彼女が思うならば、
日記というか、私宛な気がする…この本には何点か気になる部分があった。まず、誰が人為的に転生させたのか、彼女はエルと離れて良かったのだろうか、私を狙っているのは誰か?と言う点だ。
私は大きくため息をつく。困った時にはお兄ちゃん。これを見せるしかない…
お兄ちゃんの部屋をノックする。
「お兄ちゃん、いい?」
「あぁ」
お兄ちゃんは優しく笑う
「ねぇこれ読んで欲しい…」
お兄ちゃんに渡すがお兄ちゃんはため息をつく。
「読めないぞ?これ、魔法で書かれている。多分読めるのティナだけだ」
「えー。」
私は困り気になる点だけをお兄ちゃんに話す。
「早急に調べよう」
お兄ちゃんは少し暗い顔になる。それを察知して私も下を俯く。
お兄ちゃんは優しく頭をなぜ私を抱きしめてきた。
「えー、お兄ちゃん???」
お兄ちゃんの長い赤茶の髪が私の顔にかかりこそばゆい。でも、お兄ちゃんの体はゴツくてなぜか震えているようだ。
「絶対に居なくならせないから」
怒って震えている…??まさか…、ね、
お兄ちゃんは体を引き離し
「エルに伝える」
と顔も見せずに魔法道具で連絡を取り始めた。
エルと婚約をして良いものかどうかずっと悩んでいる。そして梅原紗枝はエルのことを慕っている。私にそんな資格あるのだろうか…胸がギューっと痛む感じがした。いや、でも、私より年下に9コも年下だぞ…?
部屋のノックがなった。
「はい」
入ってきたのは黒い髪がなびくエルだった。颯爽に私に飛びついてきた。
「エル…?」
私に抱きつきぎゅっとする。私は急に恥ずかしくなった。お兄ちゃんでは何も思わなかったのに。何で私照れているの…?きっと、顔が真っ赤だ…
エルは自分が何をしているのか自覚したようで、離してくれた。それでも距離は近く、私の顔は下を俯くしかできなかった。恥ずかしくて目も見れない。
「ごめんねティナ。つい心配で」
「うん…」
私はそっけない返事をした。エルは私に目を合わそうと近い距離で伺ってきた。
「ティナ?」
エルの手が頬に…
「顔真っ赤!」
「近い近い近い近い!不純!」
私はエルを突き放した。
何でこんなに照れるのよ、私しっかりしなきゃ。私は気持ちを入れ替えエルに転生の出来事を話す。エルは優しく話を聞いてくれた。
「そっか。そうなんだね。」
「でね、婚約破棄したほうがいいかなって」
エルはキョトンとする。
「ごめん、話の意味がわからない。」
「だって、私には記憶は戻らない!紗枝だって…」
私から紗枝はエルが好きと伝えるのは違うな…と思い踏みとどまる。
「前の私のことをどう想ってた?」
エルは止まっていた。
「やっぱ前の方が良かった?」
自分で質問したのに、答えを聞くのが嫌になってしまって部屋から逃げ出してしまった…




