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4話:リーダー

「え、瞬まじか?え?」

クロは、まだ混乱しているようだ。


「まぁ。そういうことだ。」

俺はクロの隣の席に腰掛ける。休み時間だからであろう、席の主は席を外していたので座らせてもらった。


「でも…なんでなんや?」

やはり、クロは混乱している様子だ。まぁそりゃあそうなるだろうな。


「お前も言ってたろ。俺も始まりの村でとどまりたくはないんだ。新しい世界を見て見たいんだよ。」

その説明を聞いたからからか、クロに笑顔が戻ってきた。


「ははっ。そうか、そうだよな!俺らはこんなところで止まっていていいはずがない!そうだ。そうだ。」

なにが、そうなのか。謎である。まぁ、こいつはこいつなりに自己解決をしたようだ。


それと…あと一つ理由がある。


「それに…親父をこの手で一発ぶん殴らなければならねえ。」

俺の親父は武闘派のリーダーだ。見つけ次第ぶん殴ってやる。


「そういや、お前の親父さん武闘派のリーダーなんだっけか…」

少し、クロの表情が曇る。


「まぁ、そういうことだ。ガバメント申請とかそういう手続き今日中に済ませようぜ。」

そろそろ授業が始まる。俺は席を立ち自分の席に戻ろうとする。


「瞬。ありがとうな。頑張ろう。世界取ろうぜ。」

クロのその言葉を背に受け、自分の席に戻る。

授業開始のチャイムがなり、授業が始まる。1~5限までの授業を済ませて帰る準備をする。時刻は既に4時である。


「瞬。とりあえず帰ったらW.O.Fで会おう。そこでガバメント申請とスターストール出場手続きをしよう。」

クロが話しかけてきた。

俺は、了解と簡単な言葉を返して席を立ち教室を出る。


家に着くと、俺はすぐに部屋に戻り制服からジャージに着替える。ベッドに腰をかけ、携帯端末からW.O.Fへアクセスをする。画面からホログラムの映像が出てくる。そこに映る自分のアバターを、指で操作し、クロとの待ち合わせ場所へと向かう。スターストール開催間近だからであろう。W.O.Fは賑わっていた。

どのギルドが勝つだとか。今年はここだとか。賭けをする人もいる。

自分達の命運をも左右する戦いなのに随分呑気なものである。


ログインして5分ほどしてからであろうか、クロのアバターと合流した。


アバターは携帯端末を、契約する際に作られるもので、本人の顔写真やスタイルなどを投影しているのでその姿は完全に現実の本人と言っても刺し違えないレベルのものである。


「それじゃあ申請にいこうぜ。相棒!」

クロが元気いっぱいに言う。相棒ってなんだ。相棒って。

とりあえず、W.O.F内のガバメント申請場へと向かう。

ガバメント申請場へ着き、ガバメント設立手続きを始める。クロが全て行ってくれるので俺は横で見ているだけだった。

「申請上の手続きがこうで〜」

「あ。それはそうで〜」

やりとりを横流しに聞く。そんなことをしていると、あー俺も出るのかというような実感が湧いてくる。


「では、ガバメントのリーダーは黒澤 樹さんということでよろしいでしょうか?」

もう終わりか。次は、スターストール出場へのエントリーかな。と、思った時。

「いえ。リーダーは僕ではなく、ここにいる小鳥遊 瞬さんでお願いします。」

え?、俺は、一瞬自分の耳を疑った。


「まてまてまてまて!俺がリーダーだと??」

俺は、全速力でクロの元へと突っ込みを入れる。


「ん?そうだけど?」

クロが何か問題がある?というような顔でこちらを見てくる。


「問題しかないだろ!!俺はてっきりお前がリーダーをやる気満々なんだと…」

それは、そうであろう。こいつからやりたいと言い出し、俺は巻き込まれた側なのだから。


「いや、俺は…んーとなやりたくても出来ねえんだ。」

ははっとクロは作り笑いをした。


「俺はな。なんつーか主人公性が足りへんねん。どんな物語でもさ、主人公とかヒロインを好きになれへんのや。モブキャラの方が魅力的に感じちまう。」


こいつは昔からそうだった。小さい頃から。それで、言い争いしたこともあったってけか。小さい時に。


「だとしても、お前がやるべきだと俺は思うんだが…」

俺は、率直な感想をクロに述べる。


「いや、お前がやるべきや。昔さネットゲーム沢山したろ?その時俺は魔法使いとか、ヒーラーとか選んでたやろ?瞬は打って変わって剣士とか選んでたやん。その時何て話したか覚えてるか?」

あーそんなこともあった気がする。俺は、前線で敵を倒し一刻も早くクリアしたいのに対してこいつは何時も援護系を選んでおり、何でかと聞いたことがある。


「俺は、ゲームでも誰も死なせへん。それに俺みたいなアシスト役をやりたがるやつなんてそうはいーひんやろ?俺は表の主人公じゃなくて、主人公をささえる影の主人公になりたいんや。だったっけか?」

俺は昔言われた事を思い出しクロに問う。


クロは正解と頷き笑い返してきた。


「て、事でガバメントリーダーは瞬な!」

何が、てことでなのやら…

俺は、渋々了解をしてリーダー手続きを踏む。

これでほとんどのガバメント手続きが終わる。


「あとは、ガバメントの名前ですね。何ておつけしますか?」

オペレーターに問われる。俺がどうしようかと、少し悩むとクロが何故か即答した。


「俺らが世界を変える!略してO.S.K!オスクでお願いします。」


(こいつ…やっぱりバカだ…)

オペレーターに少し笑われてしまった。

俺も特に何も思い付かなかったし、言い返すのも面倒なので、俺らのガバメントは『O.S.K(オスク)』に決まった。


これで、一通りの手続きを済ませた。


「やったな!瞬!これが俺らのガバメントや!」

クロが高々と笑顔でいう。


それにつられて、俺も笑顔になってしまう。


「そうだな。それじゃあ次はスターストール出場エントリーしてくるか。」


ガバメントを無事に設立し、スターストールエントリー会場へと向かう。

いよいよ、俺らの長い夏が幕を開けようとしている。

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