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第26話 不老の隠者の代償

遅くなりました。

最近、寝落ちが多すぎる。お酒が入るとつい(笑)

 結局パーシヴァルは王妃となり後宮に入る道を選ばなかったし、普通に生きていく道も選ばなかった。


 俺が王になって不老の隠者となっても、不壊の鞘を持たない人間は易々と死んでしまう。その中で王妃となり後宮に入れば安全性が違うのだが、あえて危険な道を選ぶらしい。


 念のためにエレインとユーウェインにも質問をしたが返ってきた答えは同じだった。


 特に女性は子供を産めなくなってしまうこともあって、普通の人生を選択して欲しかった。


「他の兄弟たちは強制なんだ。」


「なんだトリスタン。王妃をやってみたかったのか。お前に女装趣味があったとは思わなかったな。」


 女装姿のトリスタンが後宮を歩き回る姿を想像する。やっぱり気持ち悪い。


「違うよ。なんでそんな答えが返ってくるんだよ。」


 超単純でイジりやすいから、ついからかってしまうんだよな。ある意味愛されキャラだよな。


「もう女は諦めたのかと思ったんだが。」


 イゾルテさんの求愛に根負けした俺は後宮警備隊の隊長に任命するつもりだ。そのイゾルテさんにハッキリと振られたトリスタンが夕日に向って叫んでいたのを覚えている。後ろに居た俺に向けたものかもしれないが。


「ちがーう。ただ子供が作れなくなるのかと思うと。」


「何か勘違いしてないか。不老の隠者であって不能の陰部じゃないんだ。子作りしても子供が出来ないだけだぞ。」


 転生輪廻から外れてしまうため、エッチしても子供が出来ない運命らしい。但し例外もある。神獣を見つけ出した人間と王と王妃だ。


 本気でそう勘違いしていたらしくトリスタンは真っ赤になった。


「不老の隠者の名簿に付け加える時期は好きに選べ。子供の顔は沢山見せてくれると嬉しいぞ。」


 病気になると苦しみだけは続いていくらしいから健康なうちがオススメらしい。


「兄ちゃん。」


 ガウェインが後ろから抱きついてくる。


「なんだガウェイン。酔ってるのか・・・どわぁああああ。」


 ガウェインが胸を触ってくる。男でも感じるんだぞ。


「やっぱり無い。無いとつまらない。」


「止めんか!」


 俺がガウェインを振りほどくとその後ろから複数の女性たちが現われる。


「この方が敬愛するお兄さんなの。随分と優男なのねえ。似てないわ。」


 またか。ガウェインはモテる。王都に到着したときも街中で複数の女性から声を掛けられたし、ブリタニア騎士爵領に半年近く居ただけなのに女性を切らしたことが無い。


 王廷警備隊という一種のエリートだし、侯爵家の養子に収まっているし、イケメンだし、俺と違って鍛え上げた身体をしているし、モテる要素満載なのだから解る。


 解るのだがスケベだし、俺の前世を知らない頃からさっきみたいなスキンシップを仕掛けてくる。どちらにしても可愛い弟には代わりないんだけど。


「ガラハッド! 待て。ガラハッド。」


 少し離れたところで見ていたガラハッドを無理矢理捕まえて抱き締める。


 ガウェインがスキンシップを仕掛けてくると白けたような軽蔑したような顔を浮かべるので昔はこういう行為は嫌いなんだと思っていたが、こちらから仕掛けたときには嬉しそうな顔をするから嫉妬しているのだろう。解りづらいことこのうえない。


 ペレス侯爵家から引き離せないのなら、嫉妬をさせなければいいのだ。だが今は男なので抱き締めてやるくらいしかできないのがつらいところだ。


 ガラハッドも侯爵家の養子だし、王廷宮使というエリートだし、無愛想だがイケメンだし、身体もそこそこ鍛え上げているのだが浮いた噂を聞かない。身近にガウェインという嫉妬要素の塊があったのがペレス侯爵家に引き込まれた原因に違いない。


「ガラハッドばっかりズルイ。」


 俺がガラハッドを抱き締めていると主な原因のガウェインが抗議の声を上げる。


「お前は彼女たちが居るんだから好きなだけスキンシップすればいいだろう。」


 全くお前たちも早く子供を作れよ。

タイトルを「不能の陰部」にしようかと思ったけど下品すぎると思って止めました。


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