ロベルト・ウォーレン
ロベルト・ウォーレンは、キャラメル色の髪をショットカットにして、少しタレ目で優男な感じの男だ。
だが見かけによらず、懐に入ったもの以外は容赦なく切り捨てる鬼だ。
少し目にかかり気味の髪を、めんどくさそうにかき上げる様が似合っていてムカツク。
私はちっとも似合わなかった...くやしい。
宰相やら外交官やらを多く輩出する家柄で、ロベルト自身もすごい頭もいいし、そのうちなんらかの有名人になる気がする。
昔、私を含めた5人でいつか国を動かせたら面白いな!なんて話していたが、それも夢ではない気がする。
まぁ、私は何の特技もないしコネも無いし、『エミリオ』が死んだ今となっちゃ4人で国を動かすんだな。
少しさみしい気がするけど、私は草葉の陰からひっそり応援しよう。
私は私の夢を探すしかない。
「エミリー、昼にロベルト様が探していましたわよ?
あなた、なにかやらかしましたの?」
「シルビア...、私がなにかやらかすと思ってる?!」
午後の始業のチャイムと共に教室に入った私は「ヒドイ」と呻く。
最近私の金メッキははがれ続けている。
もう口調は令嬢とは言えない...。
シルビアは私の大事な友達の一人だ。
ピンクブロンドの髪がユルユルうねって、これまた好みドストライクの女性だ。
女の子はみんなかわいい。
可愛いことは正義だ!
おれは全力でマリアーナとシルビアを守る!!なんてね!
「うふふ、エミリーったら先日お話しているところ見られちゃって困ってるのよねぇ。
お取り巻きのご令嬢からいじめられないように、毎日全力逃走なのよぉ。
私追いつけなくて......本当いつも寂しいのよぅ、エミリー?」
シルビアの横にマリアーナがやってくる。
女の子に暴力は反則だからね。
逃げるが勝ちだよ!
「マリアーナッ、私も寂しいよっっ!」
ヒシッと抱き合うと、シルビアが呆れたように声をかけてくる。
「全力って...どこぞの令嬢もやらないわ。
マナーがなってないわね。
それは恥ずかしいことなのよ!
今度わたくし、ロベルト様達に『身辺整理をきちんとなさりなさい』とお伝えしておきますわ」
「シルビア...ありがとうっっ!!」
シルビアともガシッと抱き合うと先生が入ってくるので、ほかの生徒もわらわらと席に着く。
(でもどうせなら、いっそ『来るな』と言って!!)
ロベルトは一番関わっちゃいけない人物だ。
頭もいいがカンも鋭い。
今の距離では気づかなくても、これ以上近づいたら危険度が増す。
やばいことこの上ない人物だった。
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「やぁ、ロベルト。
どこに行ってたんだよ?
この授業のレポートを渡そうと思ってたから探したぁ~!」
「あぁ悪いな、レイモンド。
エミリオに借りっぱなしだった本をな、エミリーに渡そうかと思っていたんだが...」
「ふふふ、返せなかったんだ?」
「まぁな」
エミリオの本を見つめる。
不思議なことに、いつ行っても全くつかめない。
避けているのか?
何か秘密を暴くようなスリルがあってワクワクする。
エミリオが死んでからなくなっていた久しぶりの高揚感だ。
「エミリーといえば、笑っちゃうね。
双子ってあんなに似るもんなのかな?
男女なのに関わらずやることも一緒だし、身長もほぼ一緒だったんだよ」
レイモンドの声に我に返る。
「そういえばそうだったな」
「一緒の性別ならわかるけど、異性の双子って、そこまで似てない気がするけどね。
まだ成人してないからかな?」
「そんなに似ない、か...」
「おっと、先生だ、時間切れだね」
「じゃあ!」と言いながらレイモンドが去っていく。
答えの糸口がこんなところで発見するとは...。
エミリオ、お前本当に面白いなぁ!
笑いが止まらなくて俺はそっと下を向いた。
下手の横好きですんません




