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夢から覚めたら異世界でした  作者: 東条 太郎
第一章 異世界到着編
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第一話 異世界に到着!!

 


 周りがだんだんと鮮明に見えてきた。


 「着いたー!!」


 周りを見渡すと、どこを見ても樹ばかり。

 人気などは一切ない風景だ。


 「フムフム、まあ何でだろ、なぜか不思議に思わない。

 あぁそういや、小説とかだったら確かこんなところに落とされるな。うん」


 興味を持ったものには、時間を惜しまない彼は、転生系や召喚系その他もろもろの小説を読み漁ったものだ。最高で、1日に8冊読破したことがあるくらいだ。


 「まぁ、周りを調査しますかぁ。こんな感じなら、少し歩いただけでなんか見つかるもんさ」


 物事を気楽に考える彼は、確信もないことを言う。


 「だいたいこういう系の小説では、モンスターに襲われている女の子とか助けて、いい関係を築くもんなのさ」


 さぁ、こうしちゃいらねぇ。さっさと動きますかぁ。

 ハラ

 彼のポケットから、1枚の紙が落ちた。


 「何だこれ?

 ん?なんか書いてある。えーっとなになに―――――

――――――あんたがこれを見てるって事は、そっちは無事に着いたようね。成功したようでよかったわ」


なんだあれ失敗することもあんのか。なんつーもんをさせるんだあいつ。

 まだ続きがある。


――――――まぁ、私は失敗したことはないんだけどね。失敗した例があるって聞いたから、用心に越したことはないかなと思って」


 なんだ心配させんじゃねえよ。

 すごく危ない橋を渡ったかと思ったぜ。

 あれ?まだ続きがある。


――――――あぁそれと、異世界に行った人の中で一番死亡率が高いのは、異世界に着いてから間もない頃。

うれしいのは分かるけど、はしゃぎすぎて、まだ全然使いこなせてない体で、SS級のモンスターと戦って死んだって言う人もいるらしいから、気をつけておきなさいよ」


 すげー怖いんですけど。

 てか何?SS級モンスターって。

 マジックワールドではそんな区別の仕方してなかったんですけど。

 いろはにほへとの、区別でその中で3段階に分かれてるのはあったんですけどねぇ。

 まだあるや。


――――――あと、あんたにアイテムポーチを渡しておくわ。威力がそんなに高くないけど1本剣を入れておいたわ。

ついでに、あんたのゲーム内のお金を少し入れておくわね。それがないと何も出来ないでしょ?」


 おお、確かに腰にそれらしきものがついているな。

 でも、使い方がわかんないんですけど。

 マジックワールドでは、念じただけで出てくるんだけどな。

 剣、出て来い!


 「・・・・・・・」


 やっぱでてこねぇ。

 やっぱり、手を突っ込むべきだろう。


 「スーーハーースーーハーー。

 よし、い、入れるぞ」


 とりゃ!


 「・・・・・・」


 ありゃ?なにもねえや。

 まぁ、そうだろうね。

 がさごそがさごそ

 お!

 これじゃねえか?

 そして、俺は1本の鉄製の剣を取り出した。

 切れ味はそれほどいいようには見えない。


 「このでかさの剣をどうやってしまっていたんだ?

 そこらへんは異世界だからOKなのか?」


 あまり、深く考えないようにしようと思う。

 そして紙を覗き込む。


――――――あと、あんたが落ちたところは、モンスターの巣の近くだから気をつけなさい」


 それ、言うの遅せーだろ。

 というか、そんなこと言ったら本当に出てくるでしょうが。

 え?何がって?

 そんなの決まってんじゃん。

 モンスターだよ。

 しかもかなり強いの。

 そうそう、こうやって後ろを振り向くと・・・・・・


 「グギャァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 「イーーヤーーーーーーーーーーーー!!!」


 いやいや、無理でしょ。

 でかいよあいつ。

 俺よりでけーしな。

 6,7メートルくらいあるぞ。

 牙もするどそーで、爪もヤベーくらい尖ってるしよ。

 皮膚も、毛で覆われすぎて見えないし、というより、1本1本が太いな。ここからでも見えるし。

 まさに剛毛だ。いや、ここは豪剛毛かな?

 G級にいってしまった。

 腕も、俺の胴体よりも1周りくらい太くて強そうだな。

 まさか、あの太さすべてが脂肪っていうオチはないよな?

 あれすべてが筋肉ならば笑い事じゃないけど。

 軽く岩を砕けるぞ。

 まさか、あれをこの鋳造の鉄剣(たぶん)で倒せというのか?

 無理だ。スキルを使えば何とかなるかもしれないが・・・

 !!!

 そういや、俺は魔術や魔法は使えないけど、スキル・・・強化魔法・・・・は使える。

 いけるかもしれない。

 そう思い、俺は目の前の熊(予想)に向けて剣を構える。




◆◇◆


 



 ハァハァ

 これは、案外あっけなかったのかもしれない。

 俺はそう思いながら、額に浮かんだ汗を服の袖で拭く。

 今思ったが、今着ているのは、見た目はただの服――――――まぁ、性能も普通の服のと変わらないのだが――――――を着ている。

 もう少しましなやつはなかったのか?と、俺は思う。

 だが、ガチガチに鎧とかを着込んでいても、動きにくかったろうが。

 そう思えば、これでよかったのかもしれないと思う。

 さぁー行くかぁ。

 

 おっと、剥ぎ取りを忘れてたぜ

 このときが1番ドキドキすんだよなぁ

 レアアイテムが出たときとか、欲しかったアイテムが出たときがまたいいんだよなぁ

 そんなことを思いながら、熊(仮定)に近づく。

 あ!!

 しまった、剥ぎ取り用のナイフがねぇ

 どうしましょ?

 俺が悩んでいると後ろから綺麗な声で助けのお言葉がかけられた。


 「私のでよければお貸ししましょうか?」

 「おぉ、センキュー」


 サクサク

 グチュ


 「よいしょ」


 途中少しグロイ音もしたがまぁ、いいだろう。

 てか、このナイフよく切れるなぁ。

 おぉ、そういや俺少し思うんだけど、某狩猟ゲームの剥ぎ取り用ナイフって、自分が思うに、もう少しでかくしたら軽く武器になると思うんだよねぇ~。

 だって、グラ○モスとか、バサ○モスとか、クシ○ルダオラとか、キ○ンとか、めっちゃ硬いモンスターでもバンバンサクサク剥ぎ取ってんじゃん。

 かなりの切れ味になると思うんだよねぇ。

 紫より上だったりして(笑

 そんなことを思いながら、熊から剥ぎ取った素材をアイテムポーチに入れる。


 「貸してくれてありがとな」

 「いえいえ。構いませんよ」


 ん?

 俺は違和感を覚える。

 そしてすぐに分かった。

 てか、これくらいすぐに気づけよなぁ~俺。


 「あのぉ~あなたは、どなたでしょうか?」


 俺は、知っている限りの敬語でたずねた。

 国語苦手だぁ~


 「あぁ、すみません申し遅れました。私はアリア、アリア=ローラント、冒険者をやっています」


 そう言って彼女はカードを取り出した。

 そのカードには、よく分からん文字の下に筆記体の英語で、アリア=ローラントと書いてあった。

 その下を見てみても、不思議な見たこともない文字ばかり並んでいて解読が出来ない。

 かろうじて読めるのは、おそらく名前であろうところのみ。あと、よく分からんが数字があったのでそこも読める。

 これを見て、俺は思った。

 ( この世界にも、冒険者があるのか。うん、俺もそこに入ろう。けってーい)


 「はい、これ。ありがとうございました」

 「礼儀が正しいな」

 「そちらが、本当のところですか?」

 「おっと、しまった。私としたことが、知らない相手の前で元の口調になってしまった」

 「そちらのほうがお似合いですよ。あぁ、すいません。あなたばかり自己紹介していますね。気づかなくて申し訳ない。僕の名前は、くろが・・・いえ、レックスと申します。冒険者になろうかと思っている身です」


 (自分なんか気持ち悪いワー。わーわー)


 「ほぉ、その力量で今から冒険者になろうと思っている身か・・・

 B、いやAくらいの冒険者かと思っていたが、見当違いだったようだな」


 いやいや、冒険者だと思っていたんなら、証明書?出さなくてもいいでしょ。


 「ええ、いままでいろいろなところで師匠に鍛えていただいていましたから、冒険者になる機会がなくて。それで、その師匠からようやく合格をいただきましたので、これから街に行こうかと思っていたところであいつに出会ったんで、戦っていたんですよ」

 「その師匠とは、誰なんだ?」

 「師匠に口外するなといわれていますので、言えません」

 「それならば仕方ないな」


 やべぇわ。

 よくこんなに、嘘ばっかり言えたもんだ。俺。

 人間やれば結構出来るもんだな。


 「ですが、街の方角が分からないのでお教えいただけませんでしょうか?」

 「あぁ、いいぞ。私もこれから街に帰ろうかと思っていたのでな」

 「ありがとうございます」

 「別に気にするな」


 ってことで、これから街に行ってきまーす。

 小説通りならば、中世ヨーロッパ的な世界観だがな。もっとも、中世ヨーロッパがどんなのかは、知らないけどね。

 よし!

 レッツゴー



  


最後までお読みいただきありがとうございます。

感想、コメント等お待ちしております。

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