パーカー
始まり始まり
「ねえ、先輩?」
「なんだ?後輩」
「せっかくプールに来ているのにどうしてパーカーなんて着ているんですか?」
「え、だって焼けたくないし」
「女子か!」
「しょうがないだろう。ただでさえ焼けやすいんだから」
「いいじゃないですか。夏なんだから焼いてみましょうよ」
「なあ、気になったんだが季節おかしくないか?」
「何を言ってるんですか。今は夏ですよ。ここでは夏なんです」
「いや、だってこれ掲載しているの春だろ?」
「メタはやめましょう!メタは!」
「お、おう」
「それよりも私の水着はどうでしょう?」
「ああ、似合ってるんじゃないか」
「そのセリフは嬉しいですが、できるなら私を見て言って欲しかった!」
「いやいや、照れ隠しだよ」
「そんな棒読みになりながら!」
「今日はうるさいな」
「先輩のせいですよ。なんで私がツッコミもどきをしないといけないんですか」
「知らんよ」
「罰として先輩はそのパーカーを脱いで私と遊びましょう」
「ば、脱がすな。やめろ!」
「いいじゃないですか。脱ーげ!脱ーげ!」
「脱げ脱げコールやめろ」
「ここではパーカーの方が恥ずかしいですって。ほら、あそこの子供も先輩のことを不思議そうに見てますよ」
「プールでパーカーを着るのはおかしくない。それにあの子供はお前を見て不思議そうにしてるんだ」
「本当になんでそんなに脱ぎたくないんですか?もしかして私と一緒に遊ぶことは嫌ですか?」
「うっ、そんなことはないが。とりあえず、その悲しそうな顔はやめろ。こっちが悪い気分になる」
「じゃあ、脱ぎましょうよ!」
「大きな声で叫ぶな。周りが今こっちを見た。分かった脱ぐから離れろ!」
「わーい!」
「これではしゃぐなよ。僕を脱がして何が楽しいんだ」
「おお、おお、おお!」
「だから嫌だったんだよ。そしてうるさい」
「めっちゃ筋肉ついてるじゃないですか。なんでこれで恥ずかしがるんですか」
「だって恥ずかしいし」
「いやいや格好いいですよ。隣で歩く私も誇らしい気持ちになりますよ」
「肌とか見せたくないし」
「女子か!」
おしまい