花摘み
始まり始まり
「ねえ、先輩?」
「なんだ?後輩」
「先ほど花を摘みに行ってきました」
「それは堂々と僕に言うべきことだったか?」
「何を想像したんですか。不潔ですね」
「どうしてだろう。釈然としない」
「花を摘むでトイレを想像するなんて」
「お前確信犯だったろ」
「花を摘むで排尿する姿を想像するなんて」
「なんで言い直した。しかも下品な方向に」
「でもトイレを表す隠語って多いですよね」
「そうなのか?」
「知らないんですか?」
「そもそも知っていることの方がおかしいんだと思うが」
「色々あるじゃないですか。雉を撃ちに行ってくるとか」
「ああ、それは聞いたことがある」
「横浜行ってくるとか」
「それは初めて聞いた。なんで横浜なんだ」
「あれ~、興味津々何ですか?小学生みたいです」
「そんなことを知っているお前にそれを言われるのは心外だ」
「何でも市外局番が045なのでおしっこということです」
「意外と考えているな。トイレ行くためによくもこんな風に考えるもんだ。あと普通におしっこって言ったな、お前」
「後は、レコーディングするが音入れするという意味でおトイレになるらしいです」
「なんで知ってるのお前?」
「これぐらいは常識です」
「そんな常識を僕は知らない」
「ああ、先輩も隠語だった気がします」
「それは絶対に嘘だろ。お前、僕に先輩って呼ぶときにいつも尿意催してるのか」
「それを言ったからって別に全てが隠語になるわけでもないでしょう」
「まあ、そうだな。横浜に行ってくると言ったら基本的には仕事とか旅行だろうしな」
「私だって別にトイレに行っていたわけではありません」
「うん?そう言えばお前本当に花を摘んでたのか」
「ええ、摘んでましたよ。やっぱり可愛いと張り切っちゃいますね」
「花を摘むときにそんなに張り切り必要があるか?」
「ええ、怯えているところを見ると可愛くて興奮しちゃいますよ」
「お前はいったい何を摘みに行ったんだ」
おしまい