まだ子どもですし2
はい、少しずつ返却されてきた答案用紙を復習させられ、無事に夏休みを迎えました!
敬礼!!
「え?いいよ!
一人で帰れるって!」
実は夏休みに入ってから3日、ロベルトとずっとこの押し問答をしている。
「俺が送ってく」
「だって、ロベルトの屋敷が私のうちに近いって言ったって、ロベルトの父上は領地広大だし、遠回りになるよ」
「いい、俺が送りたんだ」
「うふふ、エミリー大事にされてますね」
この光景を見てマリアーナが微笑む。
「エミリオが乗った馬車が落ちたって聞いた時、ロベルトは苦しんだからな。
あの時の詫びだと思って、素直におまえは帰省の時ロベルトに送ってもらえ」
レオンが声をかけてくる。
それを言われると弱い。
「わかったよ~、もう。
じゃぁ、明日よろしく」
「そうそう、そうやって素直になればいいんだ」
レオンのうえから目線にムッとする。
「レオンのば~~か」
すかさず「淑女としてのマナーと節度ですわ!」とシルビアに叱られる。
ヒ~~ン!
ちなみにレイモンドは「買い付けに同行してくるね~!」と、夏休みの初日にさっさと帰ってしまった。
私もいつかそんな旅行してみたいなぁ!
馬車には荷物だけ載せて、私とロベルトは馬にまたがった。
馬車は男女二人乗っちゃ「ふしだら!」って言われるし、天気もいいからちょうど遠乗り気分でいい。
「そういえばエミリーの姉上殿はご結婚するのか」
「そうだよ、フェイバリット男爵家の長男さん。
え~と、アーベイン様だっけな?
弟さんがたしか、12学年にいらっしゃるんだ。
そうそう、クリストフ!」
「へぇ...12学年というと17歳だね。
仲はいいの?」
「そこそこかな?
会ったらおしゃべりする程度だよ。
優しそうな人なんだ~」
ヒヤッと少し温度が下がった気がした。
あれ、天気いいのに不思議~~。
こういう場合は大概ロベルトがムッとしているときだ。
「なに?
ロベルト、なんかイラってした?
怒ってる?」
「いや、別に大丈夫だけど?
ちょっとね、心が狭いなぁって自分に驚いただけ。
エミリーが気づくなんて、俺もマダマダだね」
「まだまだって、私を見くびるなよ!
お前と何年一緒に過ごしてきたと思ってんだー!」
ベェと舌を出すと、呆れたようにロベルトが笑う。
「シルビア嬢にまた『口が悪い』って怒られるぞ」
「うるさい!
お前らといると昔に戻っちゃうんだ!
少し走らせるから先行くぞ」
ポンと馬の腹を蹴って速度を出す。
ロベルトと一緒にいるのは楽しい。
これが好きとか愛になるかっていうのはわからないけど、自分を素直に出せるのはそんなにいないと思える。
だって、まだ14歳なんだししょうがないじゃん!
ロベルトは思う。
(どうか結婚式が無難に余計なことを起こさず、波風立たず厳かなうちに行われますように。
そして余計なゴミは連れて帰りませんように...。
ていうか、エミリーの父上殿に挨拶して俺も出れるようにお願いしちゃえばよくね?
姉上殿とも知り合いだし、俺ってエミリーの家族とそこそこに仲いいし!)




