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闘鬼~転生先は寿命以外で死なない種族、戦闘からは逃れられません(泣)~  作者: komofy
第二章幼児~入園編

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第178話筋線維取り出し

確かに上空でシールドを維持した状態での作業は精神的にあまりよろしくない。

それに作業相手は一歩間違えればシールドを壊しうる爆発を引き起こすわけで、もし足場代わりのシールドを破壊されてしまった場合、爆弾とともに地面へと落ちる羽目になる。

ということで、フェアに誘導され、何か大きな爆発があったのか植物の類がなく、大きく地面が剥き出しになっている場所へと辿り着く。

フェアはそこにレジャーシートを広げると周りにシールドを張って周囲から侵入されないようにした。


「ここの周りは起死回虫以上に火力のある生き物はいないから、軽くシールドで周りを囲っておけば安全を確保できるよー」


「あ、その手があったか...」


ウィリィンは起死回虫を風で浮かせて確保したが、それほど周り全体に働きかけなくともシールドを張って、その外側で遠隔操作で虫網を振り回せば安全に確保出来ただろう。

爆発についても、こちらから能動的に攻撃を行わなければ、シールドを周りに展開するレベルでは死には至らない。

わざわざ余計な被弾をした自身の頭の足りてなさに反省した。


「ま、急に対処しなくちゃいけなかったしー、虫の大群が迫って来るのって精神的にキツイもんねー。

最善の策をあの状態から考えろっていうのはちょっと難しかったと思うよー。

水流による対処も起死回虫を近づけないという面で考えれば良い方法だったし、その後直ぐに方法を変えて対策できてるしねー」


確かに対応したタイミング、ウィリィンはテンパっていた。

あの心理状況で脅威への対処、目的の達成、安全性の追求、この3つを完璧にこなすというのは難しかっただろう。

となるとウィリィンにできることは


「次に繋げます...」


「うん、がんばろー。

んじゃ、この起死回虫の筋繊維を取りだす作業をやってみよっか」


フェアは自身で確保し、虫籠に入っている起死回虫を見せながら解説を開始する。


「んじゃ、作業していくんだけどー。

爆発するのはある程度覚悟した状態でやってねー。

まずは、爆発する部分を不活性化して、無力化する所からやるよー」


フェアは起死回虫を鷲掴みにすると反対の手で針を持ち、説明を開始する。


「こんな感じでー、爆発する部分があるから、ここらへんに針を通します」


ドゴーン


フェアが針を刺した瞬間に爆発した。


「ごほごほっフェア姉!?大丈夫?」


「あー大丈夫、大丈夫―。

おかしいなー?ここら辺のはずなんだけど、あー左右逆だったかー」


煙の中から少々焦げているフェアが現れる。

それほど大きなダメージは受けていないようだ。

そして先ほどフェアは中央の少し右寄りの部分に針を突き刺したのだが、実際は左寄りの部分に刺す必要があったらしい。


「腹の方を向けた状態で、右が魔石で、左が爆発部分ねー」


起死回虫の内部構造について説明しながら、2体目の起死回虫を取り出し、今度はしっかりと針を差し入れる。


「それで―、無力化した爆発部分を上手く取り出して―、すると、その奥に突起みたいなのがあるはずだから、それを上手く引っこ抜けば終了―」


フェアは針を刺した部分を中心に起死回虫の腹にナイフを入れて横に開き、爆発する部位である袋のような内臓物をかき出すように取り除く。

そして、その奥の部分へとピンセットを突っ込み、引っ張り出すと、見覚えのある筋線維が出てきた。

これで行程的には全てとなる。


「爆発物の方は私の方で使おうと思うから、こっちの入れ物の中に入れといてー。

んじゃ、ウィリィン、ファイトー」


「やってみます」


ということでウィリィンは針と、ナイフ、ピンセットを生み出し、作業を開始する。

まずは、虫籠の中から一匹起死回虫を取り出すのだが、鷲掴みにするところまではまあ、少々ぞくっとするが、それはよしとして、思った以上に手の中で動く。

フェアがやっている時には分からなかったが、思った以上にしっかりとがっちりつかんでおく必要があるようだ。


「うわっ、ちょ」


残念ながらウィリィンは最初の時点で及び腰だったのでしっかりと持つことができておらず、手の中から飛び出し、逃げ出した。

それを見ていたフェアがすかさずナイフを投げて起死回虫を貫き、爆散させた。


「逃げちゃったねー、握り方が甘かったかなー。

まだまだ沢山いるから、次、いこー次」


「次っこそ」


あれを追いかけて捕まえるよりは次のを作業しろということなのだろう。

ということで、2匹目を捕まえるのだが、今度は暴れないようにグッと握る。

そして、針を持って狙いを定めるために起死回虫がずれないようにさらに力を込めて握った結果。


グシャ


「あっ」


ドゴーン


起死回虫を

握り潰してしまい、ウィリィンは爆発を盛大に受けることとなった。


「プクククク。

ウィリィン、さっきはうまく掴めなかったからって握りつぶすなんて。

まあ、起死回虫は結構脆いから、しょうがない所はあるけど、べたというか、やりがちというか、そんな感じフフフフ」


ウィリィンは爆発から復帰しつつ、隣で笑っているフェアに対して少々膨れっ面をするが、状況的に何も言い返すことが思いつかないので、諦めて3匹目を取り出す。


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