隣国の皇子殿下との文通
クロヴィスも手紙を喜ぶ
「ご当主様、リュック殿下からお手紙です」
「!!!」
私はポールから手紙を受け取って、開けて中身を読む。
『クロヴィス様へ
お久しぶり。元気にしているか?俺は元気だ。
クロヴィス様はアリスティア様とは上手くいっているか?
クロヴィス様はもう、自分の気持ちを自覚した頃か?アリスティア様ほど鈍くないだろうから、もうアリスティア様へのアピールを開始しているところだろうか?それとももう想いは通じ合った?
俺の方は、勉強漬けにさせられていて三時のおやつが唯一の癒しだ。やっぱり頭を使うと糖分が恋しくなるな。
それで、なんとか人前に皇子として出せる程度の所作は身に付いたってさ。読み書きもとりあえずなんとかなってる。ただ、難しい勉強はまだよくわからない。先生が一生懸命に噛み砕いて説明してくれているから、俺も早く応えられるようになりたい。
けど、魔法の授業ではすごく褒められる。魔力量が多いのが、俺の長所だからな。でも、褒められすぎてちょっとむず痒い。それで、治癒魔法と保護魔法は鍛錬は必要ないって。もう充分らしい。今は転移魔法を練習中。転移魔法ってこんなに難しいんだな。練習あるのみだ。そのうち攻撃系の魔法も練習しようってことになってる。とりあえず俺の得意の属性は光らしいから、光の矢とか覚えることになりそう。遠戦とかに便利だよな。
それでな、勉強を頑張っているご褒美は何がいいか父上に聞かれたんだ。久しぶりにアリスティア様とクロヴィス様、シエル様に会いたいって言ったら呼んでもいいって。もし来てくれるなら来て欲しい。返事に書いて欲しい。来れなくても返事は欲しい。アリスティア様とシエル様にもお手紙出すんだけど。…また会いたい。いいお返事、待ってる。
リュックより』
「…リュックらしいな」
手紙の最初に私とアリスを気遣う辺り、皇子になっても本質は変わらないらしい。
「リュック殿下が隣国に来ないかと誘ってくださった。シエルとアリスの意思の確認に行く」
「はい、ご当主様」
シエルの部屋に向かう。ノックをすれば可愛い返事が聞こえて、中に入る。
「シエル、リュック殿下からの手紙は読んだか?」
「うん!僕、リュック殿下にまた会いたい!」
「わかった。私もお招きいただけるならリュック殿下に会いに行こうと考えている。アリスにも意思を確認してくる」
「うん!行くの前提でお返事書いてもいい?」
「構わない」
シエルは早速リュック殿下への手紙を書き始めた。私はシエルの部屋から出てアリスの部屋を目指す。その途中の廊下でアリスに出会った。
「クロヴィス様!」
「アリス、リュック殿下からの手紙を受け取ったか?」
「はい!」
「隣国に行きたいか?」
「行きたい!」
アリスの様子に自然と口元が緩む。
「そう言うと思った。シエルも行きたいそうだ。みんなで行くって返事を書こうか」
「はい!」
「じゃあ、俺は手紙を書いてくるか」
「僕も書いてきます!」
「シエルも今手紙を書いている。…楽しみだな」
「ふふ、はい!」
ということで、私は部屋に帰ってリュック殿下へのお手紙を書く。
『リュック殿下へ
お久しぶりです、クロヴィスです。リュック殿下からお手紙をいただきとても光栄です。
勉強は将来、自分のためになります。今のうちに励んでおくと後が楽ですよ。リュック殿下が勉強にきちんと打ち込んでいるようで、私としても安心致しました。少し、心配していたので。
酷い怪我を負ったとき、リュック殿下の魔法に助けてもらったこともありましたね。リュック殿下は光属性なんですね。光属性の攻撃魔法は遠距離系が多いですから、魔法剣術と組み合わせると強いので良いと思います。
お返事ですが、もちろん隣国まで行きます。リュック殿下にお会いしたいです。ぜひお会いしましょう。
それと、心配してくださったアリスとの仲ですが…告白して、想いが通じ合いました。そして、結婚指輪も渡しました。進展しているので心配ご無用です。
馴れ初め的なことは、恥ずかしいので聞かないでいただけると嬉しいです。私が色々、暴走してしまったので。
書きたいことは他にもたくさんありますが、次に会う時にお話し出来ればと思います。早くリュック殿下にお会いしたいです。楽しみにしていますね。
クロヴィスより』
こうしてリュック殿下への手紙は書き終えた。ポールに渡して出してもらう。
「アリスティアもシエルも喜んでいたし、楽しみだ」
私はリュック殿下からお招きいただけるのを楽しみに待った。
みんなでまたリュックに会いに行きます




