恋人同士になるって鉄の心が必要です2
学園門前でのひと騒動に、すでに本日の体力を使いきりヨロヨロと城下街を歩く。
「ほら、エミリー!
フラフラしてたら危ないよ」
指を絡めて手をつないでくるロベルト。
「ロロロロベルトさん?!」
「ん?」
「そそその...どどどどっ!!」
どうしてこんなことになってるの?と言いたいけど、言葉にちっともならない。
「変なエミリー」と言いながら機嫌よくロベルトが歩き出す。
カッカとする頬を押さえながらメインストリートを歩く。
心臓が痛い。
というか、体の中から心臓がせり上がってきそうだ。
オェ!
「そそそそそうでした、ロベルトクン。
シシシルビアからおつかいを頼まれまして、ペペペペペン先を1つお願いしますっっ!!」
「......」
「ろろろろろべると?」
無言でうつむいたロベルトを不審に思い、そっと顔をうかがってみる。
何があったのだろう?
見当もつかない。
「ブッ.....うく...あっはっはっはっは!」
すると突然ロベルトが笑いだした。
周りも何だ?とチラチラ見てくる。
「あ~~~っはっはっは!
エ、エミリー、うっくっくっく!」
笑いながらハァハァいうロベルトを呆然と眺めていると、ようやく落ち着いてきたのか、涙を拭きながらこちらを見つめてきた。
「いやエミリー、本当に面白いね。
エミリーの緊張感が、ブフッ、伝わってくるよ」
...失礼である。
頭にきた私は手をつないだままだったけど、ズンズン歩き出した。
ロベルトなんてお構いなしだ。
「悪かったって!
俺だって緊張してるから安心してよ。
それより嬉しい方が勝ってて、そう見えないだけだから」
ニコニコしながらロベルトは、私に手を引っ張られてついてくる。
「なんで嬉しいのさ?
学園に入学当初からずっと一緒だったし、今だってかわらないじゃん」
少しばかり思案してからロベルトは、歩いてた大通りから小道にスィッとそれて立ち止まる。
「...いや、変わったよ。
俺がお前に惹かれたのは......結構昔なんだ。
あの頃は、女だなんて思わなかった。
報われないのだと、自分は異常だと思ってたから、ずっと苦しかった。
途中で死んだとか聞かされるし...。
こんなふうになれるなんて夢にも思わなかったから、いま嬉しいんだ」
ギュッと抱きしめられ涙が出そうになる。
「そんな昔から、わ、私のこと好きでいてくれて、ああありがと!」
ロベルトの嬉しそうな顔に、心がキュンキュンなる。
頬にそっと触れると、フッと顔が近づいてくる。
あぁ、キスされんだなぁ...って思った。
「おかぁさあああん!
おねぇちゃんとおにぃちゃんがジャマで通れないよォォ~~!!」
私たちの脇で、両手でかごを抱えた女の子が後ろを振り返りながら叫ぶ。
呼ばれたお母さんは苦笑気味だ。
「おおおおおじゃましましたぁぁぁ!!!」
ロベルトを力いっぱい突き飛ばして、私は一人大通りへと逃げ去った。
ロベルト~~!おしかったね~~~!




