こんにゃくも婚約もシメる!!
レオンが別荘から帰ってから突然変わった。
急に近づく色々なご令嬢と親密になった。
節操なしというか.....まるで『シルビアには飽きました』と体全体で表現してるような?
なんだろう、胸がモヤモヤする。
ロベルトの別荘に世話になって、1週間楽しかったけど本当に大変だった。
ほぼ課題を終わらせてやったさ。
夜はシルビアとマリアーナと喋って、昼間は山を散策したり海で遊んだり.....あんなふざけたことを言ったレオンも変わらなくて、だから今あいつの考えてることがわからない。
遠くで濃紺色した髪の女性のエスコートをしているレオンが目に入る。
学園はまだ夏休暇中だから授業はない。
実家に帰ってる者も多く、園内は閑散としている。
それをまぁあんな目立つところで腰なんて腕を回して.....。
いちゃこらしてんじゃないわっ!
隣を歩いてるシルビアにバレないよう、慌てて「マリアーナ、元気にしてるかね!?」と話題をふる。
マリアーナは実家に帰省していた。
私?
どうせ母上に『マナー講座』を押し付けられるだけだ。
そんなの御免こうむる!
リックには会いたいが背に腹はかえられぬのだ。
「そうですわね、きっと忙しくされてますわ。
わたくしも誕生日パーティーの支度がありますのよ。
そろそろ屋敷に一旦帰らねばいけませんわ」
「そんなぁ!寂しいよ~~~」
シルビアの両手を掴んで『置いてかないで!』とばかりにすがってみる。
さり気なくレオンを背にするのも忘れない。
「あらあら、エミリーにはロベルト様がいらっしゃいますでしょう!」
「え~~だってさぁ、こうさぁ、甘い雰囲気っていうの?
大体いつの間にか突入しててさぁ、あれってどうしていいのかわからないんだよ」
「まぁ!わたくしに聞いても答えなど出ませんよ」
クスクスと笑うシルビアに、やっぱりシルビアは朗らかに笑っていてくれる方が良いと思った。
「あら、ごきげんようシルビア様」
背後から突然声がかけられる。
誰だ?と振り返るとそこには一つ上の学年の元同級生がいた。
あぁ確かレオンのことをずっと追いかけていた人だ、と思い出す。
そういえば教室でもしつこくてレオン嫌がってなぁ~.....。
「とうとうシルビア様も飽きられてしまったのね?」
一人嬉しそうにウフウフ笑う顔は意地悪げだ。
「ごきげんよう。
飽きられるだなんて、わたくしはレオン様とお友達なだけですわ」
シルビアは笑顔の仮面をかける。
そんな悲しそうに笑わないでよ。
こっちが悲しくなっちゃうじゃない.....。
「あらら、それじゃぁあなたの一人相撲だったってわけね?」
「シルビアは一人相撲なんかじゃない!!」
物言いに腹が立って噛み付くように反論する。
「こら、エミリー」
「だって!レオンいつもと違ったんだ!
周りをウロウロするご令嬢を適当に選んだ感じじゃなかったっ!
だから私はシルビアに近づくレオンを許したんだ!!」
慌てたように止めるシルビアに向き直って喚き散らしてしまう。
「あなた『適当』とか言って失礼じゃない?!
下級生のくせに!!
それにレオン様を知ってるような口きかないでいただける?!」
怒り狂ってるご令嬢にフンッとそっぽを向く。
「キイキイ言うあんたこそ、教室でまともに相手にもされてなかったくせに!」
真っ赤な顔をして怒り狂う相手の姿に「サルみたいだ!」と言葉を浴びせる。
どうやら私は本気でレオンにきれてるらしい。
「エエエエミリー、おやめなさいな!」
慌てふためくシルビアに抱きつく。
絶対にシルビアは傷ついている。
それだけは理解った。
それがレオンに関係してることも.....。
あんなに.....あんなに嬉しそうに見つめて心を砕いていたのに、そんなあっさりできちゃうものなの?
なぁレオン、お前なに考えてるの?
今年も1年ありがとうございました!
よいお年を!




