影の精霊と、夏の風物詩のアレ。
毎度の事ながら、エセ関西弁と…今回はゆるーいBL表現が出てきます。そこに嫌悪感を感じたかたは閲覧をご遠慮していただくのをオススメします。
はろはろー、朝でもはろはろー、夕方でもはろはろー、夜でもはろはろー!!僕は影の精霊やで~!!え、鬱陶しい?まぁ、ええやん。細かい事気にしんでおいてっ。え、ウザい?…もう、僕を蔑まんといて…ちょっとゾクゾクしてくるやん。
…コホン、その事はええや。何か、真面目に連載に出よるコピーに立場を取られそうになっとるけど…僕は僕で、ノンビリ行くで。
って言うか、何かするにも世界観や精霊の在り方とか微妙にちゃうし、そもそもコピー居るから僕本人が出たところで連載のカオス度がエライ事になるだけやしな。それに、僕と一人称同じ女の子が居るらしいし…それでコピーの方は『ウチ』って言ってるらしいな。僕っ娘って、またマニアックな…って、コレ別に今の話と関係なかったわ。
兎に角、話が大変ややこしくなるから、僕は連載の方には参加しない方向やで。って、これ前にも話したかいな?…忘れてしもたわ。テヘペロやね!!
それはさておき…僕は今、とても光の精霊に見せたいモンがあるんや!!
光の精霊を探していたら、ちょうど前方に見えたので、大きな声で名前を呼びつつブンブン手を降りながら駆け寄った。
「なぁなぁ、光の精霊。見て見ていたっ!?」
「き、急に叫びながら来るなよ!!ビックリするし…は、恥ずかしい…だろ…。」
もう、光の精霊は変な所照れ屋さんなんやからぁ…。軽くハリセンでひっ叩かれた額を擦りつつ、あははと苦笑いをこぼしてまうがな…まぁ、そこが光の精霊の良い所でもあるんやけど。
「それはごめんやで。光の精霊に会えて嬉しくて…つい。」
「ばっ!?んなサラっと、恥ずかしい事言うなよな!!…っ…よ、用事あるみたいだけど、何か用かよ。」
「あ、そやそや。コレ、見て見て!!」
「あ、何だよ。」
「これな、これな、ご主人から貰ってん。」
バッと光の精霊の前に、ご主人から貰った濃紺の浴衣をバッと広げた。濃紺の下地に薄紅色の桔梗の花が描かれていて、いかにも爽やかな感じがする一着やね。まぁ、桔梗って一応初秋に咲く秋の花らしいけど…大体今で言う七月八月辺りやからなぁ…まぁ、大丈夫やろ。綺麗やし。
「…なんだ、コレ。和服?」
「えへへ、ええや…って、どぅえぇぇぇえ!?光の精霊浴衣知らへんの!?ええの!?それでええの!?今夏やで?夏真っ盛りやで?夏と言ったら暑いやろ?お風呂上がりに着るのにちょうど良さげやろ?ちょっとしたお出掛けに良さげやろ?ちょっとしたお出掛けがてらお祭りにも行けそうな気がするやろ?」
「…つまりは、浴衣ってのはバスローブとジャージ的な役割を持っている和服って事か?」
結構バカにした様に言ったので、怒鳴り声やハリセンの一つ二つ飛んでくるかと思ったんやけど…光の精霊ってば、真面目に悩んで答えてくれた。何この子、ええ子やな。
「…今はファッション性重視で、僕が言ったのはちょっと間違っているんやけど…まぁ、強ち間違ってないかな。」
「ふぅん、それをアイツから貰ったのか。」
「アイツって…僕のご主人やで?…まぁ、それは今はええか。でな、でな!!この浴衣着て、ちょっと一っ飛びして遠くのお祭り行かへん?」
「はぁぁあ!?でも、浴衣一着しかないじゃん。」
「そこら辺は大丈夫やで。ご主人の旦那さんから、男物の甚平も貰ったから…僕が甚平を着て光の精霊が浴衣を着るか、僕が浴衣着て光の精霊が甚平を着るか、どっちかやね。」
「…その、影の精霊。…甚平ってのは何だ?」
「ん~…着てみたら大体分かるんやけど、口で説明するんは難しいなぁ…そやね、光の精霊が甚平着るか。僕、別に浴衣でも構わんし。」
「え、良いのか?」
「光の精霊、あんまり女の子の格好したないんやろ?この浴衣女物やから…そこは女の姿になるのとかや女装とかに少ししか抵抗のない僕が着た方がええやろ。」
実際、光の精霊の為に女の姿になったことあるし、元々僕女顔やし…もう、何やかアレやね。光の精霊と夫婦になった辺りで色々吹っ切れたわ。…それに、ちょっとした無理難題は…逆に楽しい言うか、気持ち良くなってきたしな…てへへ。
「…その、何かスマン。」
「ええって、ええって。こう言う時は助け合いってよく言うし…っと、その調子やと、甚平の着付けも危うそうやな…よし、僕が手取り足取り教えたるで!」
「ばっ、バカッ!?そう言うのを大声で言うなっ!!」
「おふあっ!?」
別に変な意味ではなかったんやけど、光の精霊が勝手に深読みしたから、ハリセンでひっ叩かれた。…もう、照れ隠しに叩かんでも…別に、僕ならええんやけどさ。