褒める
始まり始まり
「ねえ、先輩?」
「なんだ?後輩」
「昨日は楽しかったですね!」
「肌がひりひりして痛い」
「それが私の感想に対して言う言葉ですか!」
「風呂入ってだけでも痛いんだよ。皮だって剝けてるし」
「え、日焼けしたら剥けるんですか?」
「知らなかったのか?」
「ということは先輩は皮かむり」
「よし、お前が何を考えていたかは分かったからそれ以上は言うな」
「皮がむける。皮、ふふふ」
「お前は何に対してニヤついているんだ」
「ナニに対してです」
「まだ引きずるか」
「それが何か?」
「いいや、これ以上は何も言わない。面倒くさそうだ」
「ここは先輩が乗ってくるべき場面ですよ。さあ、私に乗ってください」
「お前、そこだけ取ると馬鹿みたいだぞ」
「いったい何を想像したんですか?不潔です!」
「お前にだけは言われたくない」
「そう言えば私の水着どうでした?」
「水着?お前着てたっけ」
「私に裸で泳げと!?」
「なんでそうなるんだよ。色々あるだろパーカーだとか」
「またパーカーですか。パーカー中毒ですか!パー中ですか!」
「なんだよ、その頭の悪そう中学校は」
「せっかくあの日のために用意したのに。(ノД`)シクシク」
「泣き顔がわざとらしい」
「私は悲しんでいます。褒めてください」
「そこは慰めてくれではないのか。ふつう」
「ほら早く。私を褒めてください」
「褒めろと言われても」
「色々あるじゃないですか。十年に一人の美少女だとかみんなのアイドルだとか」
「お前よく自分のことそこまで言えるな。お前クラスで一番程度だろ」
「程度とは何ですか、程度とは。全国のクラスで一番かわいい女子に謝ってください。そして私に土下座をしなさい」
「お前は先輩に何をやらせようとしているんだよ。まあ、全国のクラスで一番かわいい女子には謝っておこう」
「私には謝らないんですか」
「僕としてはお前の方が十年に一人の美少女に謝った方が良いと思う」
「それは私に対する文句でしょうか!」
「お前の魅力は外見じゃない」
「ほう。嬉しいことを言ってくれますがそれでは私の魅力は内面だと?こんな下ネタを平気で口にして、セクハラまがいのことを簡単にする女に魅力があるとでも」
「うん、やっぱ内面はだめだ。腐っている。お前よくそれを自分で言えるな」
「なんで私を褒めるということだったのに私が自分で自分をけなさないといけないんですか」
「少なくともそれに関してはお前が自分で始めたことだ」
「ほら、色々あるでしょう?ほら!」
「…………。はあ」
「あっ!?」
おしまい