おまえらは、俺の人生に関わるな
相変わらずの見切り発車。
出発進行!
ここは国を代表する貴族と有能な一般の国民が集まる学園。
騎士を育て、文官を育て、将来の国のため人民のため、5歳から18歳までの子供達が集まる、セントウェイルズ学園
「たく、レオンも、ちょっとは節操ってもんがねぇのかよ」
「そう言うな、アイツも気の合うご令嬢を探してんだからさ!
あれで、ロマンチストだろ!
愛され愛せるご令嬢を探してんだからさぁ。
おっあれエミリオんちの馬車じゃないか?
じゃ、気をつけて帰れよ!」
「ああ!じゃぁな!
みんなにもよろしく。
そうだロベルト、貸した本失くすんじゃねぇぞ!」
「ははは!
大丈夫だって、帰ったら返すよ!
家に帰ってる間に身長伸びるといいな!
じゃぁな、気をつけてけよ」
「うるせぇ!」と言いながら俺は軽く手を挙げ、家からの「至急帰れ」の命令に、馬車に乗り込み家路についた。
その道中馬車が崖から落ち、エミリオは死んだ...、
ことになった。
俺は...、いや!
私は、一年前まで、男の子でした!!
ことの発端を話そう。
私の家は、父上母上と姉上と私の4人家族だった。
家はしがない男爵の位だが、無駄遣いをしないから財産はあった。
でも女は家を継げねぇ。
...あっしまった、言葉遣いで姉上に殴られる...!
ってことで、悩んだ両親は、私を双子で生まれたとふれまわった。
私こと令嬢エミリーは病弱といいひたすら隠し、跡取り息子エミリオとして育てた。
そして私が11の時、無事に正真正銘の男、リックが生まれたのである。
リックがいるおかげでエミリオは必要ない。
そんなわけで無事リックが2歳を迎えたのを契機に、馬車の事故を偽装し『俺』という存在は享年13歳で死んだのだ。
正直やりにくかったから、ホント助かった。
『エミリー』の見舞いだなんだって、相手は善意だけど、私にとっちゃ余計な事をくれる親族が来る前に、寮から馬をとばして帰り、ベッドの中で病弱なふりをした。
(馬をかっとばして帰るなんて、どこが病弱なんだよ!)
学校では着替えのとき女だってバレないように着替えて、...胸が大きくなる前でホントよかった!!
羞恥心?
かなぐり捨てたさ!!
自分の葬式の時、5歳の頃からつるんで遊んでた、ロベルト達仲間4人の沈痛な面持ちを見た。
もうあいつらとはふざけられないんだなぁ...と少し泣けたけどもう戻れない。
そんなこんなで私はもともと肩まであった黒髪をもっと伸ばして、1年かけ淑女のマナーを覚え直し、一年前までいた学園の編入試験を受けて、無事に復学を果たしたのだ。
わたくし、エミリー・シュタイン!
精一杯第二の人生を歩みたいと思います!!
「エミリーさんはもう体の具合はよろしいのぉ?」
「えぇ、遠方の特別なお薬を飲みましたところ、あっという間によくなりました。
今では普通の生活を送れます。
良くしてくれた両親には感謝です」
「それは良かったですわねぇ」
「ありがとうございます」
新たに何名か友人となった中の一人、マリアーナと食堂へ移動していた。
マリアーナは背中まで伸びた赤毛にパッチリとした目をして、見た目は気が強そうだがおっとりとした雰囲気の女性だ。
ギャップ萌え最高!
私の嫁!!
楽しく談笑していると前方から、昔から聞きなれた声が聞こえてきた。
(やっべ!あいつらだ!)
1年かけてマナーを学んでいたため勉学は疎かになっていたから、復学は留年を選び学年は今までより1つ下になっていた。
そのおかげか2ヶ月経った今でも、なんとかレオンやロベルトと会わないでいた。
いつボロが出るかわからない。
少しさみしいが、関わらないことが一番なんだ。
「ママママリアーナさん!
ほらほら来て来て、見て見て!
素敵な花が咲いてるわ!!
ほらほら、こっちこっち!!」
「え?どちらぁ?」
慌てて、マリアーナをグイグイ引っ張り裏庭に誘い込む。
(し...心臓に悪い)
「あらあら、小さくて可憐なお花ねぇ!」とキャッキャ言うマリアーナを、天然で良かった!なんて思いながらホッとし、なんとかやり過ごした。
ホッと一息つてマリアーナと話していたから、通りすがりにレオンが見ていたことを俺は知らない。
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