小さい頃からの約束-エル視点-
お母様に連れられて婚約者を選ぶお茶会、周りの男女は必死に声をかけまくっている。
女の子に追いかけ回されて、逃げまくっていた。
「つまんないなぁー。本を読んでいた方がマシだ〜」
最近発売された。魔法学の古語魔法。古語魔法はまだまだ解読中らしい。今の段階でも、あまり解読されていない。それでも、わかった文献はすごく面白い。暇つぶしに読むか、と1人で黄昏ていた。
その時風がふぁっと吹いた気がした。
「古語の本?」
少し癖っ毛のある目がまん丸な令嬢が話しかけてきた。見た目はかわいい…。普段なら逃げているが、少し話をしてみるのもありかな…?
「古語読めるの?」
下を向いたまま聞いてみる。
「うん!」
彼女の笑顔で答える。かわいい…。これは、一目惚れ?
「私ティナベル!」
「僕はエルだよ」
天使のような笑顔を見せてくれる。
「ピンクってプリンセスみたいでしょ?」
もう君がプリンセスだよ。
「青色着てたら私別人だと思う」
彼女はくすくすと笑う。
そんな彼女の人生を見てみたいと7歳になったばかりの僕は思ってしまった。
すぐに僕達は婚約した。でも、彼女はなぜか嬉しくなさそう。どうしたんだろうか…下を俯いて…
僕達は婚約したから月に一回は顔合わせがある。が、彼女は何も話さなくなった。
僕は気がついた。彼女のドレスの色に…
「君は…誰だ?」
「す、、すみません。」
彼女は泣きながら謝る。それは令嬢の謝り方じゃない…なにこの謝り方…
彼女の口は震えていた。
「魂が入れ替わったようで…」
彼女から詳しい話を聞いた。
僕は言葉を失った。僕を見て彼女はいや新しい彼女は、どんどんと魔法の知識を深め、国内最大の魔法師になっていた。
月に一回は顔合わせしていたが、彼女じゃないならと思いだんだんと会う理由はなかった。頻度は減ったがたまに会いにいった。
かといって仲が悪いわけではない、会った時には魔法の話をしたりして、恋愛ではないが友人にはなれたのではないだろうか。
「婚約どうする?」
僕が聞く
「あの、もうすぐで…元に戻そうで…でも、成功するかわからなくて…」
「え。」
僕は驚いた。
いいのか?彼女は魔法が使えなくなる…魔法師まで上り詰めたのに…
悩んでいる僕を見て
「いいんです。私、やり残したこともうないので」
と窓の方を見つめていた。
あれは…庭師?
彼女の目は何だか切なそうな目をしていた。きっと、彼のことを思っているんだろうな。デインからも庭師と仲がいいようだと聞いていた。
「いいのか?慕ってる殿方とか」
女性に聞く質問ではないと思い慌てて口を閉じた。
「それはそれは大恋愛をしましたから」
と笑顔で言われた。
彼女はそんな顔もできるんだなと思った。
そして、デインから連絡が入った。
『妹の記憶がなくなった』と、これは、もしかしたらと期待して僕は走っていった。
そこには、天使のような彼女がいた。良かった。まだ、僕の夢の約束は終われない。
そして、大恋愛をした先輩の無事も祈ろう。




