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if destiny  作者: 見知らぬ者
5/5

2.彼の初まり

深い眠りから覚める様な、そんな感覚が彼の身体全体を襲う

身体が怠く、瞼も重い

頭のてっぺんから足の指先まで、まるで体の動かし方を忘れたかの如く動かす事が出来ない


(・・・俺は、どうなった)


黒い、ひたすら黒いモヤが彼の視界を支配する

何も思い出せない、四肢が無いと錯覚するほどの脱力感に彼は何も出来なかった


(死んだのか・・・俺は)


頭に浮かんだのはそんな事だった

何か大切なものを失った、いや

大切な何かを自ら壊してしまった様な

そんな哀しい感情が、心臓から溢れそうになる

狂った様な破壊衝動が、手や足の指先へ

まるで血液が巡るかの様に流れ始める

おかしい、身体全体が異常な感覚に見舞われる


まるで自分が形成されていくかの様に感じたその時

彼は、彼自身の声が聞こえた








その瞬間


突然、頭が割れるようなノイズ音が響く

何かが、何かが頭の中に入ってくる

知らない声、それら全てがノイズ音となり

彼の頭を襲う

逃げれない、防げない、耳を覆う事も出来ない

苦痛が永遠に続くかと思ったその最後



















「◾️◾️◾️」



「ごめんなさい・・・、貴方を守れなくて」

















大滝が流れ落ちる湖、滝の勢いで流れた湖の飛沫が

大自然の木々たちに潤いを届け

また、草花達にもその恵みをもたらす


「っは!!?」


そんな草花の上で「彼」は目覚めた









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