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夢から覚めたら異世界でした  作者: 東条 太郎
第一章 異世界到着編
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第十七話 魔法作成

 ~シラクの街を出てから、一週間後~


 「そうだ、魔法を作ろう!!」


 俺が、そんな考えに至ったのは、前の依頼であったホワイトワイバーンの狩猟のときに、敵が自分の攻撃が当たらないところにいた場合、こちらから攻撃が出来ないという事を今思い出したからだ。

 ついでに言えば、闘技大会でも使用は禁止はされていないため、そこでちょっと使ってやろうかと思ったからだ。本当の理由は、リアルで魔法を使ってみたいから。だが、目立たない程度のものに抑えておこうと思う。


 「やっぱり、魔法といえばなんか、ドッカーンとか、バッコーンとか、言っているイメージがありがちだが、俺にはそんなものいらん!!だが、持っておいて損はないはずだ。よし、作ろう!!」


 やっぱり、ロマンには勝てなかった……


 「魔法といえば、あれだろう、うん、超○磁砲だろう(笑)だけど原理が分からん。なんか、コインを核にして飛んでいっているけど、それだけしかわかんねぇや。よし、却下。じゃあ、炎とかか?んーーこれも原理がなぁ……」


 結局、自分の不勉強の賜物だろう。結局ほとんど分からなかった。

 まぁ、他のやつも、いつかはしっかりと勉強して使いたいと思う。

 だが、法則が分からなくても、今使えそうなものが見つかった。


 「やっぱり、スタンダードに闇かねぇ。持ってる剣も闇属性だし。てか、闇って、どうやってできるんだ?まぁ、イメージとしては暗かったらOKかな?」


 ちなみに闇は、使う人がかなり少ないため、スタンダードなものではない。


 「あ、そうだ。相対関係にある、光も使えたらカッコよくねぇかな。これなら、中学校で法則も習ったし、そのことも覚えているぞ。だけど、光ってどうやったら出来るんだ?」


 最初の、目立たないという目標は何所へ行ったのだろう。

 使い手が希少なものばかり、わざわざ選んで使おうとしている。

 光は無理そうだが。


 「よし、まずは基本的なダークボールからだな。これが出来なきゃ応用も出来ない(はずだ)。感覚としては、闇は剣を振るときに抜かれていく魔力を感じていたらいいかな?」


 そう思い、手のひらに魔力を集める。

 手のひらに集まった魔力の塊は、だんだんと大きくなり、徐々に奥の見えない漆黒に色を変化させていく。

 約10秒後、手のひらの上に直径10センチほどの黒い塊が出来上がった。


 「よし、こんなものか。案外簡単に出来たな。だけど、ここまで作り上げるのに少しばかり時間がかかりすぎか。まぁ、これは練習あるのみだろう」


 手のひらのダークボールを消して、もう一度練習しようと思ったとき、これをどうすれば消せるのか分からなくて、四苦八苦した。

 いろいろ考えて、放てばいいという事に気づいたのは、5分くらい後のことだ。




 ◆◆◆◆◆◆◆



 「クリスぅ~シラクの街を出てから、結構経つけど、王都まだかー?」

 「ここ3日間、その事ばかりだな。何度も言っているが、今日の夜ぐらいに王都に到着するよ」

 「それ本当か?もうすでに昼をまわってるぜ。その割にはまだ、姿が見えないんだが」

 「分かったよ、こっちの森を抜けたら(恐らく)近道になるから」

 「そんな道があるなら、速く教えてくれよ。よし、早速行こう」

 「だけど、そこの森には結構凶暴なモンスターが……あ、待ってくれ」


 そうと決まれば、ちゃっちゃと行っちゃいましょう。



 この森の中は、最初ここの世界に来たときに落ちた(場所)と違い、薄暗く前が目視しにくいところであった。

 地面が少しぬかるんでおり、少々歩きにくい場所である。


 「ここって本当に近道なのか?かなり歩きにくいぞ」

 「あぁ、確かに近道にはなるんだ。モンスターに襲われなければね」

 「モンスター?そんなもの障害になりゃしない。どうせ低ランクのモンスターばかりだろう?」

 

 俺がそう聞くと、クリスが首を横に振った。


 「ここの、平均ランクはAランクだよ」

 「まじか!?それなら、ここは近道でもやめておいたほうがいいな」

 「もうすでに遅いと思うよ。ほら、来た」


 クリスが言った瞬間、前方からCランクのローウルフが飛び掛ってきた。

 難なく避けるが、避けた瞬間に右手にいた、ローウルフが飛び掛ってきた。

 俺は、瞬時に避けれないと感じ、右手でローウルフの頭を殴った。

 Cランクモンスターでしかないローウルフは、その一撃だけで力尽きるが、周りには気づけば20頭ほどのローウルフがいた。

 背中に背負っている大剣を抜き、ここまで来るのに培ったクリスとの連携で、ローウルフ達を迎撃していく。


 「ふ、ちょろいもんだぜ。俺の前に敵は無し」


 ローウルフと戦闘を開始してから、約5分後。周りにいた20頭あまりのローウルフを倒し剥ぎ取りし終えた。

 手で、鼻をこすりながら(自分的に)ちょっとかっこいいことを言ってみる。

 誰も聞いてはいなかったが。

 自分は、クリスに向かって言っていたのだが、彼女は森の奥の方を向ている。


 「クリス。どうしたんだ?」

 「ん?あぁ、少し考え事をしていてね」

 「なんか気になることあったのか?」

 「いや、前ここに来たときと今を比べていたら、明らかにここでのモンスターとの遭遇率がかなり違うものでね」

 「なんだ、クリスここに前に来たことがあるのか。それで、前とどれくらい違うんだ?」

 「前は、血のにおいに誘われて、いくら倒してもキリがないくらい湧いてきたんだが、今はあれだけ倒したのに、続きが一頭も来ない。まるで、誰かにすごい勢いで殺されていて、そちらのほうに集まっているような。まぁ、連続してこないのはいい事なんだが」

 「いい事なら、気にしなくていいんじゃね?」

 「それもそうだな」


 結局気にしないという方向で決まった。


 ブゥン

 キャオォォォォォン


 森の奥から、剣の風きり音と、狼系のモンスターの声が聞こえるまでは。


 「聞こえたか?」

 「あぁ、もちろん」


 最低限の受け答えで、相手の思っていることが分かるのは、気持ちがいいもんだ。

 って、そんな場合じゃなくて。

 クリスの言っていたことが本当なら、その人はかなりのモンスターに囲まれているはずだ。いくら強い人であっても、数の力には目を張るものがある。

 俺達は、音の聞こえたほうへ向かって走り出した。



 ◆◆◆◆◆◆◆



 その場所に近づくにつれて、血のにおい特有の鉄の錆びたようなにおいが鼻腔をくすぐる。

 その現場に着けば、広がるのは地面一面に広がる血の池。その周りには、ここの森に生息するモンスターばかりが山積みになって置かれていた。

 そんな場所には、一人真ん中で立っている男がいた。

 その男は、手に持った剣を地面に刺し、柄の所に手を置いている。

 体は血まみれで、これが全て彼のものならば致命傷ものだろうが、平然と立っているところから恐らく全て返り血であろう。

 彼の着ている鎧は、肘や膝などの関節や、急所である胸周りや首、腹部、鳩尾、頭などの最小限の場所だけを守っているタイプなので、動きやすさを重視し防御力は二の次であることが予想される防具である。

 機能美なのは素人目でも分かりそうだが、ハッキリ言って男の肌を見せられても正直困るだけだ。どうせなら女性の肌を見せて欲しい。

 ここで、この男の人がむさ苦しいおっさんなら無視して通りすぎるところだが、何所からどう見ても20歳代のように見えるので少し話すだけならいいかと思う。これで盗賊とかなら速攻で潰すがな。


 「すいませ「誰だッ!」うわぁッ!?」


 話そうと少し近づくと、いきなりこちらに向かって光速の速さで剣を一閃してきたので俺は慌てて体を反らす。


 「あぶなぁッ。いきなりなすんだよ!!」

 「ん?人間か?すまなかった。てっきりモンスターかと思ってね。悪かった」

 「いや、こちらこそすまなかった。あんたは今さっきまで戦っていたもんな。そりゃぁ警戒してるわな」


 いやこちらこそ悪かった。いやいや、こっちのほうが悪かったって……

 そんなこんなで俺達はひたすら交互に謝り続けた。


 「あ~もぉ!話しが全然進まないじゃないか。その件だが、こちらが悪かった。貴方もそれでいいだろ?」

 「む、そこまで言われたとなると仕方がない。こちらが悪いのだがな。ところでだが、君達は何故このような所を通っているのかな?2人で通り抜けるには、少々難しいところだと思うのだが」


 あれだけの敵を1人でなぎ倒しておきながら、何を言っているんだろうと思った。口には出さないが。


 「ここを通ったのは、ここはセントラルまでの近道になるとクリスから聞いたもので」


 といい、俺はクリスのほうを向く。

 クリスは控えめながらうなずく。


 「彼女がクリスかい?貴女はどこかで見たような……あぁ!!もしかして、第三王女さまのクリスティーナ=ラグナジェリア=アルファ様かい?」

 「あぁ、その通りだが」

 「それは本当かい!?何故貴方様のような方が、このような場所を通ってセントラルへ向かっているのですか?普通に街道をご利用なさればいいものを」

 「やっぱりまずかったか?」

 「もちろんだ。彼女に傷なんて付いたら、王様にカンカンに怒られてしまうよ。ここだけの話、王様はずいぶんと王女様たちを溺愛というのかな?そういう感じなんだよ」


 後のほうの言葉のみ、小さな声で彼は話した。


 「そういえば貴方は、どちら様でしょうか?」


 あぁ、申し訳ないといいつつ彼は自己紹介を始めた。


 「私の名は、ロイル=レムという。こう見えてもランクはSSランクだ」


 「ほれ、証拠だ」と、言いながらギルドカードを差し出してくる。

 何所からどう見ても本物のようだ(本物と偽物の判別なんぞ出来ないが)


 「ロイル=レムさんかぁ…クリス知ってる?」

 「あぁ、もちろんだ。彼は、この大陸にある冒険者ギルドに登録されている冒険者のトップ10いや、今は9人か、に入るSSランクの人物の1人だ。確か序列は3番目のはずだ。彼につけられている2つ名は“一閃”。彼の繰り出す剣の一筋は残像すら残さないほど速い。彼の間合いに入れば、その瞬間に体は真っ二つにされているといわれているよ」

 「おぉ、よくご存知で。クリス様の言ったとおり私の2つ名は一閃。私はあまりこの2つ名は好きじゃないんだがね。だけどそんな私の先制の攻撃を君は見事かわした。それ強いのなら君は近くにある闘技大会に出るのかい?」


 しまったー!よりによってSSランクの冒険者に強いと太鼓判を押されてしまった。早くに負けるという事がしずらくなった。


 「えぇ、僕も出るんですよ。だけどかなり上に行くのは難しいと聞いたから、当たって砕けろ見たいな気持ちで行くつもりやったけど、今さっきのでかなり自信が付いたよ。ありがとう」


 異世界ここで当たって砕けろの意味が通じるかどうかは分からないが。


 「いやいや、本心を言っただけだよ。そんな礼を述べられることなんかしてないよ」


 お互いに言い合った後クリスが入ってきた。


 「まぁ、話はこれくらいにしておいて、早くセントラルへ行こうじゃないか」

 「そうだな。俺も早く風呂に入りたいし。ロイルさんも一緒に来ます?」

 「ご一緒させてもらおう。私もそろそろ戻らないとと思っていたんだ」

 「それじゃ出発しますか」

 「あぁ「うん」」


 そんなこんなで俺達は再度セントラルへ向かって和気藹々と出発し始め……


 「あぁ!!ロイルさんその体に付いた返り血洗い流してきてくださいよ」

 「む、それもそうだな。ちょっと待っててくれ」


 そういって彼は、どこかへ行った。


 ~5分後~

 「いや~待たせてすまない。川を見つけるのに手間取ってね」

 「「はや!!」」


 俺達は気を取り直して再度出発し始めた。




 

更新が遅くなってすいません!

リアルのほうで色々とありましたので遅くなってしまいました。

今月もなかなか更新できないと思います。出来るだけ早くに出したいと思っていますご了承ください。

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