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転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた  作者: 季未


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33話

(任務完了だ!よくやった!)


俺は[視点共有]を解除し、森の奥へと撤収していくウルフ部隊と探索部隊に念を送る。


(みんな!引き続き、森の警戒と狩猟を続行してくれ!)


魔物たちは場を散り、それぞれの持ち場へと戻っていく。

俺の意識は6階のコアの部屋に戻り少し重い思考に沈んだ。


(しかし……あんなに人間がいたのか……)


捜索に来た大人たちの数を見るに、この森のすぐ近くにそれなりの規模の村があるのは間違いない。


(意外と人間との生活圏は近いのかもしれないな)


これまでは森の深奥でひっそりと暮らしているつもりだった。

だが……子供たちが歩いてこれる程度の距離に、俺の拠点はあるらしい。


(でも……それが喜ばしい事かはわからない。基本的に俺たちは魔物側だ)


冒険者が襲ってきたように、人間にとって俺たちは討伐対象でしかない。

今回、子供を助けたとはいえ、あんな異形の軍勢を見せつけてしまったのだ。 恐怖した村人が討伐依頼を出し、大規模な騎士団や冒険者が攻めてくる可能性だってある。


(本当なら関わらないようにしたかったが……子供を助けてしまった)


リスクを考えれば見捨てるのが正解だったのかもしれない。 姿を見せずに追い払うべきだったのかもしれない。


(だけど、子供を見捨てるなんてことは俺にはできない)


俺は5階で眠っているリナの寝顔を思い浮かべる。

あの時奴隷商人に追われていた彼女を見捨てられなかったのと同じだ。


(俺は困っている弱者を見捨てることは……どうしてもできない性分らしい)


人助けも悪くないが俺の本分はダンジョン運営だ。気持ちを切り替えよう。

俺は意識をダンジョンの中枢機能へと戻した。 スライムやコボルトが資源を集めてくれているおかげで表示されているDPの数字が心地よく上昇している。


(DPも5000を超えたようだ。戦力が整ってきた今こそ、質の向上を図るべきじゃないか?)


俺は心の中で頷く。

数は力だが、個の強さもまた重要だ。特に幹部クラスの魔物たちにはそれ相応の装備が必要だろう。




♢   ♢   ♢


【生成リスト:召喚ガチャ


一般魔物ガチャ([C]コモン) …… 5 DP

下級魔物ガチャ([UC]アンコモン) …… 50 DP

中級魔物ガチャ([N]ノーマル) …… 500 DP

コモン装備ガチャ …… 30 DP

アンコモン装備ガチャ……300 DP


♢   ♢   ♢




「よし……アンコモン装備ガチャ……300 DP を五回まわそう!」


俺は奮発して、合計1500DPを投入した。

淡い光が虚空に走り、5つのアイテムが具現化されていく。


(おぉ……これは!?)


光が収まるとそこには明らかに[C]コモンランクの「錆びた剣」や「ただの布の服」とは違う、魔力を帯びた装備品が並んでいた。


【獲得アイテム一覧】


[UC] 乙女の聖杖

(白木で作られた美しい杖。先端に淡い光を放つ宝石が埋め込まれている。治癒魔法の効果を増幅させる波動を感じる)


[UC] 白百合の聖法衣

(純白の生地に、銀糸で百合の刺繍が施されたローブ。物理防御は低いが、魔法耐性が高く、着用者を清浄に保つ)


[UC] 指揮官の魔鋼剣

(青みを帯びた鋼で打たれたブロードソード。切れ味も鋭いが、掲げることで配下の士気を高める効果がある)


[UC] 疾風の首輪

(風の魔力が封じられた銀の首輪。着用者の敏捷性を底上げし、風を纏って走ることができる)


[UC] 黒鉄の塔盾

(分厚い黒鉄で作られた巨大な盾。重量があるが、物理衝撃に対する防御力は極めて高い)




まさに狙い通り……!?いやそれ以上のラインナップだ。


まずはリナ用の装備だ。

『乙女の聖杖』と『白百合の聖法衣』。

これを身に着けたリナを想像する……うん、完全に「清楚なヒーラー」だ。彼女に魔法の適性があるかはまだ分からないが、このローブを着ているだけでも怪我や病気から身を守ってくれそうだ。


次に魔物たちへの配給だ。


『指揮官の魔鋼剣』は間違いなく[N]ヒーロー・ゴブリン・コマンダー用だ。

今の剣よりも遥かに業物だし、「指揮官」という銘が彼に相応しい。


『疾風の首輪』は[R]ヒーロー・エンシェント・ダイアウルフへ。

武器を持てない獣型にとって身体能力を強化するアクセサリーは最適解だ。ただでさえ速い彼がこれを着ければ、目にも止まらぬ速さになるだろう。


そして『黒鉄の塔盾』。これは迷うことなく[N]スケルトン・ガーディアンだ。

防衛部隊長として最前線に立つ彼に鉄壁の盾を持たせれば拠点の入り口は要塞と化す。


(よし、早速装備させてみるか。みんなをこの階層に呼ぼう!)


俺は満足げに具現化した装備を見渡した。 これで我が軍団の幹部たちは見た目も実力も一回り強化されたことになる。




♢   ♢   ♢


[現在の拠点状況]

拠点名: (未設定・円形の塔)

階層: 6階建て

DP: 3600

訪問者: 1リナ

召喚中

探索部隊長: [N]ヒーロー・ゴブリン・コマンダー (Lv.18) [装備: 指揮官の魔鋼剣 New!]

防衛部隊長: [N]スケルトン・ガーディアン (Lv.13) [装備: 黒鉄の塔盾 New!]

狩猟部隊長: [R]ヒーロー・エンシェント・ダイアウルフ (Lv.15) [装備: 疾風の首輪 New!]

偵察部隊長: [N]ヴァンパイアバット (Lv.8)

(他、[N][UC][C]ランク多数)

侵入者: なし

その他: アンコモン装備ガチャ×5を実行。リナ用装備(杖・法衣)を獲得、保管中。


♢   ♢   ♢




(善は急げだ!早速、装備を支給してやろう)


リナはベッドの上で窓の外をぼんやりと眺めていた。彼女は俺の気配を感じて、パッと顔を輝かせる。


(リナ、君にプレゼントだ)


『乙女の聖杖』と『白百合の聖法衣』を見たリナは驚愕に目を見開いた。


「えっ!? こ、これって……!?」


リナが驚いて飛び上がる。

それが神聖な気配をまとった美しい品々だと気づくと、恐る恐る手を伸ばした。


「これ……綺麗な杖……それに服? もしかして、神様がくれたんですか?」


(そうだ。着てみてくれ)


俺の意思が伝わったのかリナは少しはにかみながら純白のローブを羽織り、杖を手に取った。


「ど、どうですか……? 似合いますか?」


くるりと回るリナ。 亜麻色の髪がふわりと揺れ白百合の刺繍が施されたローブが清楚な彼女の雰囲気をより一層引き立てている。

もともとの村娘のような服装も可愛らしかったが、今の姿は……なんというか、どこぞの教会の聖女様か、物語のヒロインそのものだ。


(似合っているな。どこかの聖女様みたいだ。それに、その服には守りの力が宿っている……かも?肌身離さず着ていてくれ)


俺がそう念じるとリナは嬉しそうに杖を胸に抱いた。


「ありがとうございます…… 大切にします!」


次は頼れる幹部たちだ。

俺は意識を切り替え、三体の指揮官を呼び出した。


[N]ヒーロー・ゴブリン・コマンダー、[N]スケルトン・ガーディアン、そして[R]ヒーロー・エンシェント・ダイアウルフ。

彼らは整列している。


まずはコマンダーだ。 俺は『指揮官の魔鋼剣』を彼に与える。


「グルァ……!(こ、これは……!)」


コマンダーが震える手で青白い光を放つ鋼の剣を受け取る。 今まで使っていた粗末な鉄の剣とはわけが違う。

彼が試しに空を斬ると、ヒュン! と鋭い風切り音が響いた。コマンダーは感極まった様子でその場に片膝をつき、剣を掲げて忠誠を示した。


(その剣には部下の士気を高める力がある。お前にはぴったりだ)


次に、スケルトン・ガーディアン。 彼には『黒鉄の塔盾』だ。


「カカッ……」


骨だけの顎を鳴らしガーディアンが巨大な盾を受け取る。 人間なら持ち上げるだけで苦労しそうな分厚い鉄塊だが彼には関係ないようだ。

ズシンと盾を床に置くと移動要塞のような威圧感が生まれた。 これで彼を突破できる者はそうそういなくなるだろう。


(頼もしいな。まさに鉄壁だ!)


最後にダイアウルフ。 彼には『疾風の首輪』を与える。


「オンッ!(感謝する、主よ)」


銀色の首に風の魔力が封じられた首輪がカチリと嵌まる。 すると彼の足元にふわりと風が舞った。

ダイアウルフが軽くステップを踏むと巨体が残像を残すほどの速度で移動した。 ただでさえ速い[R]ランクの敏捷性がさらに底上げされたようだ。


(よし……これで全員、大幅なパワーアップだ)


俺は満足感に浸る。

装備一つでここまで雰囲気が変わるとは。 DPを使った甲斐があったというものだ。


(装備も整った。幹部たちの戦力はこれで一安心だ)


俺は満足げに[N]ヒーロー・ゴブリン・コマンダーたちの勇姿を眺めた後、意識を運営の方へと切り替える。

DPがなければガチャも回せないし、塔の拡張もできないからな。


(次はDP効率をもっとあげたいところだ。塔に資源を運んでくれているスライムやコボルトたち……彼らこそが俺の生命線だ。そろそろ進化させてやるべきかもしれない)


俺は脳裏の【魔物管理メニュー】を開き、資源収集部隊のリストをスクロールする。


(お? なんだこれ)


驚いたことに戦闘など一度もさせていないはずの[C]スライムや[UC]コボルトたちの中に、Lv.5に達している個体が何匹もいた。


(いつの間にレベルが上がってるんだ? ……そうか、毎日せっせと資源を運んだり掘ったりしている作業そのものが彼らにとっての「経験値」になっているのか)


働き者たちめ。これは報いてやらねばなるまい。

それに戦闘用魔物の進化に比べて資源用魔物の進化コストはずいぶんと安いようだ。これなら大量進化も負担にならない。


(よし……。彼らの進化先は……)


俺はリストを確認する。




♢   ♢   ♢


【スライムの進化先】


[クリーナー・スライム]

特化: 清掃・廃棄物処理

概要: [溶解]が強化され、清掃に特化。


(トイレ設置時に自動召喚されたやつだな。衛生的だが、DP稼ぎには直結しないか……)


[アルケミー・スライム]


特化: 資源変換

概要: [溶解]したものを、低級な資源に変換可能。


(これだ! ゴミを資源に変える錬金術! DP効率が跳ね上がりそうだ)


♢   ♢   ♢


【コボルトの進化先】


[コボルト・マイナー]

特化: 採掘能力強化

概要: [採掘]能力が向上し、鉱石を発見しやすくなる。


(今の主力収入源である「鉱石」の効率アップ。これは必須だ)


[コボルト・トラッパー]


特化: 罠設置強化

概要: より高度な罠を作れるようになる。


(防衛力も捨てがたいが……今は稼ぎだ。防衛はガーディアンたちに任せよう)


♢   ♢   ♢




(よし、方針は決まった)


俺はDP残高を確認する。十分に余裕がある。ちまちまやっていても仕方がない、ここは先行投資だ。


(稼ぎ頭たちを強化する! スライムとコボルト、それぞれレベルが足りている上位の10匹ずつ……一気に進化だ!)


俺は対象を選択し、実行を念じた。


「進化実行!」


1階の広間とコボルトたちが作業している採掘場あたりから、まばゆい光が連続して溢れ出した。


「ぷるるるんッ!?」

「キャンキャンッ!!?」


光の中で彼らの姿が変わっていく。

ただの緑色だったスライムたちは怪しく光る紫や銀色が混じった神秘的な色合いへ。 茶色い毛並みだったコボルトたちは筋肉質になり、頭にはどこから調達したのかヘルメットのような装備、手には頑丈そうなツルハシが握られている。


光が収まるとそこには頼もしい「専門家」たちが整列していた。


[UC] アルケミー・スライム × 10匹

[N] コボルト・マイナー × 10匹


(壮観だな……! これで生産体制は盤石だ)


この中から特に優秀そうな個体を選び、「資源採集部隊長」に任命してみるか……!

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