こんにゃくも婚約もシメる!!2
「っつーーーわけで、なに考えてるわけ?」
「何が『っつーわけ』なんだ」
私の言葉に珍しくレオンが怒りともつかない顔で睨みつけてくる。
レオンは今閉じ込められている.....主に私に。
ここは資料準備室の1つ。
「ん、めんどいから割愛」
ひらひらと手を振る。
「意味がわからん!」
「私だって意味がわからんわ!
ただただレオンがひたすらにわからないっ!
シルビアといるレオンは、見ているこっちが恥ずかしくなるくらい嬉しそうだったのに!!
もうシルビアが傷ついた顔をしてるのを見てられないから、レオンのところに怒鳴り込んだんだよっっ!」
「バカヤローーーー!!」と叫んでダンっとレオンを壁に押し付け、シャツの首元を掴んで締め上げる。
「おっおま.....バカヤロ.....って、女、だろ?!」
「そうだ!女だ!
だいたい女は絞め技しない!
しょうがないだろっ、お前とロベルトのせいで上級生からからまれて、こっちは喧嘩慣れだけはしてるんだ!」
「くっ、悪か.....たな」
吹き出して笑うようなレオンの首元からそっと手を離す。
ズルズルと座り、咳き込むレオンに「.....シルビアをあんなに苦しめて、自業自得だ」と見つめた。
「.....はぁ、んでそこに隠れてる奴は、わたしが死にそうになっても見物してる気か?」
大きくため息をつくとレオンはドアに視線を投げる。
「.....バレてたか」
ニヤニヤと笑う人物がぞろりと出てくる。
「ロロロロロベルト!?
ジークもレイモンドも.....どうしているの!?」
全く気付かなかった。
そういえばよくジーンに『お前は注意力が足りない』って言われてたっけ。
「鼻息荒く『レオン様が猿女にさらわれた』ときれていた女性がいたから、エミリーのことだと思ってな。
ここはよく『エミリオ』が追いかけられて隠れてた部屋だろう?」
猿女.....マジ失礼なやつだな。
昔から『小猿』とか言われてたからあながち間違っちゃいないが.....女になっても言われるとか地味に傷つくし.....。
「大丈夫か?」とジーンがレオンに手を貸し立たせている。
「すごかったよ、エミリー!
レオンを締め上げてるとこ、すごくかっこよかった!!」
「レイモンド.....あ、ありがとう」
でもそれ女性に言う褒め言葉じゃないと思うよ。
いやもう今更色々遅いけどね。
レオンの首締め上げた時点でアウトだけどねっっ!!
「じゃ、納得する答え聞かせてもらおうかな?
俺たちだってシルビア嬢に対して、いつもの適当にやってるレオンじゃないって気づいていたんだ。
何か理由があるんだろう?」
「理由?理由なんてないさ。
ただ飽きただけ.....それだけだ」
「おま「オレたちはいつもとは違うおまえに、影ながら応援していた」.....」
ジーンに被せられて黙る。
ヘイヘイ、私は黙ってますよ~~~!
「その気持ちも『飽きただけ』で片付けられるのは、少々乱暴すぎるぞ」
ジーンは静かに怒っていた。
そりゃそうだ、友達として何もしてやれない。
自分が不甲斐ないと腹を立てているのだろう。
「ん~~、レオン?
もっと僕らを信頼してみてよ。
レオンが難しい立場にいるのは充分わかってるよ?
でもここを出たら僕たちだってそんなに変わらない世界に足を踏み入れるんだ。
諦めて頼りな、ね?」
レイモンドの言葉に俯いて目も合わせなかったレオンが不意に顔を上げる。
「.....お前、なんて迷子みたいな顔してんだよ」
今まで見たこともないような、偉そうな仮面の内側にひっそり隠されていた素顔。
「そんな顔レオンらしくないからね。
レオンは私らの隣で偉そうにふんぞり返っていればいいんだよ」
「.....エミリー、慰めにもならんぞ」
少し呆れたように文句を言ってくるレオンに、ロベルトが「ふくく、でもそれが正解だ」と忍び笑いをしてこたえた。
☆HAPPY NEW YEAR☆
♪───O(≧∇≦)O────♪




