暖冬に思う
今年は記録的な暖冬だといわれています。例年新潟と長野県の県境地域ではメートル単位の積雪がありますが、今年はなんと十数センチ。テレビ取材のインタビューに
「雪がないと楽でいいけどねぇ、夏の水不足が心配だわ」と答えていました。雨と違って雪はとどまる水資源です。山にとどまった雪は時間をかけてとけゆっくりと里を潤していました。今年はどうなるん之でしょうか。
在所も豪雪地帯ではありませんが、クリスマス寒波とか年越し寒波とか年に数回は積雪のある地域です。ですが今シーズンはお正月に多少降っただけ。例年最低気温は⁻5℃程度、最高気温は冬日が続くはずでした。今年は最低気温はマイナスになる日もほとんどなく冬日もあったのか、なかったのか。11月ころから気温が下がらず、そのまま年を越して3月並みの気温が続いています。地球温暖化では最高気温が上がるのではなく、最低気温が下がらないなんて言葉をどこかできたような。
そんな中気が付けば、フキノトウが顔を出しません。母曰く
「水不足なんじゃない」だそうです。ですが雨が降った後、雨後の筍のように顔を見せることはありませんでした。これだけ気温が高ければ、雨の後にフキノトウだらけになるはずの場所が、生えてくる気配がありません。
植物が育つのには、様々な条件が必要なことを思い出しました。温度と日光があれば季節を問わずに栽培できるもの。日の長さによって、花芽をつけ種子をつけるもの。冬の寒さを経験しないと花芽をつけないもの。それぞれに専門の用語があるのでしょうけれど、冬の寒さが必要なことが低温欲求、冬の寒さを経験してからでないと発育を開始しないことを休眠打破と思って話を進めます。
はて、フキに低温欲求があるのか?調べてみるとあるようです。さすがに庭に生えているフキが何フキかわかりませんが、群馬県の施設がフキの栽培促進のための研究を行っていました。そこで、フキの種類によって休眠打破に必要な低温積算時間が違うことを調べていました。種類が違えど、フキには違いがないのだから参考にしていいと思うのです。
これだけ暖かければ、小梅だってほころんでもおかしくないはずなのに、つぼみはまだ硬いまま。桜にも冬の寒さが必要なのですから、親戚の梅やリンゴだって同じはずです。今年の桜の開花予測は例年並みのようです。ですが例年並みの寒さがない今年、桜だけでなく果樹の花もちゃんと咲くのか心配になってきました。
聞けば有識者の中には30年も前から、地球の気候がおかしくなっているのを指摘していた方がいたとか、いなかったとか。その言葉を偉い方々がもっと真剣にとらえていれば、もうちょっと事態は変わっていたような気がします。
参考サイト
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010007160
https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=170
https://news.infoseek.co.jp/article/weathernews_202001140195/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hrj/6/1/6_1_1/_pdf/-char/ja