第48話 御神体
「?」
ルーイは首を傾げる。
というのも、二人の目の前、祠の中心には台座、とでも呼べるべき物が置かれていた。
台座は二層構造になっており地に接している面は四角く、中ほどから上側はまるで土俵のように丸い。
祠に見合う大きな台座の四隅には、ルーイの身長ほどの柱のようなものが四本立っており、立入禁止とばかりに柱同士を注連縄が繋ぎ、ルーン文字と神聖文字の書かれた紙垂が垂れている。
――それ以外には何もない。
台座はあるが、ただそれだけ。
だだっ広い祠の中にはそれ以外、他に何もなかったのだ。
「御神体とやらは……まさかこれか?」
例の台座を指差しながらクレハに尋ねる。
当然そんなわけないだろう、とは思ってはいるが、それ以外に何もないのだ。
誰が見ても分かる。
あの台座に件の御神体が、〝ウルティマ〟とやらの肉体の一部が祀られていたのだろう。
しかし、なにもない。
「………………」
「クレハ」
目を見開いたまま固まっているクレハの肩に、ルーイがそっと手を置く。
ハッとした様子のクレハの顔は真っ白で、血の気がまるでなかった。
「とにかく一旦プイスに戻ろう。ババアなら何か知っているかもしれないし、何よりまず休まないと」
「……そうですね」
二人は一度だけ台座の回りをぐるりと確認してみたが、やはり何も見つからなかった。
ルーイは明らかに動揺しているクレハを伴い、足早にプイスへ戻ることにした。




