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闘鬼~転生先は寿命以外で死なない種族、戦闘からは逃れられません(泣)~  作者: komofy
第三章入園試験編

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第251話振り返り

ウィリィンは自身の腕やら足やらを見ながら感想を述べる。

普段の鍛錬は理由が無い限りは調整された最適な環境下で行われているので長い間太陽の光に当たっていたのは初めてのことであった。

まあ、数日もすれば剥がれ落ちて普段の肌の色に戻るだろう。


「それでー、仕掛けは何とか出来たのー?」


フェアはこの三日間の様子について聞いてくる。


「取り敢えず、一度もやられることなく無事乗り越えられたよ。

詳細は・・・お風呂済ませて、ご飯食べながらでいい?」


「そうだねー、お母さんたちも聞きたいだろうし、話すなら一回で済ませた方がいいねー。

んじゃ、後でねー」


ウィリィンはそのまま大浴場へと向かい、身体を洗う。


「日焼けのせいか、少しひりひりするようなむず痒いような気もする、というか、皮がボロボロ剥がれるんだけど・・・」


ウィリィンの身体は種族的に回復力が高い、つもりは新陳代謝も良く、日焼けでダメージを受けた肌もすぐに新しくなり、剥がれ落ちていった。

ウィリィンは湯船に自身の皮を浮かせるのは忍びないのでいつもより念入りに身体をこすり、剥がれかけの皮を全て除去し、湯船に浸かる。


「あーーーーー、やっぱり家は落ち着くぅぅぅぅぅ。

ふう」


ウィリィンは緊張の糸が切れたのと湯船の気持ちよさにふにゃふにゃになっていく。

飢餓の呪い遭遇までは不自然な点を探すことに神経を使っていたし、呪いとの攻防の最中は常に緊張状態であり、睡眠時間も不規則な形になってしまった。

全ての問題を解決し、眠りについた後も隙を見せると悪戯してこようとする人はいるし、慣れない地で落ち着くことはできなかった。

3日間、ウィリィンにとってはとても長かった。

ウィリィンは十分にくつろぐと、湯船からあがり、食堂へと向かった。

食堂へと着くと、ルリウィン、アウィリィ、フェアが既におり、食事を取っていた。


「お、ウィリィン来たか、3日間お疲れ様。

お前の席はそこだ、料理はすぐに運ばれてくる」


「ウィリィン、お疲れ様。

島での生活はどうだったかしら?」


「ルリウィンママ、アウィリィママただいま。

色々大変だったけど、無事帰ってこれました」


ウィリィンは席へと促され、着くと食事が運ばれてくる。


「それで、それでー?どうだったのー?」


ウィリィンは3人に促されるように3日間の出来事について食事を取りながら話していく。


「ウィリィン凄いねー、全部無力化に成功してるじゃん。

時限爆弾は見落とすと思ってたんだけどなー」


「あれって本来の役割的には2日目までに呪いを解決しておかないと更に危機的状況に陥るようにしてるんだよね?」


ウィリィン達は呪いを2日目に解決してしまった上で爆弾自体も無力化してしまったので影響はなかったが、2日目までに解決できていなかった場合、当然解除している余裕はないわけで、ホテルと、森の木々という隠れる場所の一切を失った上で死ぬので、場所によってはそのまま呪われ、森の中にある呪いの入った壺も壊される可能性もあり、恐ろしい事態へと発展するだろう。


「フェア姉はこれ同じような体験をしたの?」


「そうだねー。

ま、私は最初に探索をして壺を二つとも壊しちゃったからその後帰るまでの記憶がないんだけどねー。

ちなみに、その会は2日目には全滅してたかなー。

3日目の大爆発とか、やられた時は一瞬正気に戻るけど、すぐに元通りだし、運営の人に解除されるまではどうしようもなかったねー。

解除されたらされたでとんでもない疲労感と空腹感が襲ってきてきつかったなー」


「そういうパターンもあるんだね。

そりゃ、三日間も休みなしで戦いっぱなしは大変だね・・・」


ちなみに、呪いも耐性ができてくるので、永遠に人を拘束し続けることは難しいとのこと。


「まあ、呪いで感覚はマヒしていただろうから実際よりはきつくないはずだがな。

それにしても全ての試練を退けるとはウィリィン、よく頑張ったな」


「それよりは闘争の呪いで全く影響を受けなかった方が驚きね、やっぱり拒否感の方が勝ってしまったのかしら?」


「そうだね・・・。

感情として異物感を強く感じすぎて・・・

結果として呪いが効かなかったから、いい結果に終れたけど」


「心まで変えろとは言わんよ。

ただ、良い方向ばかりに転がるとは限らぬからな。

目を背けることはせずに時間をかけて向き合い方を模索していくといい」


「そうします。

最近同じぐらいの子達と話す機会があって考え方の違いとかは結構感じているから、色々考えてみる」


「おう、そうだな。

それと、呪いについては試験が終われば鍛錬の項目に加えよう。

実際にかかってみて感じたことも結構あるようだしな。

よし、ウィリィンそろそろいい時間だろう、明日も試験ゆえにそろそろ自分の部屋に戻るといい。

それに、寝不足だろう?早めに寝るといい」


「はい、おやすみなさい」


「ウィリィン、お休みー」


「おやすみなさい」


ルリウィンに促されウィリィンは食堂を後にした。

自室へと戻ると三日間の振り返りをし、その後普段より早く眠りにつくのであった。


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