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転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた  作者: 季未


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58話

光が収束し、1階の威圧の広間に全貌が現れる。 そこには圧巻の光景が広がっていた。


「ブモォォォ……」

「(カシャカシャカシャ……)」

「ギシャァッ!」


40体もの[N]ランク魔物たち。

個々の力は[R]ランクに及ばないとはいえ、これだけの数が揃えば軍隊としての厚みがまるで違う。

広かったはずの1階フロアが、彼らの熱気と殺気で埋め尽くされている。


「グルァ!!(総員、整列せよ!!)」


[R]ヒーロー・ゴブリン・ジェネラルの一喝が響く。

生まれたばかりで混乱していた魔物たちが圧倒的な統率力に打たれ、即座に種族ごとに整列した。


俺は壮観な隊列を見下ろし──思わず感嘆の声を上げた。


(おぉ……! さすがに40連も回すと壮観だな! しかも……以前引いたメンツだけじゃない。見たことのない新顔も混じってるぞ!)


俺は興奮気味に今回のガチャ結果(内訳)を脳裏に表示させた。




♢   ♢   ♢


【Nガチャ 40連 結果一覧】


■ 既存戦力(増員)


[N] ミノタウロス × 5体 (パワーファイター。乱戦での突破力が増した)

[N] ゴーレム × 4体 (動く壁。バウォークの脇を固めるのに最適)

[N] デュラハン × 3体 (遊撃アタッカー。首無し騎士団が作れそうだ)

[N] リザードマン × 6体 (水陸両用。6階の『地底湖』防衛に回せる)

[N] ハーピー × 4体 (空戦部隊。ヴァンパイアバットの護衛や攪乱に)

[N] スケルトン・ソルジャー × 8体 (不眠不休の兵士。数の暴力こそアンデッドの真骨頂だ)


■ 新規獲得戦力(New!)


[N] ガーゴイル × 4体 (石像の魔物。普段は石化して待機し、敵を奇襲する空中の重戦車)

[N] スケルトン・アーチャー × 3体 (弓兵。レンジャーとは違い、純粋な遠距離火力に特化した骸骨)

[N] レイス × 3体 (悪霊。物理攻撃が効きにくく、魔法攻撃や精神攻撃を得意とする)


♢   ♢   ♢


(ガーゴイルにアーチャー、それにレイスか!)


物理一辺倒だった防衛部隊に空からの重りと、遠距離からの「矢」、そして物理無効の霊体が加わった。

俺は興奮気味に、今回のガチャで新たに加わった3種類の魔物たちに意識を集中させた。


(まずは……ガーゴイルからステータスを見て見よう!)


俺は脳裏にステータスウィンドウを呼び出す。


「ステータス表示!」




♢   ♢   ♢


名前: ガーゴイル

レアリティ: [N] ノーマルレア (召喚)

種別: 防衛・奇襲用魔物(魔法生物)

Lv: 1 HP: 150/150 | MP: 20/20

STR (筋力): 18

VIT (体力): 25

AGI (敏捷): 12

INT (知力): 8


特技


[石化擬態 (Lv.1)]: (常時発動)静止時は石像となり、防御力が大幅に上昇する。敵の感知を逃れ、奇襲の機会を待つ。

[空襲 (Lv.1)]: 上空からの落下攻撃。石の重量を活かした質量攻撃を行う。

[石の皮膚 (Lv.1)]: 斬撃や刺突に対する耐性を持つ。


進化先 [R]


オブシディアン・ガーゴイル

進化タイプ: 重装空戦

概要: 全身が黒曜石化し、魔法耐性と物理防御が極限まで高まる。魔法反射能力を持つ空飛ぶ要塞。


[R] ブラッド・ガーゴイル

進化タイプ: 吸血・石像

概要: 生き血をすすることで石化を解き、高速戦闘を行う。[吸血]能力を得て、敵のHPを奪いながら戦う。


♢   ♢   ♢




(なるほど、普段は石像として門の上に飾っておいて、敵が来たらドスンと落ちて奇襲か……。門番としては最高の人材じゃないか!)


[R]巨人の黒鉄門との相性は抜群だろう。……あれ?門にも備え付けのガーゴイルがいたような……?

まぁいい。そいつと合流させて、門の戦力を盤石にしよう。


(次は……あの弓を持ったガイコツだ)


ちょうど[N]ゴブリン・レンジャー以外の遠距離戦力が欲しかったところだ。




♢   ♢   ♢


名前: スケルトン・アーチャー

レアリティ: [N] ノーマルレア (召喚)

種別: 遠距離・支援用魔物アンデッド


Lv: 1 HP: 80/80 | MP: 0/0

STR (筋力): 12

VIT (体力): 8

AGI (敏捷): 16

INT (知力): 6


特技


[ボーンアロー (Lv.1)]: 自身の骨を矢として生成し放つ(微ダメージ)。矢切れの心配がない。

[精密射撃 (Lv.1)]: 静止状態での射撃命中率が補正される。

[アンデッド体質 (Lv.1)]: 精神攻撃・毒・睡眠などが効かない。食事不要。


進化先


[R] スケルトン・スナイパー

進化タイプ: 超長距離狙撃

概要: 視界外からの狙撃が可能になる。[貫通矢]や[必中]スキルを習得し、後方支援の要となる。


[R] スケルトン・バリスタ

進化タイプ: 重砲撃

概要: 身の丈ほどある巨大なバリスタを操る。移動力は皆無だが、攻城兵器並みの火力を叩き出す。


♢   ♢   ♢




(矢切れの心配がないのはデカいな。それに[R]への進化先もロマンがある……!)


弾薬補給の手間がいらないのは長期戦になりがちなダンジョン防衛において大きなアドバンテージだ。


(そして最後は……あいつだ)


俺の視線は物理的な実体を持たず、ゆらりと空中に漂う不気味な影に向けられた。




♢   ♢   ♢


名前: レイス

レアリティ: [N] ノーマルレア (召喚)

種別: 魔法・妨害用魔物(アンデッド・霊体)


Lv: 1 HP: 60/60 | MP: 80/80

STR (筋力): 0 (物理攻撃不可)

VIT (体力): 0 (物理無効)

AGI (敏捷): 10

INT (知力): 20


特技


[物理無効 (Lv.1)]: (常時発動)物理攻撃を透過する。ただし魔法や属性攻撃には弱い。

[ライフドレイン (Lv.1)]: 接触した相手のHPを徐々に吸収する。

[恐怖の叫び (Lv.1)]: MPを消費し、周囲の敵を[恐怖]状態にする。


進化先


[R] スペクター

進化タイプ: 魔法特化

概要: 強力な冷気魔法や即死魔法を操る高位の悪霊。[壁抜け]が可能になり、神出鬼没の魔法砲台となる。


[R] ポルターガイスト

進化タイプ: 物理干渉

概要: 念動力で周囲の物体(武器や家具)を操り攻撃する。物理攻撃を持たない弱点を克服し、トリッキーな戦術を得意とする。


♢   ♢   ♢




(物理無効! これは……対・脳筋冒険者の切り札になるぞ!)


剣や斧しか持っていないような戦士タイプならレイス一体で完封できるかもしれない。

魔法使いがいないパーティにとっては悪夢だろう。


(よし……戦力は揃った!)


俺は40体の[N]ランク魔物と、進化した[R]ブラッド・ストーカーを見渡す。

これだけの数がいれば本来なら探索部隊を増員して森の支配領域を広げたり、資源回収部隊の護衛を厚くしたりと長期的な運営を見据えた配置にしたいところだ。


だが──今は状況が違う。


(ベルの報告によれば、敵がいつ来るか分からない。悠長に探索に出している場合じゃない)


今優先すべきは一点のみ。 この塔を侵入者を飲み込む迷宮に変えることだ。


俺は総司令官である[R]ヒーロー・ゴブリン・ジェネラルと防衛部隊長の[R]スケルトン・バウォークに意識を飛ばした。


(ジェネラル! バウォーク!新戦力の配置を行う!)


「グルァ!」

「カッ……」


二人が即座に反応する。


(今回は総力戦だ。探索や狩りは一時中止! 全戦力を塔の防衛に割り振る!)


俺は脳内のダンジョンマップを展開し、矢継ぎ早に指示を飛ばした。


(まず[N]ガーゴイル! お前たちは1階だ! [R]巨人の黒鉄門の上部に擬態して張り付け! バウォークと共に門をくぐろうとする愚か者を空から急襲しろ!)


「カカッ!」

「ギィ……!」


バウォークが重厚な盾を鳴らして了承する。門番に空からの援護が加われば突破はさらに困難になるはずだ。


(次に、[N]リザードマンの6体! お前たちは6階『地底湖』だ! 水中に潜み、足場の悪い橋を渡る冒険者を水中に引きずり込め!)


([N]スケルトン・アーチャーと[N]レイス! お前たちは2階より先の消耗エリアに散らばれ!物理が効かないレイスと矢切れのないアーチャーで上層に来るまでに敵の精神と体力を徹底的に削り取れ!)


(残りの[N]ミノタウロス、[N]ゴーレム、[N]デュラハンたち! お前たちは各階層の要所に配置だ!)


「「「オオオォォォッ!!」」」


俺の命令を受けた魔物たちが雄叫びと共に各階層へと散っていく。

静まり返っていた塔の内部が、濃密な殺気で満たされていくのが分かる。


(よし……これで準備は整った)


1階から15階まで息つく暇もないほどの魔物の配置。

探索用も狩猟用もない。今のこの塔は純度100%の迎撃要塞だ。


(本当は塔の中に一歩も踏み込ませないのが理想だ……)


俺は難攻不落となったはずの自分の身体──16階層の巨塔を俯瞰しながら考える。

[R]巨人の黒鉄門も先の長いダンジョンも、あくまで入られた後の話だ。 リナがいるこの場所を戦場にしないに越したことはない。


(だけど慢心は死を招く。保険は絶対に必要だ)


俺は思考を切り替え、森へ向かう二大エースに念を送った。


(ジェネラル! ウルフ!まずはお前たちが森で遊撃を行い敵の数を減らせ! 奇襲、罠、なんでもいい。奴らを消耗させるんだ)


「グルァ!!(承知!)」

「ガウッ!!(肉を食いちぎってくれる!)」


頼もしい咆哮が返ってくる。


(だが、無理はするな。対処しきれない数だったり、危険だと判断したら即座に塔へ撤退しろ! 内部に引き込んで、全員で迎撃する!)


二体の英雄が率いる遊撃部隊が森の闇へと溶け込んでいく。 彼らが時間を稼ぎ、削り、そして最後は塔の防衛網で磨り潰す。……これが俺の描いた防衛プランだ。

俺は意識を1階の威圧の広間へと戻した。 そこでは慌ただしい空気の中、白いローブを纏った少女が走り回っていた。


「じっとしててね……『ヒール』!」


リナだ。

彼女は[UC]乙女の聖杖を掲げ先ほど戦闘で傷ついた魔物たちを癒やして回っていた。


「ブモォ……」

「キィ……」


魔物たちがリナの治癒魔法を受けて傷を塞いでいく。

今回の戦闘はこちらの圧勝に見えた。事実、死者は出ていない。

だが──それでも無傷ではなかった。


(楽勝に見えても、傷つく者はいるんだ……)


傷つく者はもっと増えるだろう。 最悪の場合、戻ってこない者も──。


リナが汗を拭いながら魔物たちを撫でている。 真剣な横顔を見て俺は改めて強く心に誓った。


(みんなを……守らなきゃ)


リナも魔物たちも。 俺を信じて付いてきてくれたこいつらを、一人たりとも死なせはしない……。

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