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めいど・いん・はうす  作者: 池田 真奈
第一章 大剣使いの冒険者と小さな侍女ライリ
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第51話 回転ベッド

確か宿を手配してあるって言ってた筈だよな?

何なんだよ、この城みてぇなのは!

白亜の城って言う言葉が似合う伯爵の城を小さくしたみてぇな感じだが、雰囲気が全く違うな。


「旧伯爵領が誇る高級旅館ラブキャッスルです。 お気に召しませんでしょうか?」


ラ、ラブキャッスルだと! 何てネーミングセンスしてやがるんだ。


「気に入るも何も俺とヴィッチにココへ泊まれって言うのか? 冗談言ってる訳じゃねぇよな……」


マリンの奴は何が気に入らないのかって不思議そうな顔してるな。

あの入口にあるワカメみたいにヒラヒラしたのは何の意味があるんだろうか……


「この旅館の名物は機械仕掛けでベッドが回転するそうなんです。 あとは総鏡張りの部屋があるとか何とか…… 私は聞いただけで見た事は無いのですが……」


ウットリとした表情を浮かべて嬉々として語るマリン。

何のためにベッドを回転させるんだ? 俺には全く意味が分かんねぇよ……


「それは楽しみですね。 早く参りましょう」


どうやらヴィッチの奴は喜んでやがるぞ…… マリンも泊まれるのを羨ましそうに話してたしな、もしかしておかしいのは俺の方か? 一般的に皆が喜ぶもんなんだろうか…… 仕方ねぇな、ちょっと俺も見てみるか。


「分かったよ、そこでいいから案内してくれ。 馬車と野宿の連続で疲れてるから早く休みたいしな」


流石に日中は馬車をひたすら走らせ、夜は野営しながら仮眠くらいしか出来なかったからな。


「はい、了解しました! 至急、手配しますので馬車は旅館の前に停めておいて下さい。 私の方で馬房に移しておきます」


おっ、かなり嬉しそうだな。

任された任務を無事に遂行して満足って所か。


「いらっしゃいませ、ラブキャッスルへようこそお出で下さいました! お話は伺っておりますよ。 さぁ、こちらへどうぞ…… 今夜はゆっくりとお楽しみください…… イーッヒッヒッヒ……」


何処かで聞いた事のある厭らしい笑い声だな。

旅館の主人ってのは皆そうなのか?


「ああ、世話になるぜ」

「お世話になります、良い旅館ですね」


旅館の主人に部屋へと案内された俺は絶句する。


「な、何なんだ…… これが流行りなのかよ」


俺の感性がおかしいのか? 変だろ…… コレ。


「まぁ、素敵ですわ。 こんなベッドで眠れたら良い夢が見れそうですね」


いや、悪夢しか見れねぇだろ? 丸いベッドなんて初めて見たぞ。

それにしても微妙な空間だな…… 何か部屋が全体的にピンクな気がするぞ。


「では、ごゆっくりと…… イーッヒッヒッヒ」


ったく、気持ちが悪い笑い声だぜ。


「馬車は停めて来ました! 他に何かご用はありますか? うわぁ…… 素敵なお部屋ですね」


宿の主人と入れ替わるように戻って来たマリンが部屋を見るなり感嘆の声をあげる。

やっぱり俺がおかしいのか! そうなのか?


「そんなに気に入ったなら、お前も一緒に泊まるか?」


全くおかしいんじゃねぇのかコイツらは。

もう俺は呆れるしか無かった。


「へ〜 そうやって次々と女性を口説いて来たと言う訳ですね。 貴方には婚約者と一緒に旅をしていると言う自覚はあるのですか?」


ヴィッチが白い目で俺を見てやがる。

本気で俺の婚約者のつもりなのか?

元とは言え侯爵様だからな、俺となんか釣り合う筈もねぇだろうが。


「何言ってやがる、あんな冗談を誰も本気になんかしねぇだろうが…… って、おい! マリンの奴、顔を真っ赤にしてやがるぞ」


軍隊暮らしで、そう言う経験がねぇからか?

こりゃあ、俺の話も全く耳に入ってねぇな。

うっ、目が合ったが妙に熱っぽい視線を向けてやがるぞ。


「わ、私なんかで良かったら……」


ダメだ、このパターンはマズイ。

ライリの父親を連れて帰るって言って出掛けて行って新しい女とかを連れ帰ってたら、今度こそ流石に血の雨が降るぞ。

それに確実に俺の自由は無くなるな…… 一人旅なんか許されなくなるだろうぜ。

絶対に回避しなけゃならねぇ!



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