3話:宣言
朝、目が覚めると時刻はすでに8時を指していた。
「やべえ!遅刻だ!」
朝礼の時間は8時30分。走ればギリギリ間に合う距離である。
「母さん行ってきます!」
「瞬ご飯は…」
母さんの言葉を遮り、扉を締める。
俺は、ひたすら走る。学校前の交差点で時刻を確認する。
(よし。これなら間に合う!)
そう思った時…
「どいて!どいてどいてどいてー!」
俺は、横から突っ込んでくる自転車にひかれた。脇腹に強烈な痛みを感じて倒れこんだ。呼吸が出来ない。しかし、幸い特に体に異常は無いようだ。
「あーごめんなさい!本当ごめんなさい!」
目の前で女の子が必死に謝ってくる。服装を見るに制服だ。しかも、俺と同じ高校みたいだ。
しかし、俺が倒れこんでいる状況で真上に立たれると目のやり場に困る…スカートの奥…そう、パンツが見えてしまうのだ。
「ねぇ…君パンツ見えてる…」
その瞬間、女の子は一気に赤面し、俺の顔面を踏んできた。
「ぎゃああああああ」
俺は叫んでしまった。だって痛いじゃん!俺は親切心で言ったのにさ!
「さ、最低です!!ま、まさかあなた私のパンツが見たいからひかれたんですか!?」
「んなわけあるか!!」
即答した。
それに、パンツが見たいとかいう理由で自転車にひかれるなどアクロバティックすぎる。そんな人いるわけがない。いるわけがないよね?
体に酸素がようやく入れるようになり、ようやく立ち上がる。
「それにだな。引いてきたのは君だろ…」
立ち上がり顔を確認することができる。長い黒髪をポニーテールで結び、結び目には可愛らしいシュシュが付いている。顔立ちは目鼻整っており。いわゆる美少女というやつであろう。
「それに関しては本当ごめんなさい!けど、パンツ見たのは許せません!名前教えてください。復讐します!」
どんだけこの子は、パンツに執着心を持っているのか…
「2年の小鳥遊 瞬だ。復讐ってなにするんだよ。俺のパンツでも見るのか?」
正直、復讐と言われて名前を教えたくはなかったが、教えなればそれはそれでうるさそうなので教えておく。
腕時計で時刻を確認する。
8時32分であった。あー遅刻だ。
「セクハラですよ。やめてください。てゆうか、あなた2年なんですか。私と同じですね。あなたの事見たことないですね。私は、岩崎 双葉です。」
ふむ…見たことある。確か学年1位だったような…それに、岩崎って岩崎グループの令嬢か何か。岩崎と言えばW.O.Fの大手自動車販売ガバメントとして世界で有名だ。
「君、学年1位だよね?いつも。張り出されてるからわかる。俺も一応10番以内にはいるんだが、見たことないか?」
この高校は1位〜10位まで掲示板に張り出される。1位なら俺の事知っていても良さそうだが…
「私、1位しか興味ないので。」
即答されてしまった。あーあーそうですかい。そうですかい。お嬢様は1位以外興味ないですかい。
「てゆうか、完全遅刻なんですけど!責任とって下さい!」
今度は責任ですか。復讐の次は責任ですか。まぁ、確かに遅刻だ。
「責任てどう取ればいいんですかね。とりあえず、俺はもう行く。じゃあな双葉」
「ちょっと!待ちなさいよ!ねぇってば!責任!!」
双葉を後にして、走る。遅刻は確実だが、朝礼の途中には行けるだろう。
そうこうしていると、教室の前についた。
「遅いぞ、小鳥遊。遅刻だ」
先生が気だるそうに言う。本当この人はやる気がない。そんなんだから彼氏が出来ないのかもしれない。
「すみません。」
「まぁいいや。席つけ席。」
きちんと挨拶を済ませて席に着く。
「んじゃ、話の続き始めるぞ。あと2週間後にスターストールが有るのは知ってるな?この中に武闘派ガバメントに所属するやつは確かいないよな?まぁ、いいや。武闘派ガバメントにいたら出場するかもしれない。その場合はしっかりと学校に出場申請を出すように。まぁ、そんなところだな。委員長挨拶。」
起立、例、着席のいつも通りの挨拶がすみ、朝礼が終わる。そこで、スターストールの事を思い出す。クロに話さなきゃな。
そう決め、俺は席を立ち、クロの席に向かった。
「よぉ、クロ。」
クロに話しかける。
「おぉ、瞬。」
クロが応じる。心なしか表情が暗いように見える。
「瞬。昨日は俺の勝手で誘ってごめん。戦争に一緒に出ようなんて馬鹿げてるよな。ごめん。」
あぁ、そういうことか。そういうことで表情が暗かったのか。
「あぁ。そんな事か。その事だがなクロ。俺スターストールに出ようと思う。」
クロにはっきりと宣言した。
「え?」
対するクロは何が起こったわからないとうなキョトンとした顔でこちらを見てきた。




