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黒色の彼〜アセラ王女目線〜

 生まれた時からあれが欲しいと思ったら何でも貰えた。

 父の元で働く宰相は毎回

「王位を継ぐのはアセラ王女様だけですよ」

 とニコニコしてくれる。その通りだ、正式な娘だから、私しかだけだろう。

 でも、父上に褒められるのは不正式な兄だった。どうして?私は父上に褒められたこともない。いつも褒めてくれるのは母上だけだ。

 もっと勉強すれば父上に褒められる?あんな草いじりとは一味違うところを見せてやろう。

 私は、宰相に頼み込んで当時国一番と呼ばれる魔法師に来てもらうことにした。


 新しい先生は素晴らしく賢いようだったが頭が良すぎていらない知識までつきそうだった。


「ここを解読できたら、異世界に魂を送ることができるのですが…失敗の可能性もありますし、禁忌ですので…解読は致しません。」

「ふぅーん」

 その時は必要がないと思っていた。



 ある日

 王宮に来ていた人達が噂をしていた。

「ティナベル・カートレット嬢が古語が素晴らしくできるようだぞ?」

「あぁ、聞いた聞いた。カートレット家は魔法が有能だからな」

 また、父上は違う人を褒めようとしている気がする。


 初めての社交界、私は父上と参加予定だった。

 だけど、父上は来ず、宰相にエスコートしてもらった。

 

 その時、同じぐらいの歳の子が4人いた。私は同じぐらいの歳の子なんて兄以外で初めて見たからだ。

 たった1人目を奪われた。そう。黒髪がすごく似合う子

「ねぇ、彼の名は?」

「あぁ、ブルース公爵家の子ですね。エルリック・ブルースですよ。」

 宰相が教えてくれた。

「私あの子が欲しい」

 宰相はびっくりした顔をしていた。申し訳なさそうに

「実は、カートレット家の方と婚約をしているようです。」

 カートレット家?まさか…

「ティナベルって子?」

「はい…彼女も、あ、会場にいますね」

 私は見渡し

「あぁ、あの子が…私、欲しいなエルリックが…」

 私がもっと魔法を勉強すれば…勝てる?と思った。



 後日

「ねぇ先生、前の古語訳してよ。私には内緒でいいからさ」

「え」

 先生は驚いた顔をしていた。

「したいんでしょ?」

「では、内緒に…せっかくのなので…」


 私は移し方の魔法式を手に入れた。

 

 そう私達王族は魔力が他の人より多い。そして、私は兄よりも多い。いらないものは自分で排除しなきゃいけないね


 私は呪文を唱えた。今までにないくらいの脱力感、だが、これで…エルリックは私のもの…


 私の顔はニヤニヤとしている。

次回に続きます!

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