遠足
始まり始まり
「ねえ、先輩?」
「なんだ?後輩」
「小学校の頃の遠足覚えてます?」
「遠足?まあ、覚えてはいるが」
「歩いてましたか?バスでしたか?」
「歩いてたよ。遠足なんだから」
「ほあー、私はバス派でしたよ」
「まあ、そんな奴もいるのか。でも、それなら名前変えた方が良いと思うんだよな」
「ふむ、そうですか。では、先輩何か考えてみてください」
「うーん、……遠バス?」
「ハッ」
「鼻で笑われてしまった……」
「先輩にはがっかりですよ。もう少し面白い事を言ってくれると期待していたというのに」
「お前は僕に何を求めているんだよ。まあ、確かに今のはどうかと思ったけど。じゃあ、お前も何か考えてみろよ」
「さて、遠足と言えば」
「露骨に話を逸らすなよ。出てこなかったらそう言え」
「遠足と言えばですね」
「ああ、押し通していくスタイルなんだな」
「遠足と言えばですよ」
「しつこいよ。もう何も言わないからさっさと話を進めろ」
「先輩、遠足前の夜って眠れましたか?」
「あー、そう言えば眠れなかった気がする」
「なるほど、ムラムラで、ですね」
「ワクワクでだよ。なんで僕、遠足で興奮しちゃってるんだよ」
「みんなそんなイベントで夜眠れなかったとかよく聞くんですがあんまり理解できないんですよ」
「冷めてるね。まあ、別に良いんじゃないか。そんな子供だって普通にいるだろう」
「ええ、私は子供じゃないんでそんなことで眠れないなんてことは無いんですけど。先輩とは違って」
「……ひとまず何が言いたい?」
「つまり先輩はおこちゃまだなって」
「よし、喧嘩は買ってやろう」
「おっと、怒らないでくださいよ。別に今の事を言ってるわけじゃありませんよ。先輩が子供のころを言ってるんです。私が少し大人びていただけで」
「お前の言葉にいちいちイラついてくるんだが」
「そう言うところがガキなんですよ。どうせ、昔はバナナはおやつに入りますかと聞いてたんですよね?」
「聞いてねえよ」
「そうですか。では、こう聞いてたんですか?
『僕のバナナはおやつに入りますか』と」
「お前は小学生時代の僕に何を言わせてるんだよ」
「そして、担任は言うのです。
『いいえ、そのバナナは主食です』とね」
「そんな担任すぐに辞めさせろ」
おしまい




