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夢から覚めたら異世界でした  作者: 東条 太郎
第一章 異世界到着編
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第十二話 ワイバーン討伐依頼その4

 


「はぁはぁはぁ。結構疲れるな。1人じゃやっぱりS+はつえーわ」


 こちらへ真っ直ぐ一直線に向かってくるホワイトワイバーンの突進を避け、すれ違いざまに剣を横になぎ払う。

 こちらの放った攻撃は、鱗を飛ばすが、その下にある皮膚には傷をつけずに終わる。

 突進が終わった後の隙に切りかかる戦法はすでに使えない。

 流石ホワイトワイバーンというべきか、突進後の隙を消すために、終わると同時に空へ飛び上がる。

 そして、牽制程度の攻撃、魔力があまり込められていない炎を吐いてくる。

 この攻撃を反射しても、さほどダメージは与えられないし、まず相手に当たらない。

 そして、協力者であるクリスも、少し前に広範囲に吐かれた炎を避けれずダウンした。

 すぐに簡単な治療は施しておいたので、命に別状はない。

 まぁ、ポーションを飲ませただけだが。

 かれこれ、こいつがここに現れてから、2時間くらいが経過した。

 最初は、大きな隙とかを狙ってチマチマ攻撃を与えていたんだけど、なんかこいつの体力が思っていたよりもずいぶんと多かったので、少々大振りになってしまったようだ。クリスがね。このときは、彼女は本当にAランク冒険者なのかと思ったね。あと、傷が開き始めたみたい。やばいねぇ~

 ダウンしたクリスをかばいながら戦ってたら、通常の2~3倍くらい精神を削っていた気がする。

 だから、ここまでしんどい訳だけど。

 だが、俺には秘策―――いや、切り札って言ったほうがいいかな―――があるのだ。

 フフフ

 その秘策とは…

 シラクの街で買った、飛竜ワイバーン用のトラップガあるのだ。

 今持っている種類は2種類。

 まずは原始的ながら、効果抜群の《落とし穴》

 2つ目はアイストラップ

 これは、大変珍しい氷の魔術師の魔力が組み込んである罠だ。

 この罠を踏むと、中に組み込まれている魔方陣が起動して踏んだ相手が一瞬で足と腕が凍りつく罠で、相手は、凍っている間基本攻撃も出来ず、動けなくなるのだ。

 他にも、ファイヤートラップや、アクアトラップ、ウィンドトラップ、アーストラップ、ボムトラップ

etc……がある。

 ただ、魔力や魔方陣が組み込んである罠は、効果の強さや、種類によって違うが、全体的に高い。

 こんな貴重なものを使うのだから、もっと楽しませておくれ…

 違う違う

 これで死んでくれぇぇぇl!!

 

 俺はその場にしゃがみこみ、足元の土を少し掘る。そこにトラップを動かないようにしっかりと仕掛ける。


 ピッピッピッピ


 音がなりながら一気に円筒缶の中に入っていた魔方陣が、未使用のまま展開される。

 この魔方陣を一定以上の重量があるものが踏んだ瞬間、円筒缶に蓄えられている魔力が流れ込み、この罠の場合氷の魔法が発動される。

 そして罠を飛び越し、自分と罠とホワイトワイバーンが一直線上になるように立つ。

 あとは、やつがこれを踏むのを待つのみ。

 踏んだ瞬間八つ裂きにしてやるぜぇ

 すると思いが通じたのか、やつが突進をし始めた。

 怒りで周りが(俺以外)見えていないのか、なんの疑いも持たずに一直線に俺に向かって走ってくる。


 「あと5歩…2歩、1歩。きたぁぁぁぁぁ」


 罠までの歩数を数えながら、かかった瞬間声を張り上げながら、頭めがけて精一杯力を込めた剣を振りかざす。

 やはりずいぶんと硬いが、かなりの力を込めた一撃は相手の頭に決して小さいとはいえない傷跡を残す。

 そしてもう一撃、さらに一撃、ダメ押しとばかりの今まで以上に魔力を込めまくった一撃。


 ギャァァァァァァァァァァァァ


 ドスゥン


 渾身の攻撃を無防備に受けまくったホワイトワイバーンは、苦しそうな声を上げながら、地面に横たわる。

 目には生気が見えず、今まで常に口から燻っていた炎が消え、逆立っていた鱗も落ち着き、筋肉が動かない。

 そして、足元にあった円筒缶は、パァンと音と立て、破裂して粉々に砕け散る。

 パリン

 ついでに倒れた際に、脚と腕についていた氷が砕ける。


 「よぉっしゃぁぁぁぁぁぁ!!

 倒したぞぉーーーー!!」


 俺はうれしさのあまり、大声をあげてしまう。

 この声によって、周りにいた一名に少々迷惑を掛けることになる。


 「あぅ 頭いったぁ。お腹もいったぁ~。なに大声あげてんの…よ?」

 「なぁに言ってんだ。倒したんだぜ。やつを、ホワイトワイバーンを」

 「なぁ!?そんな一人でか…?」

 「はぁ?当たり前だろ。ここには、俺達以外人は一人としていねーよ。まわり見たらわかんだろ?」


 クリスは、きょろきょろ周りを見渡して、分かっていたのだろうが、一人もいないことを確認してこちらを見る。


 「本当に、本当に貴方が一人で倒したのか?」

 「だから、一人だって言ってるだろうが」

 「いや、なかなか信じれなくてなくてな。すまん」

 「いや、別に全然構わないんだがな」


 そんなことを話しながら、素材を剥ぎ取るべく近づく。


 ザクザクザクザク


 「よいっしょ」


 鱗や皮、頭に生えていた、小さいながら立派な角、体の形を作っていた骨、翼、尻尾等を順々に剥ぎ取っていく。

 もう一頭のほうも同じように剥ぎ取っていく。

 依頼達成の証明になる角はしっかりと剥いでおく。

 流石に2頭分となると、剥ぎ取った素材はかなりの量になった。

 比較的軽い素材のため、それなりの量になっても軽いは軽いが、数が多いため手で持って帰れない。

 しかも、一つ一つ大きいため、アイテムポーチに入りきらない。というより、アイテムポーチに大きさ的に、物理的に入らない。

 そのため、クリスに譲ろうと思うが、彼女が頑として受け取らないので困っている。

 理由はこうらしい


 「私は、こいつを倒すのに何にも役に立ってなんかいない。役に立つどころか、逆に足手まといになっていたのだ。厚意はありがたいけど、これは受け取れない。私にも、冒険者としてのプライドがあるから

な」


 だそうだ。

 俺なら、プライドとかかぐなり捨てて貰っちまいそうだけどな。

 まぁ、いいや。無理やり詰めて帰るか。


 「あぁ、そうそう今聞くのもなんだけど、レックス、貴方って、何所でこの依頼を受けてきたのだ?」

 「ん?あぁ、シラクの街だが」

 「私と同じね。帰る方向が同じみたいだから、あの、その、一緒に帰らないか?」

 「旅は道ずれ世は情けて言うしな。別にいいぜ」

 「そ、そう?よかった~」

 「それじゃぁ、さっさと帰ろうぜ」


 クリスの態度が少し変わったような気もするが、気のせいだと信じて、さっさと帰ろうかと思う。

 体中が、泥や土やらホワイトワイバーンの返り血やったりでかなり体が汚れている。

 これは、紳士としてあるまじき行為。お前紳士じゃないだろう?という反論は却下しておく。

 今すぐ、即刻からだの汚れを落としたいところだが、あいにく近くにある川は、流れが速くてとてもじゃないが中に入って洗うようなことは出来ない。

 てなわけで、ちゃッちゃと街に帰って、お風呂に入りたい。

 あぁ、愛しの風呂よぉ。

 でも、帰ったら面倒ごとになりそうな気がする。

 勘でしかないけど。



 

最後までお読みいただきありがとう御座います。


やっとワイバーン討伐のところが終わりましたよ。次に進めそうです。

長かった気がするのは自分だけでしょうかねぇ?

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