表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋姫OROCHI(仮)  作者: DTK
102/107

陸章・弐ノ参 ~近江出陣~

どうも、DTKです。

お目に留めて頂き、またご愛読頂き、ありがとうございますm(_ _)m

恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、102本目です。


近江救出軍出陣です。

面子に関しては本文中に出てきますので、そちらをご参照下さい。




「ここは…どの辺りなんだろう?」


俺たちは人和の縁を辿り、近江に来ていた。

現代の滋賀県だ、と分かっていても土地勘などあろうはずも無い。


「雛。確かお前は上洛の折、麦穂とこの辺りを回っておったな。どの辺りか分かるか?」


壬月さんが雛にそう尋ねる。


「う~ん……多分、観音寺と坂本の間あたりだと思いますー」


ちょっと行った所に温泉もありますよーと付け加える雛。


「温泉か!こんな時でもなければ、ひとっ風呂浴びて、こう…クイッといきたいところじゃのぅ」

「お、いいですなぁ~。我々もご相伴に預かりたいですな」

「ちょっと二人とも。ここへは湯治に来たのではなくってよ」


温泉という言葉に即座に反応した祭さんと桔梗を、紫苑がたしなめる。


「でも、鬼退治が終わったら後ならいいわよね?血と汗を綺麗に流したいわ~」

「雪蓮…お前なぁ」


あまりに奔放な発言に冥琳が眉を顰める。

編成会議中に乱入してきては、鬼と戦ってみたい、という理由で来ただけはある。


「あの~…一刀さま?」

「うん?」


ひよところがおずおずといった感じで顔を近づけてくる。


「その…雪蓮さまってそんなにお強いんですか?」


いくら出遭ったことがないとはいえ、鬼とやり合うのを嬉々としている雪蓮を、訝しがったのだろう。


「あぁうん。そこは俺が保障するよ。三国の中でも最強の一人だから」

「私は直接見た訳はありませんが、前回も獅子奮迅の活躍をされていたようですよ」


孫呉と長尾の救出戦に参加していた詩乃がそう付け加える。


「はい。小夜叉さんや綾那さまと比べても遜色ないお強さですよ」


同じく、小波も口添えする。


「はぇ~~小夜叉ちゃんと同じ強さかぁ~それじゃあ鬼に金棒ですね!」

「いや、鬼と戦うんだけどね…」


ひよの天然発言にころが突っ込む。


「それで北郷。この後どうするのだ?」


秋蘭が軌道修正してくれる。


「そうだな…人和、鬼はどっちから来たんだ?」

「こっち…大きそうな街から出てきた」


人和が指差したのは西の方向。


「坂本、ですか。叡山の力も鬼には及ばなかったようですね…」


と、詩乃が深刻そうに溜息をつく。


「叡山って、延暦寺のこと?」

「はい。国家鎮護の府として、鬼のような魔に対しては一定の効果を誇っていたのですが…」

「恐らく、地形が変わったせいではないでしょうか?霊脈の位置がずれてしまい、結界の効果が薄れてしまったのでは?」

「あーありそうな話だねー」


戦国組の面々が半分が納得する。

よく分からないけど、風水的な話なんだろう。


「難しい事はともかく、そっちに鬼がいるんでしょ?早く行きましょうよ!」


雪蓮はわくわくが止まらない。


「少々お待ち下さい一刀さま。この地を治める浅井家とも繋ぎを付けたいのですが…」


そもそも、ひよのお市さん達を助けたいという強い思いで実現したこの近江遠征。

浅井さんとの合流が最優先だろう。

でもどうも、今のところは、浅井さんたちの方は鬼とは関係なさそうだけど…


「大丈夫ですよ、一刀さま!」


ひよが元気よく、笑いながらそう言う。


「今は鬼の調査が最優先です!それが終わった後で、お市さまと眞琴さまを誘って、ゆっくり温泉に浸かりに行きましょう!」

「「「……………………」」」

「あっはっはっはっ!!」


ひよのお惚け発言の沈黙を雪蓮が破る。


「あーー貴女最高ね!冥琳、これで温泉は確定よね?」

「あー、分かった分かった。温泉でもどこでも行けば良い」


ひよの髪をぐしゃぐしゃにする相棒を、虫でも散らすかのように手で払う。


「ならば、その浅井と繋ぎをつけるため、小波さんを派遣するとしよう」

「うん。小波、お願いできる?」

「はっ!お任せください」


小波が行ってくれれば、小波を中継して連絡を取ることが出来る。

援軍に来てくれるなら願ったり叶ったりだ。


「それじゃあ、小波はその浅井さんの所へ。それ以外は坂本に向かおう」


こうして俺たちは二手に分かれて進軍することになった。






左翼、将に雪蓮。補佐に紫苑。

右翼、将に壬月。補佐に祭さん。

中軍には桔梗と秋蘭。

遊軍兼斥候として雛。

そして本陣には俺、冥琳、詩乃、ひよ、ころ、人和。

それぞれに兵二千を率いて進軍している。

特に焦るわけではなく、通常の速度で進軍していたところ


「あ、あれは!」


本陣で最初に気付いたのはひよだった。


「煙っ!」

「坂本と…まさか叡山まで!?」


ころと詩乃も釣られて声を上げる。

見ると、街と山の中腹辺りから黒い煙が上がっている。


「そうです、あそこです」


人和が見たのもあの街みたいだ。


「大変たいへーん!やっぱり鬼がいたよー」


タイミングよく雛が本陣に飛び込んできた。


「前衛は!?」

「伝えたよー…っていうか雪蓮さんの部隊はもう進軍速度上げてたけどねー。右翼左翼って言うより、一軍と二軍になっちゃってる感じー」

「あー…紫苑じゃ抑えにならなかったか…」

「私が付いておけば良かったな」


冥琳が渋面になる。


「んまぁ、その辺りは壬月さまが上手くやってくれるかと…」


詩乃はあさっての方向を見ながらそう言った。


「とにかく本陣も前に出よう。先頭と離れすぎるのは好ましくない」

「分かった」

「雛さんは、こちらの動きを他の軍に伝えてきて下さいますか?」

「はーい」

「それでは行くぞ。全軍駆け足!駆け足!!」


こうして本陣は冥琳の指揮で前進するのだった。






――――――

――――

――




「あーーーっはっはっはっはっ!!!」


坂本の街中では、雪蓮が鬼の如く鬼を狩っていた。


「弱い弱い弱い!弱すぎるわよ!!なぁに?鬼ってこんなもんだったの!?」


嬉々として異形の首を飛ばす雪蓮に、味方も近寄れないでいた。


「紫苑殿っ!」

「壬月さん。祭さんも」

「まったく…策殿には困ったものじゃのぅ…」


元右翼。現第二軍の壬月と祭が雪蓮たちに追いついた。

その異様で、いつも通りの光景に、追いつくなり祭は眉を顰める。


「状況は?」

「はい。ほとんど雪蓮さんが敵を一手に引き受けてくれてますので、隊のほとんどを救助や消火に宛てています。………」

「ん?どうしたんじゃ、紫苑」


少し思案顔の紫苑に祭が気付く。


「いえ…私の知ってる鬼とは少し動きが違うように見えまして…」

「そうか、紫苑殿は確か鬼と戦った経験がおありでしたな」

「え、えぇ…」

「恐らく、紫苑殿が知っている鬼は人が変化したものでしょう。一方、こやつらは自然の鬼とでも言いましょうか、とにかく成り立ちが違うものです」

「…なるほどのぅ」


鬼を見るのは初めての祭は、分かったような分からんような生返事をする。


「あの…壬月さん。その二つの鬼の力というのは異なりますか?」

「いえ、人であったときに強かった者は中級・上級という手強き鬼になりますが、他は少し知恵が付く程度で獣とそう変わりません」

「ということは……やはり少し変ですね」

「やはりそう思われますか?私も同じ意見です」

「何じゃ!二人して先刻から話おってからに。いったい何が変なんじゃ!?」


二人の間だけで進む会話に、祭は焦れてきたようだ。


「……少なすぎるんです」

「…なに?」

「街を一つ壊滅させるには、この鬼では足りない、ということです」

「どういうことじゃ?」

「獣の如き鬼が無作為に暴れただけでは、この数で坂本を火の海にする事は恐らく不可能」

「指揮官。中級以上か鬼を操る敵が、別に潜んでるかもしれない、ということですな」

「なんと……」


紫苑と壬月の推測に言葉が詰まる。


「あーーーーはっはっはっはっは!!!」


三人の間の静寂を破ったのは、雪蓮の高笑いだった。

周りの鬼をあらかた狩りつくしたのか、その声はどんどん離れて街の奥へ進んでいた。


「い、いかん。策殿を忘れておった!」

「早くお止めせねば」

「ここは私に任せて、お二人は早く雪蓮さんを追ってください!」

「すまん、紫苑」

「かたじけない!」


祭と壬月の二人は、僅かな手勢を連れ、声を頼みに雪蓮の後を追うのだった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ