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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

竜の女王の王配令嬢

嘘じゃない、愛しているのは本当なんだ。

作者: れとると

冤罪で令嬢を陥れる男性視点、しっとりざまぁ短編です。

「竜の女王の王配令嬢」シリーズ第三弾にあたります。


※百合表現があるので、GLタグが付いてます。

※転生者が存在するので、これも同様にタグがついています。

※なるべく主人公視点で事情は説明しておりますが、シリーズでお読みいただいた方がお楽しみいただけるかと思います。


#ざまぁ表現がお苦手な方は、ご注意くださいませ。


 やはり私は神に愛されている、とクロアは満足そうに顎を指で撫でた。


 リーブス侯爵家に生まれたクロアは、恵まれていた。

 父は宰相であり、母も別の侯爵家の出。望めばなんでも手に入り、その将来も王子の側近として約束されていた。美しい令嬢たちは、彼が声をかければ頬を赤く染め、目を潤ませた。誰が彼の茶会に呼ばれるかで、争いすらあったと聞く。自分のすることは何でも上手くいき、賞賛され、認められた。彼は、他人と違って自分こそが正しい存在なのだと、そう理解していた。

 そして己の順風満帆な人生を「神に愛されている」と評していた。


 そんなクロアは、黄金に魅入られた。


 彼は幼い頃、運命の出会いを果たした。その相手はナスタ公爵家の令息、クォーツ。彼とは同い年で、出会ってからずっと親友同士である。クォーツは、クロアが最初に出会った〝竜の目〟の持ち主であった。

 ドラグライト王国は、始祖・竜の女王の加護によって、魔物の侵攻から守られている。始祖の血を引く王族には、黄金の〝竜の目〟が出る。黄金の瞳の持ち主は総じて能力が高く、王座に就くことが多かった。〝竜の目〟は人を魅了するとも言われ、その所有者を巡って争いが起こったことも数知れない。

 クロアもまた、その眩い黄金の虜になったうちの一人である。



「――――進捗はこんなところ。何かあるかい?」


(やはり、クォーツは素晴らしい。

 この私に相応しき黄金です)



 クォーツの説明を聞きながら、クロアは黄金の瞳を見てほくそ笑む。首を静かに振って、彼の完璧な〝計画〟を胸の内で賞賛した。

 使用人も下げた、第一王子の私室。計画決行前の最後の詰めに、クロアは参加していた。テーブルを囲んでいるのはクロアに加え、先の親友クォーツ。それから、クロアが側近として仕えている第一王子のブラッドだ。


 クォーツのおかげで、計画は完璧で、順調であった。


 彼らの〝計画〟。それは王位の簒奪だ。発端は、貴族学園に入学してきた〝竜の目〟を持つ男爵令嬢を、クロアが見つけたことにある。クォーツに相談したところ「その令嬢を使って、ブラッドに王位を獲らせよう」と言われた。

 第一王子ブラッドは、瞳が黄金ではない。それゆえか、立太子されていなかった。だがその父であるドラグライト国王も〝竜の目〟を持っていない。ブラッドの正室に黄金の瞳の持ち主を迎えられれば、現政権より正当性が勝る。これを盾に、武力で王位を獲ってしまおう、とクォーツは述べた。



(玉座を獲る……胸躍りますね。

 黄金(アネモネ)がブラッドのものになってしまうのは癪ですが、仕方がない。

 こいつが王位を得れば、私はさらに多くのものが手に入る)



 クロアはこのように考え、クォーツの企みに賛同した。

 男爵令嬢アネモネをブラッド王子の正室に迎えるにあたっては、正規の婚約者である公爵令嬢メディリアの存在が邪魔であった。クロアは一計を案じ、公爵令嬢メディリアが、男爵令嬢アネモネをいじめているという「証拠」を作った。証人も用意し、夜会で糾弾する舞台も整えた。人前で電撃的にメディリアを責め、婚約破棄をちらつかせ、側室に甘んじることを約束させる腹積もりだ。

 クォーツの手伝いもあり、根回しとその後の手配も終わっている。〝竜の目〟を持つアネモネの存在は伏せ、メディリアを側室にできれば第一段階は終了。あとはクォーツのナスタ公爵家にアネモネを養女として迎えさせれば、ブラッドの正室にできる。アネモネ本人と、ブラッドの感触も悪くない。

 すべてが、順調であった。



(この計画がうまくいけば、父から宰相の座を奪い、セラフィナ王女を娶ることさえできるかもしれない。今は留学している、ヴァティラ嬢だって……)



 クロアは黄金の瞳に、魅入られていた。そのすべてを欲していた。親友の公爵令息クォーツ。その妹のヴァティラ。セラフィナ第一王女と、バロック第二王子。そして男爵令嬢アネモネ。今、竜の目を持っているのはこの5人だけである。クロアは自分こそが、彼らに囲まれるにふさわしいと思っていた。



(セラフィナ王女には、婚約者はいない。相手がいるとは聞いていますが、国外らしい。であればブラッドが王位についたら、私の妻として彼女を降嫁させましょう。アルティラは妾にでもして。あの女は実家が王家に借りを作っていて、逆らうことなどできませんし)



 クロアの頭の中で、バラ色の妄想が進む。彼は辺境伯令嬢アルティラと婚約していた。よく彼を立て、能もある女だ。だがクロアは、彼女を見下していた。

 なぜなら。



(その上ですべての計画を暴露。ブラッドに罪を着せて、バロック王子に王位を譲らせる。黄金でない者たちなど――――私の周りには、必要ない)



 彼は〝竜の目〟に魅入られていた。それ以外は、すべて下に見ていた。仕えるべきブラッド王子も、婚約者のアルティラも。父も、王も。その他すべても。



「今更ながら、大それた計画だな。最後は兵をもって、父に譲位を迫るとは」



 それまで黙っていたブラッド王子が、そう言ってクォーツをじっと見ている。最も見下しているブラッドにケチを付けられ、クロアは顔を引きつらせた。



「言っちゃなんだけどブラッド、こんな杜撰なのは早々にバレる。だから王位まで獲って、誰も逆らえないようにするんだ。

 そうすれば、君の大事なものだってみんな守れる」



 最も尊敬してるクォーツの言葉に、彼は深く頷いた。ここまで完璧な計画なのに「杜撰」と言い、さらに油断せず詰める心づもりに感服していた。



「そう、か。メディリアは……傷つかないだろうか」


「あの鉄面皮が、傷つくですって?」



 苛立ちが勝って、クロアはつい声を荒げた。ブラッドの婚約者、シルク公爵令嬢メディリア。いつも澄ました顔の、赤い瞳の女。少々能があるらしいが、クロアにとっては価値のない人間である。



「あれは、妃教育でそう躾けられただけだ。

 俺と変わらない。親に逆らえない、俺とな」



 言い訳のように述べる王子を、クロアは冷たい瞳で見下げる。ブラッドは王に言われるまま、感情を表に出さないようにしているそうだ。クロアから見れば、ただただ不気味で愚かである。



「あなたがそんな気構えで、どうするのです。これから自分が時代を作っていくというのに。親の言いなりでは、務まりませんよ?」


「まぁまぁ。態度は冷たく、でも心は熱く。

 ギャップがあって結構なことだと思うよ、僕はね」



 クォーツになだめられ、ならまぁ仕方がないかとクロアは矛を収める。



「そろそろ行きましょう。クォーツ、裏方は頼みます」


「お任せあれ。夜会は手の者も十分入れたし、安心して挑むといいよ」


「助かります。ブラッド、段取りは完璧でしょうね?」


「もちろんだ」



 三人、席を立つ。

 何気なく、窓の外遠くの、学園の時計塔を見て。

 三人で、頷き合った。



「クロア。これからも二人一緒に、ブラッドを支えよう」



 王子に聞こえないように親友にそっと言われ、クロアは少しだけ苦く笑う。ブラッドのお守りはこりごりで、彼は王子を切り捨てる気であった。だがクォーツの言うことならば、素直に頷くことができた。



「ええ。君と二人、いつまでもそうすると、誓います」



 嘘偽りなく、本心でクロアは述べる。

 この時は本当に、そうするつもりだったのだ。




 ◆ ◆ ◆




(なぜこんなことに……!)



 計画の決行から、丸一日が過ぎた。クロアは学園の制服のまま、王城の離宮を目指していた。

 夜会には公爵令嬢メディリアが現れなかった。体調が優れず、欠席とのことだった。翌日、いつの間にかブラッドとメディリアの会合が決められていた。



(ブラッドめ! 良い様に踊らされて! この私の言う通りにしていればよかったものを! 愚図め!)



 そして迎撃された。クロアが用意したいじめの証拠は、偽物だとつかまれていた。ブラッドが不用意に口車にのったせいで、メディリアを側室に追い込む計画は破綻した。



(ですが……私にぬかりはない。アネモネをブラッドの正室にし、王位を獲る策はまだ続行可能です)



 クロアは急ぎ、準備していた代わりの策を遂行した。それは自身の婚約者・辺境伯令嬢アルティラを、ブラッドの側室に押し込める作戦であった。

 男爵令嬢アネモネは、然るべき教育を受けていない。そのままではブラッドの正室に上げることが難しい。ゆえ、ナスタ公爵家に、優秀な側室がいる前提で協力してもらうことになっている。計画が広く露見し、国王に知られる前に、側室を用意する必要があった。



(アルティラは役に立ちましたね。妃選定で敗れたところを拾っておいて、本当によかった。ちょっと嘘をついてほのめかせば、情に絆されて意見を飲んでくれる。彼女の実家は、王家には逆らえませんし……これでこちらは、問題がない)



 クロアは先ごろのアルティラとの会談が上手くいったことに、ほくそ笑んだ。彼女は、婚約の破談とブラッドの側室になることを飲んだ。しかもクロアのことを、これからも想い続けるという。

 クロアはご満悦であった。



(いずれブラッドを失脚させた後は、やはりアネモネともども妾に加えてあげましょう。

 まずは、妻を娶らなくては)



 クロアが妻にと望んでいるのは、第一王女のセラフィナである。黄金の瞳の、持ち主であった。

 婚約者を差し出すにあたり、クロアは王子に、姉のセラフィナを捧げろと迫った。もちろん、現時点では王女の降嫁を決める権利など、ブラッド王子にはない。だが彼はしぶしぶながらも、王になったあかつきにはセラフィナ王女をクロアに嫁入りさせると約束した。彼からの連絡によると、セラフィナはこれを承諾したという。



(問題ない。やはり私は、神に愛されている)



 クロアは、これからも順調にことが進むのを確信した。早速セラフィナに面会を申し入れ、彼は意気揚々と指定の場所へと向かっているところだった。



「セラフィナ王女。ご機嫌麗しゅう」



 メイドに案内されて入った部屋で、クロアは丁寧に頭を下げた。



「楽にして頂戴、クロア」



 座ったまま出迎えた王女の黄金の瞳を見て、満面の笑みを浮かべる。近づいても、彼女は手を差しだすこともなかったが。



(奥ゆかしい方ですね。

 もう私のものになるのは、決まったというのに)



 王女の手をとって口づけでもしようと構えていたクロアは、納得したように頷きながら席についた。



「今日は何のご用かしら。クロア」


「つれないですね、セラフィナ様。もう少し、親睦を深めたいと思いまして。そう……どのような式を挙げたいか、という話などいかがでしょう」



 黄金の瞳をうっとりと眺めながら、クロアは二人の未来を話し合おうと提案する。



「事情は聞いたわ。アルティとの婚約を破棄したと。その上で、()()()()()()()()()。そうも聞いたわよ?」


(あ、の女! 余計なことを吹き込みましたね!?)



 だが直球に、そう告げられた。

 クロアはたじろぎ、しかし即座に笑みを浮かべる。



「確かに私は、アルティラを待つ所存です。しかしブラッドを支えるためにも、立ち止まるわけにはいかない。未婚の宰相では、貴族たちは誰も言うことを聞きません。

 アルティラもきっと、わかってくれます」



 穏やかに言葉を並べ、にこやかに黄金の瞳を見つめた。冷たいその視線に、背筋をぞくぞくとさせながら。



「そう。でもあなたはそれで良いの? 愛してもいない私を、妻に迎えるなんて」



 王女の返答は、辛辣なものだった。自分の愛を疑われるなどと思っておらず、クロアは狼狽する。



「な、にを、仰います。私はあなたを、お慕いして……」


「アルティラを待っているのに?」


「その通りです。ですが、愛なくあなたを迎えるなど……! そんな、美しき黄金に泥を塗るような真似は、できません……!」



 首を振り、クロアは切々と訴える。対するセラフィナは、隠さず苦笑いを浮かべている。クロアはその瞳しか、目に入っていなかったが。



「あなたが愛でているのは、この瞳。私じゃないわ」


「違います、嘘じゃない! 愛しているのは本当です!」



 席を立ち、クロアは訴える。腕を広げ、涙さえ浮かべて訴える。だが黄金の瞳は、ついっと逸らされた。



「それは結構なことね。それで? あなたを愛さない私を迎えて、どうするの?」


「っ。必ず振り向かせてみせますとも」


「力づくで?」


「そのような真似は致しません! あなたを傷付けたりは、しない!」


「ああ、()()()()()()()()



 脚を組み、頬杖をついてセラフィナが見つめてくる。



「どういう、意味で、しょう」


「〝竜の目〟には少しだけど、特別な力が宿るのよ。私に嘘は、通用しない」



 クロアは。

 言葉が出なくなった。



「令嬢たちの間で噂の貴公子が、どうやって私を口説き落とすのか気になるところだけど。だんまりかしら?」



 セラフィナが笑みを深める。

 クロアは、何も答えられない。



「やはり噂通り、朴訥なのね。心のこもってないセリフ、意味のわからない手紙、欲しくもない大量の贈り物があなたの武器だそうだし? 嘘が吐けないと、もう何もしゃべれなくなってしまうのね。そんなので私の夫になって、大丈夫かしらね?」


「だ、大丈夫、です、とも」


「そう? あなたが贈り物を送りつけてるご令嬢、3桁は下らないそうだけど。浮気性で浪費家。心配ね」


「私は! 必ずあなたを幸せにしてみせます!」



 頭が真っ白になりながらも、クロアは腹の底から言葉を絞り出す。王女は少し、驚いたような表情を浮かべたが。



「お兄様。それ以上、心にもないこと言うの。やめてあげて」



 二の句を継ごうとしたところへ、別の女の声が掛かった。



「スピリア!? なぜここに……」



 現れた令嬢はクロアの1つ下の妹、スピリアであった。彼女はセラフィナ王女のすぐ隣の席に、ずうずうしくも座る。クロアは顔をしかめた。

 彼は妹を、ブラッド王子と同じくらい下に見ていた。妃教育に1日で音を上げ、戻ってきた女。何の取り柄もなく、いつも誰かと遊んでいる。公爵令嬢メディリアのところに入り浸っている時間が多く、何かを学んでいる様子もない。

 父はなぜか無能な妹を許していたが、母はよく叱りつけていた。クロアは母と同意見で、妹を愚鈍な女だと思っている。優秀さはすべて自分に注がれ、搾りかすがスピリアなのだと、そう考えていた。



「驚かないでよ。密会してるわけでもないのに。

 私は、セラフィナ様に呼ばれたの」


「あ……話を聞きたいのよ。別の部屋でになるけど」



 彼女たちの会話を聞き、クロアは口ごたえしたスピリアを睨みつける。すると、なぜか真っ直ぐに見返された。黒い瞳に見られ、無性に苛立ちが募る。



「…………なんだ、スピリア」


「お兄様。本当に自分が、セラフィナ様のお相手になっていいの?」


「何が言いたい……!」


「だっていつもいつも、〝竜の目〟の持ち主同士が結ばれるべきだって、言ってるじゃない。ヴァティラとバロック王子とか。セラフィナ様とクォーツ様とか」



 妹の言い出したことに、クロアは頷きそうになって踏みとどまった。彼としては確かにそうなのだが、おいそれと同意できる状況にはない。

 ナスタ公爵令嬢のヴァティラは、兄のクォーツが溺愛しており、いまだに婚約者もいない。彼は妹を嫁に出す気がないと言っていた。そのクォーツは、目の前のスピリアと婚約している。セラフィナとは気が合わないとも言っていた。



「お兄様、セラフィナ様とヴァティラは好き合ってるのよ。

 身を引かない?」


「ちょっとスピリア!?」



 妹の突然の発言に、クロアは口をぽかんと開けた。セラフィナ王女も驚いているが、スピリアは彼女を手で制してクロアのことをじっと見てくる。

 ヴァティラもまた〝竜の目〟を持ち、クロアは愛らしい彼女にもまた恋い焦がれていた。そのヴァティラと、セラフィナ王女が恋仲であるという。



(確かに、国の外にいると噂だった、名前を出せないセラフィナ王女の想い人。もしそれがヴァティラなら……彼女は、クォーツの勧めで、留学中、ですし。

 二人は女性、同士。話は、合う)



 クロアは声が震えそうになり、一度生唾を飲み込む。



「本当、なの、ですか?」



 セラフィナが顔を逸らせたのを見て。

 彼はがっくりと膝を着いた。



「なんと、尊い……!

 黄金のお方が、想い合っているとは!」



 感極まり、クロアは顔を上げる。その目からは、涙が溢れていた。



「クロア……?」



 戸惑ったような黄金の瞳が、怪訝な顔とともにクロアに向けられている。明らかに引かれているが、クロアはまったく気にしていなかった。



(できない……彼女たちの恋路を、邪魔することなど、できない……!)



 晴れやかな顔をした彼は、立ち上がって深く頭を下げる。



「ご安心を。私との婚姻は、お忘れください」



 クロアはふらふらと部屋の扉に向かい、メイドも待たずに廊下に出た。彼は拳を握り締め、決意を固めた。



(守らなければ。ブラッドを早急に王にし、彼女たちを結ばせる。私のことなど、どうでもいい……そうだ)



 クロアは遠い帝国にいるはずのヴァティラに、思いを馳せる。



(離れているなんて、お辛いでしょう。セラフィナ王女の苦境を報せ、彼女を呼び戻さなくては)



 それが誰の逆鱗に触れるかなど、気づきもせずに。




 ◆ ◆ ◆




「どうして! どうしてこんなことに……!」



 半月後。王宮の廊下を歩きながら、クロアは喚き散らしていた。クロアはブラッド王子の側室を用意し、クォーツはナスタ公爵を説得。ところがそこから、不穏が始まった。

 まず、クロアの元婚約者・アルティラと連絡がつかなくなった。ブラッド王子の側室に入れるはずだった彼女は、姿をくらました。当然に、二人の婚姻話は滞り、アネモネの正室入りも進んでいない。

 しかも、計画の核たる男爵令嬢アネモネの行方がわからなくなった。学園は休学しており、どこを探しても見つからない。クロア、ブラッド、クォーツの三人に加え、人手も使って探した。

 だがアルティラもアネモネも、見つからなかった。



(計画は完璧だったはずなのに!

 もう少しで玉座に手が届いたのに!

 私の黄金が、すべて手に入ったのに!

 あの竜め……!!)



 そうして幾日も過ぎて今日。致命的な事態が訪れた。クロアやブラッドも呼び出された、謁見の間で。国の重鎮たちが、居並ぶ前で。



 竜の女王の、戴冠式が行われた。



 アネモネはただ〝竜の目〟を持っているわけではなく、王国始祖・竜の女王の転生体であり、国を魔物から守る正当な王なのだという。そんな荒唐無稽な話が認められ、国王から彼女に王権が返上された。王族は全員、貴族の一門という扱いになるとのことだった。ブラッドも、王子ではなくなる。ただ黄金の瞳を持つバロック元第二王子、セラフィナ元第一王女は〝眷属〟として召し上げられるそうだ。

 さらに。



「なぜ、なぜ私ではなく! スピリアの愚図を宰相に!」



 リーブス侯爵は、宰相の座から降ろされた。代わりにその役についたのは、なんとクロアの妹・スピリアであった。見下していた妹に上を行かれ、クロアは怒り狂った。もちろん、ブラッドが失脚したので、クロア本人は王子の側近ですらなくなった。



(文句を言ってやらねば、気が済まない!

 アネモネのあの目は、節穴にもほどがある!

 きっと偽物の黄金でしょう!)



 王宮の使用人に止められながらも、クロアは庭園に入り込む。東屋で談笑中の令嬢たちに、近づき。槍を持った兵に、遮られた。



「何をする、無礼な!?」


「あらー……。みなさん、私の兄だからって遠慮しちゃったか。

 呼んだ人以外は近づけないでって、言ったのに」



 席を立って寄ってきたのは、クロアの妹。



「スピリア! お前、私を差し置いて!」


「宰相のこと? そんなこと言われても、私だって正直困ってるのよ。友達が多いから、やってくれって言われただけ」


「なら私に譲れ! 無能なお前より、うまくやってみせる!」


「いや、お兄様はダメでしょう」


「なんだと!?」


「だって、嘘つきだし」



 クロアは、妹を小馬鹿にしたような笑みを浮かべた。もの知らぬ無能に、諭すように優しく言って聞かせる。



「何を言っているのです。父は嘘を上手に使い、立派に宰相を務めていました。我が国の宰相は、政治家の向きが強い。嘘は必須技能ですよ」


「逆。お父様は()()()嘘をついていただけ。お兄様は、他人に嘘をつくでしょ? この国の宰相は、貴族のまとめ役だから。嘘つきにはつとまんないの。

 そうでしょう? お父さま」


「その通りだ。クロアにも、何度もそう教えたのだがな」



 クロアの背後から、貴族の男が現れた。彼はスピリアの近くまで歩み寄り、並んで立つ。クロアとスピリアの父、リーブス侯爵その人である。



「父上!? ですが」


「お前は人から指導を受けると、自分が責められていると思って嘘を吐く。わかったふりをし、言われたことを聞き入れない。お前の母と同じその性質。あの手この手で直そうとしたが……結局手遅れだったか」


「だ、だからといって! 私が、妃教育に一日で音を上げた愚図な妹より、劣るとでも!?」



 慌てふためくクロアの目の前で、父がにやり、と笑った。人前では尊大な態度をとり、家族の前では気弱そうだった父が。自信と誇りを秘めた笑みを、見せていた。



「愚図? この天才を愚図と、お前はそう言うのか?」



 教育もろくに受けていない妹を天才などと称され、クロアは半笑いを浮かべる。それに対してリーブス侯爵は、しばし笑い声をあげた。



「スピリア、今日は何の日だ?」


「クライグ侯爵とそのお孫さんの誕生日でしょ? 贈り物、喜んでくれたかな。フリード伯爵家は、今日ご旅行から帰ってくるはず。お土産くれるんだって。早いとこお邪魔しに行かなきゃ。あとカランダ子爵は、今日明日でお子さんが生まれそう。双子で大変そうだって言うから、慣れてる産婆さん紹介したのよ。お産、うまくいくと良いけど。

 それから――――」


「ああ、もういい。今日も忙しそうだな」



 ざっと30人ほどの記念日やら都合やらを妹が挙げたところで、父が発言を止めた。クロアは、信じられない思いだった。遊び回っていた妹が、それだけ多くの貴族と縁を結んでいることも。それほどの情報を、何も見ずにすらすらと述べることも。



「そうなのよ、()()()のお願い聞いてると時間なくって。お父さま、悪いけどもう少し手伝ってね」


「お前が手伝ってくれていた5年分は、役に立って見せるとも。

 この通りだ、クロア。お前の妹はな、教育に音を上げたのではない。もう教えられることが何もないと、帰されたのだよ」


「そん、な。馬鹿、な」



 クロアは唖然とし、目を泳がせた。



「いえ。そんなはずは、ない。そう、皆で私を担いでるだけでしょう! この私がスピリアに劣るですって? こんな女を天才だなんて! あなたは耄碌しているし、こいつを宰相になどと指名した竜の目は節穴だ!」



 当の恐ろしき竜の女王の目の前であるということも忘れ、クロアは腕を広げ、笑みを浮かべ、朗々と語った。父がそんな彼を見て、盛大にため息を吐く。



「クロアはやはり、母親似だったな。無責任で自己中心的な嘘つきだ」


「な、なぜそこで私ばかりか、母を貶めるのです!?」


「そりゃお父さまは悪くも言うよ。外に男作って、ついに昨日家を出てった人だしねぇ。相手は借金持ちのクズだっていうから、出戻ってこなけりゃいいけど」


「スピリア!? お前は母上になんてことを言うんだ!」



 とてつもない醜聞をいきなり出され、クロアは混乱を来す。もう、わけがわからなかった。



「そんなこと言ったって、そういう人だったもの。知らなかったのは、お兄様だけ。お父様はずっと苦しんでた」


「子どもの前で言うことでもないが、ようやく解放された。王位を簒奪した、あの暴君からも、ようやく。私はやっと、嘘を吐かずにいられる……」



 項垂れる父の肩を、妹が優しく撫でている。クロアは信じられないものを見る目で彼らを眺めながら、ただ首を振った。



「ところで。クロア殿は何のご用件なのです」



 兵たちの向こうで茶を飲んでいる令嬢から、声がかかった。竜の女王アネモネの「王配」として発表された、女。公爵令嬢メディリアである。



「ぁ、それは。セラフィナ……様と。アルティラを、探しておりまして」


「その二人なら、クロア殿に手紙を出したと言っていましたから。屋敷に戻られてはいかがです?」



 クロアは礼もせず、ふらふらと庭園を後にした。かつては綺麗に見えていたはずの、黄金の瞳が。メディリアの隣から、じっと見ていたからだ。

 恐ろしくて、少しでも早くその場を離れたかった。




 ◆ ◆ ◆




「なんだこれは」



 侯爵邸に帰ると、大量の荷物がクロアの私室に運び込まれていた。使用人が言うには、彼が令嬢たちにした贈り物が返ってきたのだという。クロアは美しい女だと見ると片っ端から声をかけ、派手な贈り物や手紙をやりとりしていた。その態度が噂になっており、失脚と同時に全員から手を切られたのだ。

 もちろん、本人は。



「私を捨てる気か!?

 なんて見る目のない女どもです!

 私は、私はまだ終わっていない……!」



 自分を顧みることなど、しない。彼女たちの責めるような見えない目と声に踊らされ、また嘘を吐いた。



「手紙とは、これか……!」



 贈り物から目を逸らしたクロアは、机の上に二通の封書を見つけた。セラフィナのものを真っ先に手に取り、開封して中を検める。便箋2枚ほどで、婉曲に紡がれる内容は「もう付きまとわないでください」だったが。



「セラフィナ様も期待してくれている……! なんとか、再起の道を探さねば。ブラッドはもうダメです。クォーツと一緒に、また1から……」



 余裕のないクロアはどこか責められていると感じ、また自分に嘘を吐く。もう明るい未来はないとどこかで考えながらも、もう一通の封書を開けた。

 中身は、実に簡潔であった。



『この手紙を見たら、一刻も早くお逃げなさい』



 普段の彼ならば、こんなものを読んでも何も感じず、破り捨てるところだろう。だが今のクロアは追い詰められ、疑心を抱いていた。その一文を見て、元婚約者のアルティラを、疑い出していた。



(なんだこれは……アルティラは何を知って……まさか、何もかも!? もしかして最初から……? そうです。あの女はそもそも、なぜ辺境から出て来ていたのか。これはあの女の企て! アネモネに王位を簒奪させ、国を牛耳ろうとしましたか! この私を騙して! あの顔も、あの涙も、あの言葉も全部嘘で! ブラッドの側室になるという約束まで反故にして……!)



 彼は自分の都合の良いように、元婚約者(アルティラ)を悪者にしていく。実際、彼の考えと、アルティラのしていたことはおおよそ合っていた。つまり、アルティラの仕掛けたことは、少し考えれば当事者のクロアなら可能性に気づく代物だったのである。

 クロアもまたそのことに思い至り、憤慨した。



『私()殿下にお捧げするのは、やめておきましょう』


(そういえばあの女! そんなことを言っていましたね……! 口先のペテンで私を愚弄し、ブラッドの側室に入る約束を反故にしていたとは……!! あいつが、あいつさえ私の言う通りに動いていれば! すべてうまくいったのに! 竜が現れる前に、この国を獲ることができたのに!)



 差出の住所が書かれている封書を握り締め、クロアは部屋を飛び出す。使用人が止めるのも聞かず、そのまま屋敷を出て走り出した。住所が指し示しているのは、アルティラのブレッド辺境伯家が王都に持っている別邸だったはずだ。行ったことがないから頭になかったが、彼女がそこにいる可能性は、高かった。



(すべてがあの女の策略なら……セラフィナやヴァティラも隠しているのでは……? おのれ、私の黄金を奪う気か! なんとしてもあの尊い二人を、取り返さなくては!)



 そう考えながら辿り着いた屋敷は、何か様子がおかしかった。



(この屋敷で間違いないはずなのに……)



 人が見当たらず、窓にはカーテンすらない。庭園は手入れされている様子があったが、窓から中をのぞいても家具がなかった。玄関へ回ってドアノッカーを叩こうとしたクロアは、思い直して扉のノブを捻る。



(鍵が、開いている……?)



 ドアを押し開けて、中に入ると。

 なぜか、剣を振りかぶった鎧姿の騎士がいた。



「あなたたちは、騎士団の……?」


「クロア様!?」

「来てくださったのですか!」



 剣を降ろす彼らを見て、クロアは思い至る。アネモネを得てそのまま王位を簒奪するために、騎士団の若手の協力を取り付けていたことを。クロアが呆然としていると、彼らは口々に訴え始めた。話をまとめると、どうも王位が簒奪されたと判断した彼らが、クーデターを決行。だが失敗して逃げだし、この空き家に隠れたのだそうだ。



「クロア様とも、クォーツ様とも連絡が取れなくて!」

「国の為にも我らでやるしかないと……!」



 そう締めくくられ、クロアは青ざめた。



(なんてことを……いえ、ですがこれは好機)



 だがここのところ見かけない親友のクォーツを思い出し、奮起した。



(そう、私は神に愛されている! 彼らとともに、クォーツを探して合流すればいい! あの恐ろしき竜から、すべてを取り戻さなくては! アルティラ……あの魔女に屈するわけには、いきません!)



 本当は震えだしそうだったが、クロアは自らを騙して笑顔を浮かべた。努めて冷静に、騎士たちに語り掛ける。



「とにかく一時潜伏しましょう。機を伺わねばなりません。こちらの屋敷は空き家のようですが、別の拠点に身を移して――――」



 その時。

 物音、悲鳴、怒号が屋敷の奥から響き渡った。



「敵襲ー! 裏口を破られた!」



 叫びが聞こえたと同時。



「動くな!」



 クロアの背後の扉が開き、多数の兵が押し寄せた。唖然としている間に、クロアは身柄を押さえられる。騎士たちは抵抗の様子を見せていたが、すぐに剣を捨てて投降した。



「なんだ、お前たち! なぜこのような無礼を!」



 手早く後ろ手に縛られ、床にうつ伏せに倒されたクロアはたまらず怒鳴った。



「……鎮圧の王命だよ。どうして、彼らが王城を強襲してきたのかと思ったら。君の、差し金だったんだね。クロア」



 玄関から入ってきた足先が、クロアの近くで止まる。扉の向こうから差す日の光で顔が見えないが、その声は親友のものであった。



「無事だったのですか、クォーツ!

 今からでも遅くない、私たちとともに!」


「…………信じたくはなかったけど、本当に君が起こしたクーデターなんだね。あと1日、大人しくしてくれていれば。こんなことには」



 悲しげな声音に、クロアはハッとする。クーデターの主犯として処刑などされては、たまったものではない。



「ち、違うのですクォーツ! 私はアルティラに騙されたのです! この屋敷に誘導され、そしたら彼らがいて! 私は悪くない! 彼らとは何の関係もない!」


「そう。僕は信じるよ、クロア。

 もう一度、三人でやり直そう」



 背後の騎士たちが何やら抗議しているが、クロアの友の声は優しかった。

 屈んだクォーツの顔が、視界に入る。

 クロアは、息を飲んだ。



「その、瞳、は。どうしたの、です」



 クォーツの目は、黄金ではなくなっていた。

 紺碧に近く、ブラッドに似ていた。



「僕たちの計画は、全部女王陛下にバレバレだったんだよ。だから僕は〝竜の目〟を返上し、眷属入りを辞退した。そうしないと、君たちが……大変なことになるから」



 いつも通りの、優しげな友の顔。

 だがクロアは。



「やめろ。口を開くな。私を見るな」



 激昂した。顔に唾を吐きかけてやりたい思いだった。



「クロア……?」


「私の名を呼ぶな裏切り者! 私の黄金を! 勝手に返しただと!? 何の権利があって、貴様! さてはアルティラと組んで、私を貶める気だろう! セラフィナも、ヴァティラも奪って! 私から奪って!!」



 クロアの悲鳴のような怒声を浴びて、青い瞳が細められる。



「…………ヴァティラは。妹は君のものではない。僕の宝石まで、君は狙っていたんだね……いや」



 かつての友が、クロアの髪を掴んで顔を引き上げた。



「王国は危険だからと逃がしたヴァティラを呼び戻し! あまつさえセラフィナと結ばせたのは! お前か! 僕の大事なものを奪ったのは!」


「うるさい! 黄金を捨てた者が、私に口ごたえするな!」


「何が黄金だ! 君はあんなもの、好んでもいないくせに! 嘘つき!」


「何だと貴様!」


「本当に〝竜の目〟を愛しているなら! なぜ竜の女王にかしずかなかった!!」



 青い瞳に睨みつけられ。

 クロアは目を泳がせた。

 口から嘘が、出てこなかった。



「連れて行け。助命はお願いしてみるけど、再起の目はもうない。大人しくしてなよ、リーブス侯爵の嘘つきご子息殿」


「その口を開くな! その目で私を見るな! 父の名を出すな! あんな男の息子だと、私を呼ぶな!! 嘘つきはお前だ!!

 裏切り者! 裏切り者! 裏切り者!!」



 引っ立てられ、クロアは屋敷から連れ出された。



「うら、ぎり……も、の」



 呟く彼の目が、何もない庭園から遠くを見る。春の空は晴れ渡って、正面彼方に貴族学園の象徴、時計塔が目に映った。それを見ながら三人で計画を決行した日から、まだひと月も経っていない。



(…………いいえ、私は諦めない。私の黄金を、取り戻す。策を練り、セラフィナを、ヴァティラを。そしてあのアネモネを、従えて。正しいのは、私だ!

 私は必ず、返り咲く……!)



 その間に、クロアは。



(まずは人を使って……)



 地位と未来を失った。

 ブラッドは失脚し、彼はもう側近ではない。

 宰相の座は、妹に奪われた。



(ぐ。ならばこういう時は、アルティラを……)



 婚約者を失った。

 婚約は破棄され、罠にまで嵌められ、本人は雲隠れしている。代わりに得るはずだったセラフィナ王女も、クロアの手にはない。



(そうでした、あの裏切り者に頼るなど。ここは父。いや母に……)



 家族を失った。

 父は自分を見放していた。妹は自分を出し抜いた。母は自分を捨てて、出て行った。



(いいえ。家族など当てにならない。やはり頼りになるのはク――――)



 友もまた、失った。

 ブラッド王子はもちろんのこと。

 クロアの親友、何よりも大切な友が。

 その黄金ごと、永久に失われた。



「――――ぇ?」



 何も、残らなかった。

 残ったのは、彼自身。否。

 黄金への、妄執だけ。



「あ、れ? 私、は。いったい、なに、を?

 私は神に、愛されて、いるのに。

 私は、正しい、のに。

 どうして……?」



 涙で揺れるクロアの世界には。



(まち、がえた? この、私、が?

 なにを? どこで?

 そんなはずは。

 はず、は)



 彼自身も信じていない、嘘だけが残った。


 そうしてクロアは悔やみ顧みることすらできず、策を練り続けた。

 何のために、黄金ではない瞳の者の側近に、望んでなったのか。

 何のために、嘘を吐き始めたのか。

 大事なことを、何もかも忘れて。

 嘘を吐き続けた。


 彼の話を聞く者は。

 もう誰も、いなかった。



 ◆ ◆ ◆



 お読みいただき、ありがとうございます。

 あと数編、短編追加を予定しております。

 次回はざまぁ本番。ブラッド視点の、彼の末路です。

 その次がアネモネ視点の竜の女王に関するお話で、ひとまず予定してるシリーズものとしては最後です。

 あとはご要望があれば、スピリアかクォーツあたりの番外編のご用意になるかと思います。


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― 新着の感想 ―
自分の力量も見極められないクズだ〜。ほんと、これだけだと読んでてイライラしますね!結局王子もクォーツも含め己を知らない凡人だったって事なんでしょうか。 強くて賢い女性陣が痛快です。続き楽しみにしてい…
屑な凡人が怪物の変人たちに勝てるわけないのに…器が違いますよw
まだ息の根を止めないと安心できないっすね
2024/12/12 01:22 退会済み
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