閑話② ルクレとククレの現実
閑話でENDです。
俺達は生まれた時から一緒にいる。正確には、産まれる前からだと思うけど。
語りは、兄のアーククレバ=ホームがお送りします。
10年以上前、俺と弟のルクレ(クールクレバ=ホーム)は失恋をした。
亡き母の面影がある女性。マザコンだと笑うなら笑えばいい。母は肖像画でしか見たことがないが、俺達を産んだことが原因となって、亡くなってしまったと聞いた。
使用人達は俺達にそのことを隠そうとしていたけど、聞いてしまった。
その後で、俺達はあの母の面影がある女性、セーヌと出会った。出会ってしまった。彼女は仕事のできる人だった。俺もルクレも彼女に夢中になった。
だが、彼女には落とし穴があった。彼女は仕事ができるから、密かにある薬を輸入していた。
ターゲットの異性に幻覚作用をかけながら、魅了をするという薬を…!
なんてこと!俺達の大事な商会のルートを使ってそんな薬を輸入するとは⁈俺はすぐさまルクレに相談した。「あの子は大変なことをしでかした。しでかしている。早急に免職するべきだ」と。
その時のルクレはまだ幻覚作用のかかったままだった。
「彼女に限ってそんなことをするはずがない!」
そうルクレに断られた。正直ショックだった。ルクレに断られるのはショックだ。
彼女の本当の顔は母とは似ても似つかない。
俺達二人で薬の効果を実証したようなものだ。
彼女の最終目的は?
まさか?俺達2人を使い続け、この商会を乗っ取るつもりだったのでは?恐ろしい。
俺はルクレをほぼ自宅謹慎状態にし(自宅でする仕事ばかりをやらせた)、彼女から離れるように仕向けた。
数か月後薬の効果が完全に抜けた状態で彼女を見たルクレの感想
「マジかよ?あんなのは母さんには似ても似つかない。すごいな、薬」
俺は防毒服マスクの実験と称して、しばらく薬を体に入れていなかったので平気だ。
「あの薬は決めたターゲットのみに効くようだよ。ほら、他の男性社員は普通に働いてるだろう?」
「そうだね~」
「それじゃあ、セーヌは免職でいいかい?」
「もちろん。世間が大変なことになるし、商会の体面にも関わるから、薬は回収しよう」
このように、非常に事務的に処理を行い、同時に俺とルクレは失恋した。それからというもの、なんだか女性不審となった。といって、男性が好きかと言えばそうではない。ただ女性が不審なのだ。ルクレも同じ状態だと思う。
俺が最近気になる女性…街のパン屋の売り子かなぁ?ルクレと違う子だといいんだけど。好みが同じだから困るんだよなぁ。彼女とは年齢差があるのが気になるかな?
END
ルクレとククレの未来が一番わかりずらかった。
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