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1話:決断

帰宅途中頭の中を黒の言葉が過る。確かに面白そうではあるし、W.O.Fのシステム上20万さえあればどんなガバメントも立てることが出来る。


しかし、一抹の抵抗。そして、恐怖が全身を襲う。当然スターストールは戦争だ。当然刺されたり打たれたりするだろうし、何より死の恐怖が俺を襲う。


怖い。これ以上に的確な表現は今、現段階での俺の思考を説明するのに無いと思う。何より母さんが許さないだろう。


それに、うちは母子家庭だ。母さんを悲しませるようなことはしたくない。


そんな事を考えていると、軽快なクラシックが俺の携帯から流れる。確認するためにブレザーのポケットから携帯を取り出す。


W.O.Fのメールシステムからであった。確認するとクロからのメールだ。


『今日は急にごめんやで。でも、一応俺は本気なんや。確かに俺は怖いけれど17になってまで、このままこの町の、言ってしまえば始まりの村でとどまりたくないねん。俺はもっと世界を見たい。

けれど、確かにこの提案は馬鹿で無謀やとも思う。だから断ってもらってかまへん。明日返事聞くは。んじゃまた明日!』


そのメールを読み終えると俺は携帯を元あったブレザーのポケットへと戻した。


そうこうしていると、俺は家の前に着いた。


「ただいま。」

「お帰り~」


帰宅した挨拶をすませると俺は部屋へと向かう。台所からいい匂いがする。今日はカレーであろうか?俺の好物だ。


部屋に入り鞄をベッドへ放り投げ、俺自身もベッドへダイブする。

ブレザーのポケットから携帯を取り出しクロからメールを再度読む。


「くそっ…」


頭の中がぐるぐると回る。正直な所出たい。刺激が欲しい。俺もクロと同様に違う世界。色んな世界を見たい。

しかし、それを上回るかの様に恐怖が襲う。死への恐怖が。


そして、刺激云々よりも出たい理由がある。親父だ…

親父は、武闘派ガバメントのリーダーと母さんから聞いたことがある。俺は親父を写真の姿しか知らない。親父をこの手でぶん殴ってやりたい。そう思ってしまう。


「瞬ご飯よー」


そうこうしているうちに、母さんから俺に呼び掛けがかかった。それと同時にぐるぐると回っていた思考にもようやく結論が出た。夕食前に母さんに話そうと思う。誘われた事をまず話さなければならない。まぁ、こんなことあったと笑い話にしかならないと思うが。


俺は、布団から起き上がり制服からジャージへと着替える。食卓へと向かう前に洗面所へ行き顔を洗う。顔を洗ったおかげであろうか、とても頭がすっきりとした。


廊下を歩き扉を開けるとすぐそこに台所があり、その奥に食卓がある。多分母さんはまだ台所であろう。


俺は一回大きく深呼吸をし、扉を開ける。


「今日は、瞬の好きなカレーよ」


母さんが満面の笑みで俺に話しかけてきた。胸がチクリとした。俺も決心を決めて母さんに話しかける。心配を、かけないように笑顔で言おう。


「母さん。ちょっと話がある」


そう言った俺の顔はたぶん、緊張で変な笑顔になっていたことだろう。


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