爽快な冗談
とある中学生の青春の一ページ目
一番最初に言っておく。僕――桐谷 翔は勉強をすること自体は嫌いではない。
だがしかし、やはり面倒くさいものは面倒くさいのだ。
やれと言われて早々すぐに手を付けられるものではないし、目先の快楽に溺れて結局赤点行きの列車にのりこんでしまうのだ。改善しようと思ってもすぐに手に取り付けれるのであれば今までにやってきたのに、今もやらずに快楽に溺れ続けるというのは、やり方もわからなくなっているなのだ。これは勉強以外にも同じことが言えると僕は思う。
勉強というのは、非常に難しいものである。継続しなくてはならないのに継続できない。僕は今、学問よりも、学校の中の青春にもこのような状況であると言えよう。自分と他人の心の隙間を埋めた友好関係を築いても、そこに付き合いがなければいつの間にか心の隙間が復活している。これは誰だってわかるはずだ。僕も頭で理解していたが、体で実行することができなかった。人生を形作る学生生活を僕は棒に振ったといっても過言ではない。勉強のやり方は解るが友達の作り方がわからなかったのだ。
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「またお前は赤点をとったのか!!」
父の怒号が頭の中で反響する...気がした。テスト数週間前に想像しちまうなんて...縁起悪りー。
「どうしたんだ?朝から地球が滅亡したみたいな顔して」
「僕そんなにひどい顔してた?!」
僕が軽口を返した相手は、どういうわけかガリ勉陰キャの僕とは無関係なはずの...ってそうでもないか。
「今絶対心の中で俺に失礼なことを思っただろ。なあ」
こうすると聞こえが悪いかもしれないが、キョロ充...と呼ぶのだろうか?一応僕の数少ない友達の射馬 快だ。よく僕みたいなクラスの端にいるような人に話しかけては浅く広い交友関係を作っている。
「そんなこと思ってないよ。ただ君のことを僕と同類だって思ってだけ」
「そーれーはー・・・お前がとんでもナルシストかとんでも卑下マンかの二択ってことになるけど」
「とんでも卑下マンってなんだよ」
「造語☆」
くだらない雑談で朝の暇な時間を潰す...というか、暇な時間ばっかなんだから潰さないと損なんだがね。
さて今日は勉強をしようかな...面倒くさいし、やめとこ。快とでも話そうかな...って、
「君って隣の高校にいる泉って子知ってる?」
「知らない」
いつの間にほかのところ言った~?!しかも興味なさそうに迷惑そうな顔で即拒否られてるし...あ、戻ってきた
「一瞬で振られちゃった...」
「もしかして快っていつもあんな感じに話しかけてんの?僕と話したときはもっと緩やかな感じだったと思ってたんだけど」
「おう、まあそりゃな。てかお前も知ってる?隣の高校の」
「知ってるよ。俺の姉ちゃんだもん」
快は背後にキュウリを置かれた猫のごとく吃驚した。ちょっと面白い、が、快は首をかしげながら僕のほうへ疑問をぶつける
「でもお前って苗字桐谷じゃなかったっけ」
「泉は名前な」
「あぁ、そうなんだ~うわさでしか聞いたことなかったから苗字としか思ってなかったわー。トンクス!」
自己流の感謝をすると、快は自分の席に戻っていった。やれやれ、話し相手がいないし、僕もテストに向けて勉強ぐらいはするか...
嫌々ながらも自分のためになる行動をとった自分を少しだけ褒めてもいいと思う。とにかく、快は勉強してないな。うん、大丈夫か?あいつ。




