!!!」
「あれ。言わなかったっけ」
「このヤロー!!!」
ダイランは激怒して疾走して行った。
だが戻って来た。その内にも動物園の鬼神の成りは5人の幸せ一杯の子供を泣かせて来た。
「犯罪に傾いた事は!」
「無いけど」
夜の秘密の茶会はビロードのヴェールに包まれたように優しく、美しく綺麗なのだろ言う。
「会員にシェリダン=マシェーレやココソカやソーテンマイヤー=カッシュは」
「誰?」
「分かる参加者の名前は」
「誰も分からない」
「会員名は」
「お茶会」
「部門は」
「ロイヤルラングメンバーズ」
「他の部門は」
「シークレットロワイヤルなども」
「他に会の名前は」
「あたしはお茶会だけね」
「友人や知人や家族で会員メンバーは。お前の父親は何のメンバーなんだ?」
「金融関係とジェントル的デカダンジュエリー部門だけれど」
「事情を詳しく聞くことは?」
「海外出張中」
「どこに」
「心の中に」
ボンッ
「ベルギー」
ダイランはリカーに問い合わせようと思った。
「茶会でレガントの街の地主は何をしていた?」
「お茶と会話を楽しんでいた」
「顔は分かるじゃねえか!」
「声は知っているもの」
「どういう意味の仮面だ」
「一種のポーズね」
「お前、社交には出ないのか?」
「一切」
「出るんだ」
「嫌。社交は恐い恐〜い世界なの」
「出てくれジービーヲ。いいだろ?な?」
「……。うん」
ちょっと単純。
ダイランは彼女の腕から両手を離してうなだれた。
「お茶会の事や関係者が分かっただけでも、警部」
「ああそうだな……」
仲の良さそうな2人を見てジービーヲは背筋の良い姿勢のまま視線だけで、床を見つめていた。




