表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/432

第9話ヒアリング

(...自分にとって未知の存在である魔力を自由自在に操ってみたり、

迫りくる敵をバッタバッタと薙ぎ倒すことにロマンやらワクワクを感じないわけではない。

でもそれ以上に刺された時の痛み、生き返る時の苦しみは癒しの炎があってもキツかった。

キツさに関しては癒しの炎をもっと使いこなせるようになれば解消できるのかもしれないけれど)

(そうね、私達レベルじゃないとどんな時でも完全勝利は難しいでしょう。

でもルリウィンから聞いていると思うけど闘わないという選択肢は無いと思った方がいいわ)


(それは、もう、諦めてます。)


(そうね...なら、あなたの必勝パターンと成りうる闘い方について考えていきましょうか。

先手必勝かつ、速攻が大事だと思うのよね。

どうしても長引くとミスやダメージも増えるだろうし)


(何もさせずに完封ばかりしてたら嫌がられそうですが)


(気にすることはない。対応できない自分を悔やみこそすれ、

抗議するのは自身の弱さを言い触らしているようなものだ。

相手の土俵に立つ必要は無い。自身の強みを押し付けられるのも立派な戦略だ。

対応できないのが悪い)


(そうね、弱いのが悪いわ。

逆に言うとウィリィンも闘いにズルいとか文句はあまり言っちゃだめよ?

舐められて、敵が増えるわよ。それで、具体的にどう実現しようかしら?

私みたいに高火力で周囲一帯を殲滅する?)


(うむ、それであればほぼ確実に先手が取れるだろうし、狙いをつける必要もない。

隠れていようが、身を守っていようが、回復力が高かろうが全て倒せるだろう。

問題は発動までに詰められることと、燃費がかなり悪いことか)


(発動までの隙は結構デカイわね。詰められたら何もできないのも弱いし。

そう連発もできないでしょうから、継戦能力も低いわ。

ただ手札として一つ持っておくのはいいかもね)


(うむ、手札は多いことに越したことはない。

呪いや毒の耐性の無い者を確実に葬るのはどうだ?

耐性があるやつには何もできないが、ウィリィンの死への恐怖、怨みつらみを糧にして生み出した呪いならばかなり強力だと思うぞ)


(それ、ダメでしょ。

その感情を生み出すためには何度も死んで、負の感情を溜め込まないといけないじゃない。本末転倒よ。ただ、これも有効な方法ね。

私達って寿命以外でこの世を去ること無いから、中々激烈な負の感情って生み出さないのよね)


(そうだな。避けることに越したことはないが死を有効活用しないのも勿体ない。是非覚えさせよう)


(あのう、逆にそういったものから身を守るのは、どうしたらいいんでしょう?

自分の攻撃手段としては良いですが。

それが自分の身に襲い掛かると思うととても嫌だなぁと)

(ああ、簡単だ。撃たせないか、撃っても意味のない状態にするかだ。

大技には前兆を感じられるものも多い。それを察知して先んじて相手を妨害する。

または防御、回避の準備を整える。

まあ、我々はそれらの対策を踏み潰して、相手を完封せねばいけないのだが)


(となると攻めにも守りにも圧倒的な速さがあればいいんじゃない?)


(そうだな、相手が何か行動する前に動いて、相手を仕留めるならそれが確実か、攻撃は気合で振り切れ)


(攻撃手段に超遠距離射撃はどうでしょう?足の速さと射程で負けなければ敵の攻撃は当たらないと思うのですが)


(うーん、開けた場所だけが戦場ならいいんだけど、そうともいかないのよね〜。

相手から距離が確実に取れるとも限らないから、近距離戦を主軸にした方がいいと思うわ。

あと射程が長いということは当てにくいし、しっかり当てようとすると気配察知を結構広範囲でやらないといけないし、

何より遠いからどうしても当たるまでにタイムラグが発生するわ。

近距離で攻撃するよりも防がれやすいのよ。

ただこれも立派な戦術だわ、しっかりものにしましょう)


(となると近距離で相手の急所を一撃で殺る。相手の攻撃は見て避ける、受け流す。

または発動前に妨害して止めるがベースになりそうだな)


(足や、手を狙って相手の手札を削るのもできそうね。あとは攻撃力ね。

一撃で殺ることに重点を置くから、鋭さ特化で断ち切る、突き刺すのがメインかしらね)


(太刀だと取り回しが良くないな、小刀をメインで教えるか。

基礎身体に関しては脚力ベースで、反射神経、空間把握能力を中心に鍛えるか)


(いいわね、速くても攻撃に気づけなければ意味ないわ、罠とかも気づけるように勉強させましょう)


(やはり、我々も被弾覚悟で相手の思惑を踏み潰すことが多いからな。

完封するとなると考えさせられることが多くて面白い。

ただ、ある程度は死に耐える訓練も行う予定だ。

かなりキツイかもしれぬがウィリィンに理解のない者にいきなり殺られるよりは断然ましだろう)


(そうね....癒やしの炎については少しずつ使いこなせてるみたいだけど、

今は痛みとかもない状態だしね。

実際に苦痛を受けている状態での発動ができるレベルまでは慣れとかないと....)


(....それは覚悟してます。

実戦で自分だけを特別扱いしてくれるわけではないですし、が、頑張ります)


(まあ、我々がサポートするゆえ、耐えれぬラインは超えぬことを保証しよう)


(おい、せっかくウィリィンが嫌な気持ちを押し殺して頑張るって言ってるんだ、脅すようなことを言うのやめろ)


(おお、すまん、すまん。ただ自身を追い込んで取り組まないといけないのは分かっておろう?

何せ皆闘うことが好きで模索、鍛錬するのを何も苦だとは思わぬ、そういう輩相手に完勝を続けるのだからなぁ?)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ