上下関係
始まり始まり
「ねえ、先輩?」
「なんだ?後輩」
「どうしてあなたは先輩なの?」
「お前よりも年上だからだよ!」
「面白くないですね。もう少し上手い返しを期待していたんですが」
「それ以外にどう返せと?」
「さあ?私はボケなのでツッコミのことなんて分かりません」
「はあ」
「なんで溜息なんて吐いたんですか?」
「お前の相手が疲れたからだよ」
「そこだけ聞くとなんだか行為の後のようにも聞こえなくもないですね」
「聞えねーよ」
「そうですか?とてもエロエロに聞こえるんですが」
「それはお前の耳が腐ってるからだ」
「先輩、何回やったんですか?」
「腐ってるのは頭の方だったか」
「それにしてもどうして私は後輩何でしょう?」
「なんでいきなりそんな哲学みたいなことを言い出した。そしてその質問の答えはお前が僕よりも年下だからだ」
「さっきから年上、年下と言っていますがそれだけで上下関係を決めるとはどうかと思うんです」
「日本の学校ではしょうがないだろう」
「だって社会に出れば、自分よりもずっと年下だった人がいきなり上司になるんですよ。だったら学校でも能力によって上下関係を決めた方が良いと思うんですよ」
「存外まともな意見で驚いた」
「先輩は私のことをどんなふうに思っているんですか、いったい」
「変態」
「うぐ。随分とストレートに言いますね。私の心にストライクですよ」
「何を意味の分からないことを言ってるんだよ」
「私のミットに突っ込んでくると言い換えても」
「やっぱり変態だった。というか痴女だ」
「痴女!?」
「なんでそれにはショックを受けるんだよ」
「だって変態より、よりリアルじゃないですか」
「お前の基準がよく分からないよ」
「だから先輩は先輩なのです」
「それを蔑称のように扱うな。すべての先輩に謝れ」
「さーせん」
「よし、お前はちゃんと上下関係を学んで来い」
おしまい