第516話コア
その後も狂ったようにビームを連射しており、かわすので結構手一杯である。
幸いにも狙いはウィリィンに絞られているため、子供達の直線上に入らないように気を付けていれば、ひとまずは当たらない。
それで、あのコアであるが、完全に暴走しており、徐々に熱を持ち始めているのが伺える。
「エネルギー使い果たして、それでおしまいならいいんだけど、あの感じ、爆発しそうなんだよね・・・。
壊す・・・いや、爆発を早めるだけだよね。
ただ、動きを鈍くさせるためにもある程度攻撃は必要かな」
「おりゃー」
「当たらないー」
「ビームで消されちゃうー」
子供達は遠距離からコアを狙うが、思った以上に動きが素早く、ビームによって攻撃がかき消されてしまうこともあるため、中々攻撃を当てることができない。
「あ、この素材なら、無力化できるか」
ウィリィンは床に散らばっているゴーレムだったものの残骸に目を向ける。
これらは先ほどからゴーレムのビームに当たっても一切変形したりしている様子がない。
ウィリィンは攻撃をかわしつつも、ゴーレムの残骸を回収して、接着剤を生み出してくっつき合わせ、盾を作製した。
それをコアの前へと差し出すと、
「あっつ、勢いは抑えられるけど、熱の伝導は結構あるね」
攻撃を受け止めることに成功した。
問題があるとすれば、盾自体がかなり高温になってしまうことで、手に持つことには適していない。
まあ、直接触らなければいいだけであるので、いくらでもやりようはある。
ウィリィンは魔力越しに盾を持ち上げ、ビームを防ぐ。
問題があるとすれば、残骸の寄せ集めなので、衝撃によって形が崩れやすく、補填をしっかりしておかないと隙間からビームが漏れだしてしまう恐れがあることだろう。
「これ、投げるの強いんじゃない?」
「ビームで消されないっ」
「沢山落ちてるよー」
子供達もウィリィンが防いでいる様を見て、残骸の有用性に気付いた。
残骸を手に持ち、コアに向かって投げ始める。
ビームによって搔き消されはしないものの、威力の減衰はするため、劇的と言うほどではないが、投擲に集中することができるため、魔法を使用していた時にくらべ、量と質どちらも向上し、コアに着々とダメージを与え始めている。
「あとは、最後どうなるか・・・。
凄い爆発しそうなんだけど」
ウィリィンは子供達の攻撃によってボロボロになっているコアを見やる。
やはり、どんどん熱量が上昇しているように思われ、爆発は時間の問題と思われる。
「あ、これならいけるか?」
ウィリィンはフラフラしているコアを残骸でキャッチすると、周りを残骸でベタベタに固めて一切動かないようにする。
「おー?」
「それどうするのー?」
「おしまいー?」
「多分大爆発するから、いい感じに処理しようと思って」
というと、子供達を誘導しつつ、ウィリィンはゴーレムが守っていた扉の前まで行き、扉を少しだけ開けて、この塊を放り込むと、遠隔から扉を再度閉めるのと同時に中を砕き、完全に破壊した。
バドゴーン!!!!!
凄まじい音が響き渡り、扉を突き破り、ウィリィン達の部屋にまで衝撃が襲ってくるが、扉がある側の隅の方にいたウィリィン達は衝撃から免れた。
ウィリィンは迷宮の壁は表面こそ壊せるものの、内側は基本的に破壊不可能な材質で出来ていると予想していた。
そうしないと破壊するだけで簡単に迷宮が突破できてしまうので、当然と言えば当然なのだが、ウィリィンはその頑強性を利用し、扉の向こう側へコアを投げ込むことでコアとの間に頑強な壁がある状態にし、爆発の被害の及ばない安置を創り出すことに成功したのだ。
「ウィリィン頭いいー」
「すごーい」
「天才―」
「ありがとう。
んじゃ、行こっか」
完全に危険は取り除かれた。
ウィリィンは皆を促し、破壊された扉の先へと向かう。
「あー、もうちょっと綺麗な場所だったのかな・・・?
ゴールしか残ってないけど」
扉の向こう側は爆発によって完全に瓦礫の山と化している。
「ゴール!!」
「やったー」
「いえーい」
ウィリィンは子供達を追いかけるように中央にあるゴールとでかでかと記載された台の上まで進む。
そこには先ほどゴーレムのところで見たような手を置く場所が4か所あり、手を乗せることで明かりが灯るようになっている。
ウィリィンも手をかざし、全員が手を乗せると、下に存在していた魔法陣が輝きだし、景色が切り替わると、教室へと戻ってきた。
「お疲れさまでしたー。
ここのグループは・・・凄いですね。
完全制覇でクリアです」
帰ってきたウィリィン達にミラナが褒めてくれる。
どうやら、全体の攻略としてはあれで良かったようだ。
周りを見ると、半数以上が既に教室へと戻ってきている。
「沢山戦えて凄かったー」
「罠もいっぱいあったー」
「謎解きもしたー」
「皆で探検できて楽しかったです」
ウィリィンも感想を述べる。
「楽しんでいただけたのであれば製作した価値があったというものです。
また、遊びましょうね」
「楽しみっ」
「やろやろー」
「わー」




