11話:生徒会長
「よぉ!瞬おっはー」
「おはよう」
クロが挨拶を交わして挨拶を交わしてきた。今日も元気いっぱいなクロである。
ふと、クロの視線が気になった。俺の足元…シロを見ていたのである。
「えと…その…な?瞬…悩みあるなら聞くぞ?スターストールとかで確かに気が動転してるのはわかるよ?わかるけど…その…親友がまさか誘拐…」
「ちげえええええ!こいつはシロだ!昨日会ったろ!補助ペットだ!」
やはりこいつは俺を誘拐犯とかなんとな勘違いしていたようだ…
こいつの妄想も大したもんである。
「な?シロお前も説明してやってくれよ。」
シロに説明をしてもらうように促す。
そのセリフを受けたからか、シロがクロに近付いていった。
そして、シロがクロに抱き付いた…
え?なにしてんの?え?
「ふぇぇぇん。お兄ちゃん怖かったよぉ…」
って、えええええ!?シロが…え!?えええええ!?
こいつ、裏切りやがったな…
「おーよしよし。可哀想に…今すぐに警察いこな?」
クロがシロの手を引いて教室を出ようとした。
「だからちげええええ!!」
俺の叫びが登校してくる生徒で賑わう校舎に悲しく響き渡った…
「なるほど…状況はある程度理解した。」
俺はクロに状況を説明してようやく理解してもらった。シロの悪ノリにも困ったものである。
「とりあえず全身リンクシステムについて説明するにゃ。」
シロが説明を始める。俺とクロはその未知の機能について食い入るように話に耳を傾けた。
「とりあえず、お前らの携帯のW.O.Fのログイン画面を見てみるにゃ。そこに全身リンクシステムがあるはずにゃ。」
そう促されてお互いに携帯を開く。俺は今朝も確認したのだが再度確認する。
やはりある。クロは初見であるからであろう。驚いたように俺を見てきた。
「全身リンクシステム…それを開くとBF…ブレインフラッシュと呼ばれる脳波に直接信号を発信する光が発信されるにゃ。」
「まてよ?脳波ったってそれぞれのものがあるだろうし、どういう理論でW.O.Fのアバターに意識飛ばすんだよ」
まぁ慌てるにゃとシロが俺の言葉を制ししてきた。
「お前ら携帯を契約した時にW.O.Fのアバターを作るために全身スキャンしたにゃ?その時に体の構造全てをスキャンしたはずにゃ。当然それは体の内部も含まれているにゃ。感情やお腹すいたとかの命令は全て脳味噌が発信している信号に過ぎないにゃ。それにアクセスしてこっちのアバターに命令を送れというように強制転移させてやるにゃ。当然ながら全身スキャンしたんだから、体の構造…すなわち神経もアバターにはある。まぁ言ってしまえば脳味噌を完全に移植するって考えてもらえればいいにゃ。」
なるほど…理解した。スターストール自体全国家をあげてのものだ。全身スキャンにそれくらいの機密があっても不思議ではない。当のクロは何を言ってるのかさっぱりというような表情をしている。まぁシステムは使えますよーくらいに理解すりゃ問題ないだろ。
「そして、スターストール出場選手はその受付をした日から全身リンクシステムが使えるにゃ。つまり、この日のために何年も前から契約している人もいるにゃ。」
「能力の差…か…」
「ビンゴにゃ瞬。システムを古くから使ってる奴等の中にはもうフェーズ2に到達しているやつや、5大武闘派ガバメントの聖闘士、ブルーム、シュバルツ、焔、竜騎士団。こいつらのリーダーはフェーズ3に至っていてもおかしくはにゃいはずにゃ。」
5大武闘派…前大会の上位5組。その中の優勝は聖闘士だった。しかし、その5大武闘派以外にも強者ばかりであろう。
「それと、全身リンクシステムログインしたら行ける場所もあるにゃ。そこで皆特訓したりするにゃ。学校終わったら早速やってみるにゃ。」
そうこうしているうちに、先生がやって来て朝礼を始めた。
今日帰れば全身リンクシステムにいよいよ手を出すことになる。これで本当に戦いに参加する。その実感という緊張感の中、何時もより長く感じた今日の学校生活が終った。
生徒指導室。基本的に悪さや指導を対処とした生徒が呼ばれる教室。そこに呼び出された生徒がいた。
「あらあら先生。どうしたんですの?こんなとこに呼び出しなんて。わたくし、何か悪いことでも?」
金髪縦ロールな美少女。いかにもお嬢様というような気品の漂う生徒がそこにいる人物に向かって質問を投げかけた。
「要件は分かってるんだろ?城ヶ崎。」
瞬のクラス担任の夢島 薫が椅子に座りパックの紅茶を飲みながら答えた。
「ふふっ。そんなに慌てないでくださいな。3人…わたくしを含めて4人でしょうか。この学校からの出場者は。」
「なるほどな。うちのクラスからも2人出るみたいだな。全くバカなのか…本当…」
夢島は、頭を抱えてやれやれというような感じで呆れた様子だ。
「それをわたくしの能力で連れ戻せ…そういうことですわね?」
城ヶ崎が堂々と胸を張り受け答えた。
「あぁ…本当こういう時のためにセーフティネットを張っておいて正解だったぜ。」
「ふふっ…先生たら本当生徒思いなのですね。」
「なっ!ちげえ!ただ…その…問題を起こされたら面倒なだけだ!」
夢島が顔を真っ赤にして。慌てた様子だ。
それを見た城ヶ崎が、ふふふと笑った。
「と、とりあえず!よろしく頼んだぞ!」
「わかりました。生徒の問題はフェーズ2までいたったこの生徒会長こと城ヶ崎 舞にお任せを。」
夏の夕日が教室にさしかかった。その夕日と影が鮮やかな色を作り上げて神秘的で幻想的なものをつくりあげていた。多くの生徒が下校で学校が賑わっていた。
ふと、舞が窓から外を見ると下校途中であろう瞬と目が合った気がした。ここは3階であるし気のせいであろう。舞も帰路につくことにした。




