第519話魔法部の活動
「よろしくお願いいたします」
ウィリィンは丁寧に挨拶を返す。
今度はウィリィンの番であるため、呼吸を整えてから挨拶をする。
「ウィリィン・ディザレアです。
現在、生徒会に所属していて、魔法部にも所属したいと考え、本日招待いただきました。
炎、雷を中心に、様々な魔法を使用しています。
よろしくお願いいたします」
「よろしくね。
私は既に結構ウィリィンちゃんの実力や潜在能力を買っているわ。
もう既に所属を決定してしまいたいぐらいにはね」
すると、隣で聞いていたナタトは少し驚いたような表情を浮べる。
「ギャマナ部長が太鼓判を押すほどですか」
「ええ。
私、こういう招待とか面倒だから、基本やらないのは知っているでしょう?」
「ええ、そうですね。
基本的には私や、他の部員が応対させて頂いていますし、そもそも余程のことでなければ干渉もされないですから。
是非詳細についても伺いたいです。
っと、ウィリィン様、勝手に盛り上がってしまい申し訳ございません。
ですが、ギャマナ部長が推薦された理由は知っておきたいと思われますので、このまま続けさせていただいても?」
「あ、はい、お気になさらず」
ナタトは自身とギャマナで話してしまい、ウィリィン置いてけぼりになっていることに対して気遣ってくれる。
ウィリィンとしてもここまでウィリィンを高く買ってくれている理由は聞いておきたい。
良く考えるとウィリィンは生贄部でギャマナに会ったはいいものの、ほぼ回復に専念していて、話をした覚えはなかったりする。
「主に2つね。
1つ目は状況に応じて多彩な魔法を使っている点。
ある程度定石と呼べるような手はあるみたいだけど、どんな魔法だろうと、積極的に使って、試行錯誤している姿がとても魔法部に合ってると思ったわ。
あ、これはウィリィンちゃんの試験風景を見せて貰って感じたことね」
「生徒会でも既にお話はあったかもしれませんが、補足しますと、入試試験の風景は学園の生徒であれば閲覧が可能になっています」
「あ、何となく気付いてました」
ナタトが情報の出所について補足してくれるが、ウィリィンも総合得点だけでなく、試験中の様子について度々話題に上がるので、そんな気はしていた。
「それで、2つ目だけれども、その腕輪。
直接魔力を体内に注入しているでしょう?」
「っ!?
本当ですか?
ギャマナ部長と同じ特異体質、と言ったわけでもなさそうですね」
「はい。
鍛錬の一環として魔力を常に供給できるようにしてます」
ウィリィンは別に隠すようなことでもないので、素直に回答する。
が、ナタトはかなり驚いた様子である。
「魔法部では魔力量がどうしても大切になってくるので何人か同じように血液に注入している方はいますが、入園当初からつけられているのはギャマナ部長を例外とすると初めてです。
大丈夫ですか?無理な鍛錬は逆効果ですから、杞憂であれば良いのですが」
「はい、確かにまだまだ違和感は感じますが、まあ、慣れました。
それに、自身の魔力と素早く混ぜ合わせれば、それも結構軽減できますし」
ウィリィンはこのように言ったものの、いまだ痛い上に痒いジンジンとした感触は常に腕から発せられている。
だが、魔力の循環能力もどんどん最適化が進んできており、ウィリィンが感じる不快感は当初に比べたらかなりましになった。
「この、ひたむきな感じがとてもいいと思わない?」
「いや、これは心配の方が勝ちますが」
ナタト的にはウィリィンがそこまでして魔力注入を行っていることの方が心配のようだ。
「あらそう?
私としては、これがどのように磨かれて開花していくのか楽しみで仕方ないわ」
問題意識の無いギャマナの発言を聞いてナタトは頭を抱える。
「従来通り、技術面に関してはギャマナ部長にお任せしますよ。
私の方はメンタルケア、調整といった部分で支えさせていただきますから」
ギャマナとナタトではそのような役割分担となっているらしい。
グラニとレユの関係性のように副部長は事務的なところで部を支える感じになることが多いのだろうか。
「そうね。
普段通り任せるわ。
っと、まだウィリィンちゃんが入部することが確定しているわけではなかったわね」
「そうですね。
それに我々の活動についてお話しないと、判断材料になりませんから」
入る、入らないに関してはウィリィンの素養がどれだけ適していたとしても、具体的な活動内容などを聞かないと判断のしようがない。
「では、話すわね。
魔法部では基本的に3つの活動に分かれているわ。
1つ目は戦闘の部門ね。
ここでは戦いにおける実用的な魔法の模索や、実戦をメインに行っているわ。
といっても、戦闘行為が好きな子は戦闘部に流れたり、兼部している子が多くて、どちらかというと、魔法を使った攻撃の型のようなものを考えて、実際に強いか試してみる。
そんな活動がメインね。
あと、強さだけじゃなくて、華やかさとか、魅せることを意識した戦いの魔法について研究もしてるわね」




