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夢から覚めたら異世界でした  作者: 東条 太郎
第二章 闘技大会編
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第十八話 王都に到着


 猛獣の森(前話の森のこと)から抜け出し、セントラルまであと一歩というところ、俺はロイル=レムさんに質問をした。


 「今さっきは突っ込みませんでしたけど、鎧いつかえたんですか?」


 そう、ロイルさんの鎧がいつの間にか変わっていたのである。

 先ほどまでは関節や急所のみを守る機能美ともいえる鎧を纏っていたのに、今は騎士の人たちがつけていそうな豪華な鎧を身に着けていたのである。


 「ん?そんなことかい?それはもちろん血を流しに行ったときに決まっているが、それがどうしたんだい?」

 「いや、帰ってくるのも早かったんですけど、鎧を変えて、且つ汚れを落としてきたわけですから、どんな技使ったのかな~と」

 「それは私も気になっていたぞ」


 俺達の教えてくださいの眼差しによりロイルさんも折れた。


 「別に特別なことをしたわけじゃないよ。本当に唯脱いで洗ってきただけだよ」

 「それじゃ、川に向かったとき、そんな鎧持ってなかったけど、何所で入手したんですか?」

 「あぁ、それはこの袋から出したんだよ」


 と、彼は言いつつ、腰から1つの袋を取り出した。


 「これはね、古代の魔法を復元して作った通称魔法の袋だよ。この袋には時空間魔法がかけられていて、なかに大量のものが入る代物だよ。ひとつなんと金貨10枚。安いよね~」


 魔法の袋ww唯の○次元ポケットじゃねーの?俺も持ってるけど。てか、この袋ゲームを始めたときにもらったもんだけど、そんなに高価なものだったのか。いやーー太っ腹。


 「な!?それが噂の魔法の袋か!!最近発売されたばかりで、品切れが相次ぐ幻の袋。量産が出来ず、高価でなのはそうだが、高ランクの冒険者達がこぞって買い集めるため低ランク~比較的裕福な中ランク冒険者の者まで買えない最近では伝説とまで言われる袋か」


 あぁ~クリスが欲しい欲しいと目で訴えてくる。

 ていうか、あんたのところ一応王族なんだから買えるでしょ。とか、思わんでもないが、きっと、「自分で苦労して手に入れてこそ本当の愛着がわく」とか言い出しそう。

 そこまではないかもしれんが、なんか言い出すのは確実だろう。


 「まぁ、その袋にことは置いておいて、ロイルさん教えて欲しいことがあるんだ」

 「む、なんだい」


 いきなり真剣(に見えるように)なった俺に対し、こちらも真剣な顔で対応してくれた。


 「現在SSランクになっている人たちの情報をくれ。もちろんタダとは言わない(はずだ)」

 「なんだ、そんなことかい。君には面白いものを見せてもらったしね。なにもいらないよ」


 よし、ラッキーだ。

 何故、こんなことを聞くのかというと、クリスに俺は本気で闘技大会にでますよ~みたいなことをアピールするためだ。もちろん本気で参加するようなことはない。


 「へぇ~レックスも、やっと本気で臨む気になったのだな。これは、簡単に優勝してSSランクの人たちと戦うことも現実味を帯びてきたんじゃないか?」

 「え、えぇ~自分がまだ一度も闘技大会で手を抜くなんていってないけどな~」

 「わたしは、レックスが手を抜いて挑むなどと言った覚えがないんだがな」

 「げ!嵌められた」


 口元を押さえて、心底ビックリした。

 本当にビックリした。いつ気がついたのだろう?


 「いつの間に知ったんだみたいな顔をしているな。大丈夫だ何もへんなことはしていない。ただ、レックスは顔にそういうのが出やすいだけだ。きっと、ロイルさんも分かっているはずだ」


 恐る恐るロイルさんを見てみる。

 いきなり自分の名前を出され、ビックリしているように見える。

 俺が見ているのが分かると、すばやく(だが、傍から見ると慌てているように見える)腕を組み顔を縦に振っている。

 その顔は引きつっているが。

 イコール。自分の思っていることは他人に分かりにくいってことだ。単にクリスの感情を読み取る能力がいように高いだけだ。それはそれで怖いけど。


 「それも置いておいてだ、早く教えてくれ」

 「えぇっとだな。まずは序列10……じゃなくて9番目の人から――――~2時間後~

 ――――だな。少しは参考になったか?」

 「えぇ、とても」


 彼の説明はとんでもなく長かったのでまとめてみる。


 序列9番目

 名前 エリア=アーチャー SSランク  絶対の必中者

 種族 ダークエルフ

 年齢 ひ・み・つらしい(見た目20~23歳)

 武器 弓

 ステータス 不明

 武器が弓のため接近戦が苦手。そのためSSランクの中では最弱。ただ、接近戦はある程度まで出来る。

 森の中など障害物などがある中での長距離の戦闘では無類の戦闘力を発揮する。主にPT戦などで大活躍。弓を始めてからこのかた一度も外したことがない(邪魔をされる、途中で矢を燃やされる等のことで命中しなかったのはノーカウント)。そのことからの2つ名。意外と魔法も使える。

 かなりのスタイル。ボンキュボンのグラマーな体格。割と身長は高い。最近の悩みは肩が凝ること。


 序列8番目

 名前 イオ=アグニ  SSランク  獄焔ごくえんの支配者

 種族 エルフ

 年齢 135歳(見た目13~14歳)

 武器 基本なしあえて言うなら杖

 ステータス

 魔力の値だけ異様に高い。

 その他は不明

 腰まで伸ばすワインレッド色の髪の毛。目は、翡翠色。魔法が主力のため接近戦は苦手。というかまったく出来ない。遠距離戦や、集団への攻撃では上記と同じく無類の強さを発揮。森で戦闘すると、その森が焦土と化す。大概のモンスターは一撃で沈む。もちろん無詠唱で魔法を打てる。

 基本は炎で攻撃。自らが強いと認めたものには風の魔法も使う。すんごい火力。

 見た目より意外と年を取っている。身長は140~145くらい(目測)

 最近の悩みは胸が大きくならないこと。エリアのような胸が目標らしい。

 

 序列7番目

 名前 カザン=シュザン SSランク  兜割り

 種族 ドワーフ

 年齢 427歳(見た目ただのおっさん)

 武器 片方が斧でもう片方がハンマーという不思議なもの

 ステータス  不明

 自身の持つ不思議な武器と己の筋力のみで相手の防御ごと全てを破壊するすごく豪快なおっさん。

 1体1での戦闘で力を発揮。魔法は土属性を少々扱えるくらい。ちなみに自身のもつ武器は彼自身が作成。豪快な性格。笑い方はワァッハハハハハらしい。正直どーでもいい。

 身長はすごく小さい。だいたいイオと同じくらい。

 

 序列6番目

 名前 グラム=アームストロング SSランク  爆心

 種族 人間ヒューマン

 年齢 34歳

 武器 素手

 ステータス 不明

 己の筋肉に多大なる自信を持つおっさん。肉弾戦がもーれつに得意。素手のわりに魔法も使う。意外と器用なおっさん。そこらに落ちてる石とかは、投げずに拳で殴って飛ばす。飛んでくるときに魔法で先が尖がる。注意。攻撃と同時に、爆発系の魔法を使う。禿なので、得意魔法が分からない。爆破形を使ってくるので、火と、土という事が分かる。

 身長は198cm。体脂肪率は1%以下。ついでにスキンヘッド。


 序列5番目

 名前 アッシュ=グレル SSランク  神槍

 種族 人間ヒューマン

 年齢 34歳

 武器 槍

 ステータス 不明

 世界トップの槍の使い手。右手に持つはあらゆる盾を貫き通すといわれる矛。左に持つはあらゆる攻撃から身を守るといわれる盾。武器と盾が矛盾していると思わなくもない。早い攻撃が苦手。

 対1のモンスター戦が得意。彼の持つ槍は、魔力に反応して伸び縮みする。

 防御系の魔法を得意とする。


 序列4番目

 名前 スラッシュ=トマホーク SSランク  風神

 種族 ドラゴニアス

 年齢 235歳(見た目20~25歳)

 武器 アックス

 ステータス 不明

 最近開発された斧と剣の一体型の武器を使いこなす。前はトマホークを好んで使っていた。ドラゴンと人間の長所を持ち合わせていて、力があり手先が器用。ただしドラゴンブレスは使えない。

 見た目は二の腕らへんに付いている鱗以外普通の青年。なめてかかると痛い目にあうこと必至。

 ドラゴンの場合、魔力の属性を現すのは鱗の色と目の色。鱗の色が緑のため、風魔法を使える。

 

 序列3番目

 名前 ロイル=レム SSランク  一閃

 種族 人間ヒューマン

 年齢 26歳

 武器 長剣

 ステータス 

 筋力 SS

 防御 S

 体力 SS

 魔力 S

 敏捷 EX

 運 S

 クリスがチョイ前説明したため割愛。


 序列2番目

 名前 セバスチャン=ミカエル SSランク  礼服の執事

 種族 不明

 年齢 不明

 武器 不明

 ステータス 不明

 名前以外が不明なよく分からない礼服を着た初老の執事風の人。右目の所にモノクルをつけている。ちなみにこの人の話をしていると、気づけば後ろに立っているという噂があるらしい。恐ろしい…。

 肉弾戦も得意。魔法も使える。オールラウンダー。

 彼の攻撃は、山を吹き飛ばすこともできる……とか?そこらへんは不明。王宮に勤務中。現在は冒険はしておらず、籍だけ残している。なのに序列2番目。


 序列1番目

 名前 アリス=アルメリア  SSランク 殺戮さつりくの剣姫

 種族 人間ヒューマン

 年齢 24歳

 武器 長剣

 ステータス 不明

 世界中に存在する冒険者ギルドに登録されている冒険者の中で一番の実力。その剣の一撃は龍を切り裂き、山を吹き飛ばし、海を割り、さらに空間すらも裂くとさえ言われている。とりあえず強い。基本無口。表情はあまり顔に出さない。

 スタイル抜群。エリアに次ぐナイスバディ。ファンクラブがあるらしい。登録者10万人を超えたという噂もある。

 あと、2つ名が中二だと、思わないでもない。


 っとこんなところ。

 とりあえずロイルさんは、ハンパなく強かったってこと。

 あと、序列1番目のアリスさん、海を割ったり空間を切り裂いたりとかハンパない。一撃で負けるよねこれは。うん。

 あと、ロイルさん何でも知ってるなぁ~とも思った。悩みですらしっている。


 「レックス君、クリス様王都に着きましたよ」


 と、説明をしてもらって、整理をしていたら、王都についたみたいだ。

 俺とクリスの扱いの違いにやっぱり王族は違うのかなとか思ったり。

 でも、そんなことは王都に着いたら忘れてしまった。

 まず、目に付くのは王都を囲むようにして立つ城壁だろう。高く分厚い。うっすらと見えるのは魔法の結界だろう。

 空は赤く染まり、太陽はもう姿の3分2ほどを山で隠している。

 そんな景色の中でありながら、この目の前に建つ城壁はなお白い。


 「すっげーなぁ…」

 「レックス君もそう思うかい?僕も、最初これを見たときはそう思ったよ」

 「感動しているのはいいが、早く入らないと門が閉まってしまうよ」

 「おぉっと、それは危ない。ここまで来て、野宿は勘弁だ。早く入ろうか」


 ロイルさんは苦笑いしながら言ってくれるが、セントラルまで目と鼻の先まで来て野宿は本当に勘弁だ。早くお風呂に入りたい。紳士は常に体を清潔にしておかなくてはならないのに。

 でも、早くしないと門が閉まるって、まだ太陽の向きからして6時くらいなんだが。いや、こんなもんなのかな?

 まぁ、そんなことは後で考えるとして、今は早く門を通って街の中に入らなくてはならない。


◆◇◆◇


 街の中に入ったとき、ロイルさんとは別れた。「また、闘技大会で会おう」とか、不吉な言葉を掛けられた気がするが、気にせずにっと。それでは、まずは風呂…と行きたいところだが、最初にギルドに報告に行かなくてはならない。

 うぅ、めんどうだ。

 中に入るのは簡単だったのに。ギルドカードを門番の人に見せるだけで通れたのに。なのにギルドまでシラクの街のギルドにあったように、長い長い階段があったのだ。 

 何所のギルドも趣味が悪い。冒険者達に喧嘩けんかを売っているようにしか感じられん。

 そんな長い階段を上り、冒険者ギルドに入った。

 中はシラクのときと違い、白で統一され、清潔感がかもし出ている。

 そこで、普通に依頼達成の処理をしていると、後ろから声をかけられた。


 「よう、久しぶりだな」

 「えぇ、お久しぶりですね。ギルド長」


 後ろから声をかけてきたのは、冒険者ギルドシラクの街支店のギルド長であった。


 「ギルド長がここにいらっしゃるのならば、一緒にクリスを連れて行ってくれればよかったのに」

 「ガハハハ。確かにそうできたらよかったのだが、生憎あいにく転移ポートはギルドの職員でも幹部以上のものしか使えんから、仕方なかったのだよ」


 何気に転移ポートなんかあったのかよ。クソッ、うらやましいぜ。

 と、心の中で毒づいても、何の解決にもならない。


 「あぁ、そうじゃ。ここでの処理が終わったら、今すぐ…いや、明日の朝、王城でクリス様を一度引き渡しておくのがよかろう。彼女にも色々と準備することがあるだろうしな」

 「そうですか、それじゃあ明日、お城へ向かうとしますよ」

 「あと、これが今回の報酬だ」


 ギルド長は、何所からともなく手元から金券を出してくる。数は3枚。3000000Gか。……3000000G!?ただの護衛依頼で、これはもらいすぎじゃないかとか思わないでもないが、護衛対象が王女様だったし、こんなものなのか、とおもってありがたくもらっておく。

 でも、ここの人たちは、ビックリすることばかりしてくるな……

 早速渡された金券を銀行に振り込んで、宿屋に向かって、お風呂に入って、寝る。

 久しぶりのちゃんとした寝床に、『ベットってこんなにやわらかかったのかぁ』と、再認識させられたのは言わずともわかるだろう。



最後までお読みいただきありがとうございます。


恐らく今月はこれが最後になると思われます。

次回は7月中に投稿したいと思っています。

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