クロヴィス様が大怪我をして帰ってきた!!!
アリスティア、焦る
ある日クロヴィス様が大怪我をして帰ってきた!!!幸いシエル様はもう部屋で寝ていて、見ないで済んだけど…!
「クロヴィス様!?どうしたんですか!?何があったんですか!?」
「アリス、大丈夫だ。心配ない…」
「心配するに決まってるでしょう!リュック、治癒魔法かけて!!!」
「わかった!ご当主様、いいか?」
「…頼む。痛みで治癒魔法に集中出来なくて、自分では難しくてな。すまない」
リュックが治癒魔法をクロヴィス様にかける。僕はその横で、クロヴィス様の手を握って励ます。
「魔法の使えない僕にはわからないけれど、僕の護衛になるくらいにはリュックの治癒魔法は優秀だとポールさんから聞いてます。きっとすぐ良くなるから、頑張ってください!」
そう言いながら、クロヴィス様の手を握る僕の手は震えている。
「アリス。不安にさせてすまない。でも、本当に大丈夫だ。リュックの治癒魔法で大分楽になってきた」
「…本当?」
「本当だ」
「よ、よかったぁ…リュック、どう?まだ魔力持ちそう?」
「俺は結構魔力ある方だから大丈夫。ただ、血のせいで傷口見えづらい。ポールさん、ご当主様の傷口を清潔なタオルで拭って欲しい」
リュックの指示でポールが清潔なタオルを持ってきた。
「ご当主様。失礼します」
「ああ、頼む…」
「…うん、とりあえずお腹は傷口塞がってきたね。太ももも血は止まったし。俺一人でも内側までしっかり治せると思うけど、一応終わったら治癒術師に見てもらってね」
「わかった。…アリスがリュックを雇って欲しいと言ってくれて、助かったな。リュックもアリスもありがとう」
「そんな、僕何も出来なくて…」
本当は。僕に魔法が使えたら、僕がクロヴィス様の怪我を治してあげたいのに。僕は、無力だ。
「アリス」
「…なんですか?」
「誰かがこうして手を握って側で励ましてくれるだけで、心強い。それが君で良かった。アリスのおかげで、私は頑張れる」
「…ふぇえええええ、クロヴィス様ぁあああああ!!!」
僕、我慢してたのに。クロヴィス様があんまりにも優しいから泣いてしまう。クロヴィス様が大怪我をして不安で、心配で、自分は無力で情けなくて。でも、クロヴィス様の傷が段々と消えていくのは見えている。よかったよー。
「はい、これで内側まで含めて治癒魔法は終了。ただ…やっぱり血が多く出ただろうから貧血も心配だし、血を増やすお薬をもらうためにも本当にちゃんと診てもらってね?」
「わかった。ほら、アリス。怪我は完全に治ったぞ」
「ふぇえええええ!!!よ、よがっだー!!!」
「心配かけてごめんな、アリス。君がそんなに泣き虫だとは思っていなかった」
「クロヴィス様ー!!!ご無事でなによりですー!!!」
すっかり元気になったクロヴィス様は、僕が泣き止むまでぽんぽんと僕の頭を撫でてくれた。クロヴィス様と一旦離れて、泣き崩れた顔を洗って帰ってきたらルー先生が夜中にも関わらずちょうど来てくれた。感染症もなさそう、治癒も完璧、ただ貧血気味だからと血を増やすお薬だけもらった。よかったー。
アリスティア、大泣きする




