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闘鬼~転生先は寿命以外で死なない種族、戦闘からは逃れられません(泣)~  作者: komofy
第三章入園試験編

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第321話お互い本気

「今度はこっちからいくぜっ」


ネオモは先程同様に拳に魔力を纏わせ、こちらに詰め寄ってくる。

まだウィリィンとは距離があるタイミングでネオモは腕を振り被り、勢い良く前へと突き出すと、


「っ!?」


拳の延長線上に魔力の塊のようなものが飛び出してきたため、ウィリィンはそれを避けるが、当然一発で終わるわけも無く、全ての攻撃にそれが付与されており、拳、足、さらには頭突きまで、全ての攻撃が飛んでくる。


「っち、やりずらいっなっ」


ただの拳であればそのリーチ分だけ下がれば攻撃は当たらない。

しかし、魔力が放たれるとなると、全ての攻撃の直線上から逃れるように避ける必要が出てくるわけで、大きく避けることを強要されつつ、ゼロ距離でラッシュをされるとなると、かなり対処が難しい。


「おらっ、そっちからは仕掛けてこないのかっ?

まだ一発もいいのは入ってないぞ?」


ウィリィンは防戦一方に追い込まれている。

そもそも、素の格闘における戦闘能力はネオモの方が上である。

そしてラッシュを防ぐのにかなり神経を使って、攻撃を受け流しているので、あまり攻撃に対しては消極的である。

まあ、攻撃をしていないことはなく、石の礫を生み出して放ったりはしているものの、拳で相殺されたり、そもそもかなりの速度で動き回っているため、放った時点でその場にいなかったりする。


「生半可な反撃じゃ効かないかっ」


ネオモもウィリィンの攻撃方法の多彩さは十分に理解している。

それに付き合わないようにする為に全身を魔力で大きく強化し、身体能力の向上と、ウィリィンの魔法による影響力を弱めている。

魔法による攻撃は基本的にかわすか攻撃によって打ち消され、足元に落とし穴を作ったりしても、体幹が強く、ほぼ隙にならない。

その分魔力、体力の消費はかなり激しいはずだが、そもそもが短期決戦狙いである。

なので、ウィリィンは対応を変えることにした。


「うぐっ!?」


ガードに割いていたリソースを貯めに回し、少々ダメージを貰うものの、反撃として業火と呼べるほどの炎を生み出し、周り全体に放つことでネオモに攻撃を入れる。


「ぐううう!?」


当然インファイトで戦っていたネオモは後ろに下がりつつも、腕を手前にクロスしてダメージを抑えるが、ウィリィンの魔法の方が早く、直撃ほどでは無いがダメージを受ける。

ウィリィンはその間に全身に炎を纏い、ファイティングポーズを取る。


「そうこなくっちゃなっ」


ネオモは再度ウィリィンに飛びかかるが、ウィリィンもそれに対して応戦する。

先程に比べて炎を纏っている分、熱によるダメージが期待できる上に、炎を噴出することでより機敏な立体軌道を可能にし、ネオモを圧倒し始める。


「っち、やっぱり手数もそうだが、質も凄まじいなっ。

一方的な蹂躙は何度も何度も経験したが、こんなに勝てるか負けるか分かんねぇと感じた試合は初めてだ。

こんなに戦いってのは昂るものなんだなっ」


何やらウィリィンとの戦いを経て、何か新しい境地に達しようとしているのか、どんどんネオモから魔力が溢れてくる。

凄い勘弁して欲しいが、ここに水を差すほどの勇気は無いので真面目に聞いているフリをする。


「もう出し惜しみはない?

後で後悔しても遅いからね」


「上等っ」


ウィリィンは軽く挑発してネオモの気持ちをしっかりとウィリィンに向けさせる。

まあ、ウィリィンは戦うのは嫌いだが、しっかりと努力して、楽しさに気付いて、更に成長しようとしている子の気持ちをへし折るほど鬼畜ではない。

更にパワーアップしたネオモがウィリィンに対してラッシュをかける。

直線上に魔力が飛び出る上に、拳を振り下ろしたタイミングで衝撃波が発生し始め、更にスピードまで向上している。


「っく!?」


あまりの威力とスピードに防御を崩され、良いのが何発も入る。

だが、なんとか急所となる場所は避けるように身体を捩る。

身体全身が悲鳴を上げており、痛くてしょうがない。


「これでしまいだっ」


その流れで大きいのが入り、隙を晒したウィリィンに対してネオモは渾身の一撃を入れる。


パシッっっっ


「なっ!?」


その攻撃は今まで見せたウィリィンでは到底あり得ないほどの速度で動いた右手によって受け止められていた。

驚愕に染まり、隙を晒したネオモに対し、ウィリィンは数発目にも止まらぬ速さで攻撃を行って吹き飛ばす。


「がはっ!?

何だよ、その速さっ」


ウィリィンは先ほどから更に姿が変わっており、炎とともに電気を身に纏っている。


「使うつもりはなかった。

これ、身体の限界を超えて無理やり動かすから、この後まともに動けなくなるんだよ。

それに、魔力の消費もえげつないし。

私も本気だよ」


ウィリィンは変な方に曲がっている腕をネオモに見せながら語る。


「そうかっ、ウィリィンも本気かっ

熱いな、凄いぞ、最高だっ」


完全に高揚してやがる。

もう、興奮が抑えきれないのか、ネオモはウィリィンに対して突っ込んでくる。


「っ!?なんてパワー、滅茶苦茶だっ」


ウィリィンの限界を超えた素早さに無理やり力で対応してくる。


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