表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様の後始末  作者: まるす


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/70

第68話 深く熟成された赤ワインのような

「――――!」

 

 遠くから鈴の音のような声が聞こえた気がした。

 ルーイは遂に幻聴まで聞こえ出したのかと、失笑せずにはいられなかった。

 どうやら自分は案外女々しかったんだと、死ぬ間際に気付いたからだ。


「ギャウゥウゥウゥ!」


 幻聴は続いている。

 次いで聞こえてきたのは、憎き魔獣ラーテルの断末魔の悲鳴だった。


(ざまぁみやがれ……!)

 

 内心で罵る。

 幻聴とはいえ、死地への子守唄と思えば心地良い。これで少しは溜飲も下がるというものだ。


 しかし、いつまで経っても死の際に訪れるであろう、痛みや苦しみといったものが何一つ訪れない。


「――?」


 不審に思い、薄っすらと閉じていた目を開ける。

 ぼやけた視界に映るのはやはりラーテルの群れ。愛くるしい見た目に反し、残虐で獰猛で、島随一とまで言われる凶悪な魔獣の群れだった。


 その群れの隙間から微かに赤い髪が見え隠れする。

 そして、辺りに生き物が焼ける生臭くも、焦げ臭くもある独特の臭いが漂ってきた。


「……っあ!」


 ルーイは目を見開く。


 嘘だ。

 そんなわけがない。


 だって彼女はまだ眠っているはずなのだ。

 デビルゴートに手酷くやられた傷は、カトレアが治癒魔術を施したしたとはいえ、一時しのぎなだけでまだ塞がっていないはず。

 加えて、魔素マナ枯渇症に陥った身体が、そんなに早く動けるようになるはずがない。 


 だが、確かに見える。


 深く熟成された赤ワインのような美しいボルドーの髪が。


「……クレ、ハ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ