なんかちょっと変なんだ2
「マリアーナ、帰ろう」
「はぁい、ではごきげんよう」
ジーンが迎えにきた。
騒然となった婚約から早くも数日が過ぎる。
一緒にいられる間は共にいて、相手をよく知ることにしたらしい。
「...冗談かと最初は半信半疑だったけど...」
「馴染んでるな」
今、私はロベルトとレオン、レイモンド、シルビアと五人で二人を見送った。
「こら、エミリー。
冗談だなんて言ってはいけません!」
シルビアがたしなめてくる。
「はーい」と言いながらチラリとレオンを見てみる。
「ねぇレオン、この間マリアーナが『いい人はすぐに相手ができてしまうからグズグズしてはダメよ』って言ってたよ?
お前もグズグズしてるとやばいかもな!」
イヒヒと思いながら顔色を伺うと、ムッとしたように私の後ろをギロリと睨みつけてる。
「その言葉そのままそっくり、誰かさんにリボンを付けて贈ってやろう!」
レオンの言葉に振り返るとロベルトがいて、肩をすくめた。
慌てたようにレイモンドが「二人とも婚約指輪は、ボクんちで買ってね!!」と言ってる。
なんだ、レオンはともかく、ロベルトも目当ているのか?
「シルビア、明日の模擬戦楽しみだね」
「はい、補佐係として頑張りますわ」
興奮して頬を染めるシルビアは可愛い。
「シルビアは記録委員に審査用紙渡す係だっけ?
女性はずいぶん内容が簡単だね。
私も救護場所で先生の手伝いだよ」
「女性剣士を目指す方などは、もっと前線でフォローする係ですけどね」
「将来女王様専属の近衛騎士ってやつだね、かっこいいなぁ」
あれから休まず部屋で運動している。
なんとかなれないかなぁ...ケンカはよくしたけど、剣技得意じゃないからなれないだろうなぁ。
「ジーンは大将とか司令官あたりかな?
ロベルトはなにするの?」
「国内側の司令塔ってやつかな?
計算上でしかないが、いかに金を稼ぎ、国土の状況を保ち、安定させるかが問題」
「へぇ~~、レオンは?」
「私は外交官だね、いかに早く戦を終わらせて、よりいい条件をもぎ取って条約を結ぶかが仕事だよ」
「ふんふん、なるほど、レイモンドは?」
「そんなの商人に決まってるさ。
武器や食料の安定供給!
目指せ大商人!!」
なるほど、それで条件いいほうが勝ちなんだろうなぁ。
「みんなそれぞれ進んでるね。
私は何になりたいんだろう...」
家を継ぐ目標がなくなった私は、みんなに置いてかれたようで寂しくなる。
シルビアが手を握ってくる。
「エミリーなら大丈夫です。
わたくしがいます。
わたくしだって、まだまだ未定ばかりですわ」
ロベルトが妙に真面目な顔をしてる。
きっと真剣に考えてくれてるんだろう。
レイモンドがニコニコ微笑み、レオンが「大丈夫!」って頭を撫でてくれた。
友達がいて本当に良かった。
「みんなありがとう!
みんながいなかったら、夜中モヤモヤがたまらんくて、一人走り込みしてるとこだったよ!」
「「「「そんなことするな!」」」」




