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夢から覚めたら異世界でした  作者: 東条 太郎
第二章 闘技大会編
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第二十一話 闘技大会予選


 「今から、第98回セントラル闘技大会を開催するッ!!」


 少し前に会った国王様が、前置き無く堂々と闘技大会の開催を宣言した。

 ……ちょっと思ったが、この大会はかなり長いこと続いてるんだな。でも……98回。……おしい。もうちょっとで99又は100回だったのに。

 いまからすぐに個人戦が始まる。早いこと行かなければいけない。


 「んじゃあ、行ってくるわ」

 「あぁ、いってらっしゃい」


 クリスの返事を待ってから、席を立った。

 俺の出る試合は、Dランクだから、一番最初だ。特に早く行かなければいけない。早足で1階の控え室らしきところへ行く。試合は、すぐだったから、居たってほどいなかったけど。

 フィールドに出て、観客の視線を浴びる。かなりの人数がいる。目測だから誇張しているかもしれないが、ざっと1万人くらいいるんじゃないだろうか?

 すででにフィールドには、16名の選手がおり、俺が最後のようだった。俺が適当な場所に立ち止まると、試合が唐突に始まった。


 この大会の予選は、登録者のどうランクの人が全員がフィールドに出て、一気に戦うスタイルをとっている。

 理由は、手っ取り早く予選を終わらすためと俺は睨んでいる。

 そして、勝つ方法は居たって簡単。最後の4人まで残るだけ。そのため、試合の前にあらかじめ4人で口裏合わせてから試合に来る人も珍しくないらしい。

 だけど、そんなことをこの世界にきて2ヶ月の俺が知るはずが無く、見事俺は誰とも手を組んでいないので、4vs4vs4vs4vs1(←1人俺)の構図になった。もちろん1人の俺が狙われるのは火を見るより明らかなことで、よってたかって身長145cmの俺を、平均身長180cmオーバーの大人が、リンチする光景が観客全員の脳裏をよぎっただろう。だが、そんなことごときでチョイ前までは高ランクモンスターどもを相手に頑張っていた俺を、たかだかDランクの冒険者が倒せるわけ無く……

 俺は剣を一振りした。

 周りのゴツイおっさん達が吹き飛んだ。

 地面に叩きつけられた。

 起き上がらない。

 俺1人勝ちーーWIN!!

 なことが、起こった。

 非殺傷用のキャップを武器に付けているとはいえ、一応筋力SS+(この前見たら上がっていた)の俺の攻撃を防御大体D位、よくてもCランク位の冒険者が受けて、無事なほうがすごいと思う。


 会場がしーんとしている。観客全員が、眼を見開いている。その目線の先にはもちろんのこと俺が写っているだろう。


 (しまった!穏便に、地味に決勝リーグに進もうと思っていたのに、なぜか目立ってしまった。)


 一番初めに凍りついた空気から立ち直ったのは、審判だった。


 「れ、レックス選手の圧勝です!!決勝リーグへ進出するのは、レックス選手唯一人です!!」


 早いことフィールドから出て、注目を集めるのを少しでも避けようとする。

 後ろを振り返ってみて見れば、16名のおっさん達が担架に載せられ退場している姿が見えた。

 ……少しだけ担架で運ばれるおっさん達をかわいそうだと思った。自分の所為なんだけどね(テヘペロ


 Dランクの予選が終わった後、引き続いてCランクの予選が始まった。流石に、さっきのように開始2秒で終了なことは無かった。唯、白熱した試合だったとだけ言っておこう。(一体誰に言っているのだろう?)

 Cランクの予選が終わった後、一旦休憩が入り、Bランクの予選が始まった。

 こちらの試合は、DやCランクの予選よりさらに白熱したものとなった。最終的に、4VS4の勢力図になり、かなりの間拮抗した試合になった。

 結果としては、片方のチーム(と呼んでいいのか分からないが)の1人が倒れたあたりから、勢力は片側に一気に傾き、重騎士ばかりで構成されたチームの粘りがちとなった。

 AランクとSランクは人数が見事4人ジャストだったため、予選は行われなかった。


 翌日闘技大会の決勝トーナメントは行われた。

 参加人数は、Dランク1名。Cランク4名。Bランク4名。Aランク4名。Sランク4名となった。もちろんのこと、Dランクは俺だけである。

 通常は最初に、DランクとBランクが戦い、同時進行でCランクとAランクが戦う。そして、勝った者と、勝った者どうしで戦い、その試合で勝った人が、自動的にシードとなっているSランクの人と勝った人が戦う。なので、大体いつも準決勝と決勝はSvsSランクの戦いとなる。デキレースってやつ?

 ただし、今回はDランクの決勝進出者が俺だけなので、一名Bランクの人が俺と戦い、残りのBランクの人たちは、ちょっとしたシードになっている。

 ちなみにだが、トーナメントのときは、1日で全ての試合を終わらせなくてはいけない。かなりの回転スピードになると予想された。


 「今回の個人戦のトーナメントはこちらですッ!」


 そう司会者気合の入った声で言うと、フィールドの上空に大きな青い板が現れた。うっすらと後ろの背景が見えているので、突然現れたこともあわせて、何かしらの魔法の類だと思う。

 そこには、司会者の言っていた通り、トーナメント表と思わしきものが映っていた。


 「えぇっと、俺は何所だ?」

 「左上の上から3番目だ」

 「本当だ。という事は、一番初めか」


 相手の名前は、ルルズという名前だった。


 「なんか、子供っぽい名前だな」

 「油断はしないほうがいいぞ。人を名前で判断すると、痛い目にあうことが多いからな」


 そこは、”見た目で判断してはいけない”じゃないだろうか?でも、名前だけで判断するのは危険なのは、その通りだと思う。

 もう一度表を見ていて、気づいたことがあった。


 「名前の横にある数字は何だ?」

 「ああ、オッズだな。いわいる倍率だ」

 「倍率?なんか賭け事でもしてるのか?」

 「この大会は、優勝者は誰になるのか賭けるんだ。そして、賭けられたお金は国のお金となり、政治とかに使われるんだ。あとは、道路の整備とかかな。もちろん賭けをあてた人には、賭けたお金を賭けた人の倍率によって手に入れることが出来る」


 なるほどー!

 いまいち分かっていないけど、なんとなくわかった。

 とにかく、俺達選手は戦って、観客は賭け事を楽しむわけだろう。うん、完璧だ。

 という事は、俺の横に書いてある30は、俺のオッズになるわけか。ハハ~ン。なるほど。ハナから俺は勝てないと思われているわけだな。なんせ、俺の次に高いオッズでさえも20なんだから。『貴方は優勝できませんよ』と、運営側が思っているわけだ。その幻想ぶち壊してやるよ。クックック……。


 「クリスは、誰にかけるんだ?」

 「何を腑抜けたことを言ってるんだ?もちろんレックスに決まってるだろ?」


 いや…聞き返されてもねぇ?俺は、試合するだけですしぃ、賭け(そっち)のことは、貴女にお任せしてますので。

 あと、さっきの厨二ことば消してくれませんかね?『無理よ。by絵美』……絵美って誰だよ。

 というか、クリスの俺に対する扱いが少々悪かったよーな気が…?

 まあ、期待してくれているのは嬉しいことなんですけどね。


 「あ、そろそろだな。んじゃあ俺行ってくるわ」

 「あの、その、怪我に気をつけろよ?」

 「何故に疑問系?まあいいけど。うん、無傷で帰ってくるよ。たぶん…」

 「ああ、そうそう。レックスに金貨500枚ほど賭けているから、負けたら私達文無しになるからな」


 ちょっとまてぇぇぇい!!500枚ぃ?それってもし俺が勝ったら、15000枚の金貨で返ってくることになるから…銅貨50枚…半銀貨1枚。半銀貨20枚…銀貨1枚。銀貨50枚…半金貨。半金貨20枚…金貨1枚。金貨100枚で水晶金貨だったから。水晶金貨5枚分を俺に賭けたわけだ。そして、返ってくるのは金貨15000枚。水晶金貨でも150枚分だ。かなりの額になる。国家予算くらい行くんじゃないんだろうか?国家の予算なんて俺は知らんが。まあ、それは全部俺が優勝した場合なんだけど。

 それにしても、金持ってるな。流石王族。たぶんこの金は自身で稼いだものだろうケド。




最後までお読みいただきありがとうございます。


絵美は、最初のほうに出てきた主人公を転生させた神様になります。決して初登場の人物ではありません。さらに言えば、作者でもありませんから!!

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