表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Stand Up!!!  作者: 無関心
2/2

そして、苦しむ

「そうか?でも、私はここにいるよ」と目を瞑ったままに言う彼女の表情はとても不思議だった。

なぜか、笑っていた。

「そうだけどこれは無理だ、お前はここにいるわけがない」

「でも、私に触れたでしょう」

「。。。」

「ねぇ、春樹。私はなんでここにいると思うの?」

「お前はここにいない。お前はもう死んだ。」

「じゃ、私は幽霊かな?」

俺はもうだめだった。壊れていた。頭も心も。

頭が痛かった。胸が苦しかった。もう無理だった。なにもかも、無理だった。

俺は倒れたみたい。目を覚ましたら、床に落ちていた。そして、また彼女がいた。立っていたままで俺を見ていた。

「なんでまたここにいる?」

「どうしてかな」

「消えろ。もう俺の前に現れるな」

「それはできないかも。。」と彼女は目を逸らし、辛そうな顔で言う。

あれはオリビアじゃない。それは知っているけど、あの表情見たらただ、彼女を感じる。

「。。。」


いずれ、日常生活に戻った。学校は正直あまり行きたくない。学校へ行くと視線が俺を追いかける。

「かわいそう」と皆の目から感じる。

クラスメイトから距離を感じる。




一番の問題はオリビアだ。あの幽霊は俺を追いかけている。家、学校、街。どこへ行っても彼女は俺のそばにいる。

どんなに無視しても、彼女はまた話しかけて来る。無視するたびに彼女はちょっと残念そうと悲しそうな顔で目をそらし弱い笑顔を作る。

それでも、多分、一番傷ついているのは俺のほうだ。


「ねぇ、もういいだろう。何で俺を追いかけるの?他にもあるだろう?親とか」

そう、親。オリビアの親。葬式のとき、母親は欠席だった。自分の娘が自殺したショックから立ち直ることができなかった。何日もただ泣いていたと聞いた。

「私もしらない。でも、春樹のそばから離れない。春樹が一番私を必要とされているからかな」

「俺?」

「そう。春樹だ。」

と今度は真面目な顔で睨む。あの目、俺が好きだった目。でも今は見ることもできない目。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ