第561話生徒会へ
それに、集団での授業より個人での鍛錬を行うような授業が多く、集団で近しい実力を合わせることすらしない為、更に合理性を追求した形になる。
そんな感じで話しながら部活動の施設がある区画へと歩みを進める。
「ん、じゃ、今日は暗殺部に行ってくる」
「そういえば、そんなこと言ってたね。
じゃあ、私も生徒会で活動しないとだから、今日はこれで」
「ん、また明日。
授業じゃないから会えるか分からないけど」
「そうだね、会えたらいいね。
んじゃ、また」
ウィリィンはエトゥと別れて生徒会の施設まで向かった。
施設の中へと入るとレユがウィリィンを出迎えてくれる。
「ウィリィン、こんにちは。
今日は初めての治安維持活動ですね」
「レユ副会長、こんにちは。
今日はよろしくお願いします」
ウィリィンはレユに対して挨拶を返す。
「では、こちらの部屋へ。
まだ、今日一緒に巡回する人達はまだ来ていないので、先に活動の詳細についてお話してしまいましょう」
「はい」
ウィリィンはレユに連れられて、部屋へと案内される。
レユに席へと座る様に促され、そのままレユの向かいの席へと座る。
「では、早速説明していきますね。
といってもそれほど難しい話はないですし、一緒に巡回をしてくれる先輩方が今教えきれない部分については活動を通して教えてくれると思います」
「はい、よろしくお願いいたします」
「まず、活動はこの記載されたルートに沿って、施設を巡回します。
ちなみに、毎回同じだとタイミングをずらされたり、待ち伏せされたりすることがあるので、不定期に道順は変更しています」
「なるほど・・・」
確かに、生徒会の介入があることを自覚しているような団体は、巡回のルートが毎回同じであることを知っていればその時間、場所は避けるように行動するだろうし、そうでなくとも生徒会が来ると分かっていれば意識して良く振舞おうとするので、自然な活動を見ることは敵わないだろう。
「巡回ルートを回るのと、ランダムに選ばれた部活動と大きい部活動への訪問を行います。
その中でトラブルの連絡を受けたり、現地で何かがあれば仲裁に入ります。
大きな部活動はランダムでない理由は規模感もそうですが、顔つなぎの意味もあります。
巡回自体が生徒会としての顔売りの側面があるのです」
生徒会としても規模の大きい部活動の影響力は無視できるものではなく、ある程度頻繁に顔を合わせて、確認を行っているようだ。
巡回中に何か揉め事が発生すれば介入して、事情を確認し、仲介を行うようだ。
そして、そういった活動から関係値を得て、生徒会の一員としての存在を多くの人に認知してもらっていくとのこと。
「それで、こちらが装備ですね。
まあ、基本的には自身の能力で対処するのが基本ですが、そうするとシフトを組む際に能力のバランスを意識しないといけないので、なるべく皆全ての事象に対して一定の水準を持って対処できるようにこれらの中から足りない部分は魔道具で補ってもらう形になります。
まあ、ウィリィンはオールラウンドで活動できそうですし、すぐにこれらのものは必要なくなると思いますが、今は能力の底上げ用に持っておいてください」
「はい、ありがとうございます」
ウィリィンは机の上に置かれた魔道具の数々を確認し始める。
「必須となるのはこれと、これですね。
あと、現地での動きに関しては実際に先輩たちの動きを見て、確認してください」
「はい、分かりました」
レユが指さしたのは小型の通信機と、レンズのついた魔道具だ。
通信機の方は同行する部員及び、他部員、そして生徒会のこの施設に対して連絡が繋げることができる。
また、傍聴や通信の遮断に対して対策が重点的にされており、専門家相手でもない限りは通信を妨害されることはないとのこと。
そして、カメラの方は行動の記録である。
生徒会としての活動を記録するためにあり、仲介を行った際に証拠として使える。
この2つは基本的に身に付けて巡回にあたる必要がある。
そして、ウィリィンが追加で確認している装備であるが、動きを阻害する感電や、氷結を行うことができるもの、自身の身を自動的に守ってくれるもの、拘束した相手を動けないようにするもの、自身の動きを強化し、火力、俊敏性を底上げしてくれるものなどがある。
「おすすめは、これとこれですかね。
ただ、貸出品ですので、頼りきりになってはいけませんよ?」
レユが指さしたのは感電して痺れさせる警棒のような魔道具と、拘束した際に相手の動きを阻害する鎖型の魔道具だ。
前者は手軽に相手の動きを封じられ、後者は魔力と身体の動きを乱す効果があり、逃げられたり、再度暴れられる可能性をかなり減らすことができるようだ。
かなり便利ではあるが、魔道具の力に依存してしまうと自身の力が育たないという結果になってしまう。
まあ、この巡回でしか使用できないことを考えるとそういった事態には陥りにくいが、レユが伝えたいこととしては自身で無力化及び拘束を実現できるようにしておけという話だろう。




