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14話:混乱と逆転

更新遅くなってしまい申し訳ございません。

もし、よろしければレビュー感想等で意見やアドバイスをいただければ幸いです。

いつも見て頂いている方やこれから見てくださる方。本当ありがとうございます。

瞬は今、混乱を隠せずにいた。風の能力と聞いていたからであろうか?風という拡散する現象に囚われすぎていたからであろうか?風力7…つまり強風程度の威力ですむと思った油断からなのか?

混乱した原因。それは飛ばされたからである。成人した人間の飛ばされるであろう風速は個人差はあれど約40mと言われている。瞬の身長は181cm、体重は72kg。平均的なものである。風力7…つまり強風で巻き起こる最大風速は34m。進むのは困難で立っていられなくなるくらいが限度であろう。

振り下ろされた城ヶ崎の扇子から風が巻き起こる。風力的には人を飛ばすことは不可能である。むしろ、重力という覆すことのできない概念がある以上は風力7では人は飛ばせない。とても凄い…例えば電車に引かれてしまうなどのような衝撃があるのなら別だ。しかし、瞬の身体や内臓には何らダメージはなかった。外傷もない。なのに浮いた。飛ばされた。10mほど後ろに瞬は飛ばされたのである。どんな物理法則を捻じ曲げても風力7程度では72kgもある人を10mも飛ばすなどという事は不可能だからである。

再び城ヶ崎が扇子を振り下ろした。しかし、何も起こらない。何も感じない。


「…あっ!あー!!瞬!!腕!!」


シロが大きく瞬の名前を叫んだ。瞬は混乱の中にいた頭をシロの叫びでリセットすることが出来た。そして…


「うがぁぁぁぁ!!!」


瞬に激痛というすざましい感覚が脳を襲った。左腕…正確には左肩に空洞が空いていた。力を入れることが出来なくなった左腕は重力に逆らう事は出来ずブランと無残にも垂れ下がった。

何故ここまでのダメージに瞬は気付く事が出来なかったのか…

経験はないであろうか?とても大きな怪我などをした時にそちらに気を取られて小さな怪我に気付かないことを。更に脳は人体にとてつもないダメージを覆った場合一時的に神経を遮断することがある。


瞬は頭がいい。良いから故に風の事に混乱をしていた。それがこうをそうしていたのか多くの混乱の中さらにとてつもないダメージで気付かなかった。


だが今は…


「がっ…くっ…」


瞬の肩にはとてつもない痛みが走っている。

瞬はこれにも困惑した。カマイタチによる外傷や出血などは予想はしていた。しかし、肩の一点に空洞が出来るなどあり得ない。


シロも同じく思考をしていた。これはアネモスに見せかけた幻術なのではなかろうかと。しかし、幻術の類いならば瞬は痛みは感じない。更には目の前にいるシロにもその幻術を見せる必要などはないからだ。これは幻術にしてはあまりにリアル過ぎる。


ようやく落ち着きを取り戻した瞬が痛む肩を抑えながら立ち上がる。


「どういうことだ!これは…浮いたりこんな集中的な…まてよ!」


瞬が何かに気が付いたようにバッと城ヶ崎の方へ顔を向けた。


「あら?気付かれまして?頭の良いあなたの事です。気付かれるとは思っていましたわ。でも、これで分かりましたでしょう?私も何も命を取る気はありませんわ。あなたが降参してくれればそれでいい。」


命を狙ってはいないそれは瞬も気が付いていた。瞬をスターストールから棄権させるのが目的、更にはこの肩への一撃を心臓へ直撃させていれば瞬は死んでいたはずだからだ。


「城ヶ崎が俺の命を取らないのは分かっていたし、これで能力の使えない俺とお前の実力差もわかったよ。」


なら。と、城ヶ崎が瞬へ詰め寄る。


「でもな。さっきも言った通り俺は負けない…!」


そこにはとてつもない覇気が感じられた。城ヶ崎は、思わず一歩後ずさりしてしまう。


「なんにゃ!一体なんなんにゃ!」


状況が上手く飲み込めていないシロに対して瞬が説明をする。


「あいつはただ風を吹かせるだけじゃない。吹かせるだけならカマイタチの類も出来ないはずだ。あいつの能力…アネモネは風を"操る"能力だよな?」


「そうにゃ?」


「文字通りってことさ。あいつは風を操れるんだよ。例えば一点に向かって凝縮させたり普通の風のように拡散させたり。俺が最初に浮いたのも、多分俺の足元に凝縮した風を送りつけて浮かせてそのまま運んだんだろう。」


シロがにゃるほど…と納得した様子だ。


「しかし、それが分かったところであなたに勝ち目はないでしょう?」


城ヶ崎が挑発する。


しかし、瞬は…


「いや、俺の勝ちだよ。」


その発言にその場の空気が凍りつく。何故ならその発言、その覇気、その態度全てがハッタリではないと物語っていたからだ。


瞬は落ちていた刀を右手に持つ。

意識を集中させ、前へと飛び出した。その距離は約10mほど…

城ヶ崎はすかさず後方へ飛び扇子を振るう。


一点に集中させた力ならば簡単である。瞬はその場にばたりと倒れる。その上空を風が通りすぎるのが分かった。

後方2mくらいの草花がザザッと揺れるのを確認し、再度飛び出す。城ヶ崎は勇敢にも飛びかかる瞬に気を取られてしまい扇子を振るうのが遅くなった。その隙を瞬は見逃さず一気に詰め寄り刀を振るった。城ヶ崎は防御に扇子を使ってしまい扇子が手から離れてしまう。男と女が力比べをした場合どちらが有利かは比べるまでもないであろう。

倒れこんでしまった城ヶ崎に向かい刀を突き立てて瞬は言った。


「城ヶ崎。俺の勝ちだ。」


城ヶ崎は崩れ落ちた体制を直せず、その場で鋭い視線で瞬に向かい言った。


「どうしてですの…!どうして気付いたんですの!」


その発言に瞬はニヤリと微笑んだ。


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