女性慣れしていない人の日常のようなもの
どうもみなさん、こんばんは。
私は9月になっても就活が終わらない、面接に対する努力は怠り、電車の中では毎日ネット小説を読み、家でゲームばかりしている実質ニートの日常をここに書き殴りたい。小説を書くのは初めてなので甘くみてもらえたら嬉しいです。恐らく誰もが通ってきた道であり、共感する部分も多い作品になると思います。
就活中の俺は今日も面接が上手くいかず、会社から電車で帰る途中だ。なぜ俺は自己PRの練習をしてこなかったんだろうか。基本的に就活の面接では自己PR、志望理由、学校でどんなことを頑張ってきたのか、など聞かれることが確定している事項が多い。特に今回の会社からは、メールで「2分ほどの自己PRを考えてきてください」と書いてあったにもかかわらず練習を怠り、自己PRの部分で言葉が詰まってしまい、今に至るわけだ。
今日の面接官は大阪、滋賀、兵庫の支店長というかなりの偉い人であり、多くの就活生を面接してきたベテランおじさんなので、俺のサボりぐせなんて見抜いてしまっているだろう。期待できる点は採用担当のおばさんに
「今はここ以外受けていません!」と言ったことだ。もう9月の下旬で説明会を実施している企業も少ない現状から不憫に思って合格させてもらえるかもしれない。だが可能性は低い。
昼なのでまばらにスペースを空けて座っている向かい座席の人たちを見る。この人たちも人生苦労してるんだろうな。でもあなたたちは俺よりも幸せだよ。
そんなことを考えていると隣に19歳?くらいの女の子が座った。俺の横に。足が微妙に当たる距離感の中でブックカバーを付けた小説読む少女。はっきり言ってめちゃくちゃ可愛い。髪は部分的に青く染められており顔はシュッとして目はぱっちりしている。チャラそうな女の子が本を読む姿は何故こんなにも魅力的なのだろうか?これがギャップ萌えというやつか。
生足が俺の足にぶつかる距離感に座る少女、俺の座っている席は長いイスの端なので逃げ場はない。俺のことが好きなのだろうか?そう考えると辻褄が合ってくる、この少女が座る直前に俺の方をチラッと見た気がするし、今の俺はスーツ姿で普段よりも確実にカッコ良く見られているだろう。俺のことが好きという決定的な理由としてまばらに空いている席の中でこんなにもくっついて座る必要がないということが俺の考えを確信に変えたのである。
仮に男性がこういった行動に出ると痴漢に間違われるだろうし、女性ならそもそも男と触れ合うことを忌避するはずである。そんな中で俺にくっついて座るこの少女が俺のことが好きな可能性は80%ほどあると言えるだろう。
とりあえず俺のことを少しでも好きになってもらうためにも前かがみになってスマホを持ち、いつもの俺TUEEEE無双ハーレム系の小説ではなく、日間ランキングのミステリーから適当な小説を選び、読み始めた。
なんらかのアクションがあるのか期待してた俺だが、なにもなく、「なに読んでるんですか?」などと声をかけようとも思ったが、あまりにリスクが高すぎる。もしかすると俺のことが好きでなく、ただ席を詰めて座る礼儀正しい人という可能性が俺の中で徐々に高くなっているからだ。これはこれでギャップ萌えなんですが。
二人の時間が流れる.......
目的の駅が近くなっているが、ひとつだけ確信していることがある。俺はこの少女が好きだ。めちゃくちゃ好きだ。目的の駅も近くなっているので俺は最後の賭けに出ようと思う。
もう俺の最寄駅に着いてしまう。俺はあえて慌ただしく降りる準備をする。俺の最寄駅でこの少女が降りたらそれはもう俺のことが好きだろう。なのであえて派手に降りる準備をすることによって「俺は次で降りますよー」というアピールをするのだ。
「○○駅に到着しました〜次は○○駅に.....」
俺はいつも通りを装いながら電車を降り、後ろを振り返ると、俺の座っていた端の席に詰める少女。
「なるほどね。」
面接落ちました。就活しんどいです。